不動産屋の選び方は、1種類しかないと思っていませんか?
プロの立場から申し上げれば、顧客の目的によって不動産屋の選び方は全く異なります。
そこで、この記事では、一部の不動産会社からすれば「そんな事を教えないでくれ」という部分も含め、顧客にとって最良の選び方をお教えしますね。
私は、不動産仲介から土地仕入れまで幅広く経験し、業界の内情を知り尽くしています。
この記事では、公平で客観的な視点から、不動産屋選びの本当のコツについて書いています。
これから問い合わせをしようと考えている方は、参考になると思いますよ。
不動産屋の選び方
不動産営屋の選び方で一般的なのは、その会社が「地域密着型又は広域型なのかで判断し、地域密着額を選びましょう!」という方法です。
しかし、地域密着型ではない不動産屋なんて、殆ど存在していないですよね。
ですから、この選別方法は、そもそも成立していないと思うのです。
不動産屋の選び方については、不動産業者が記事を作成している場合も多いです。
この場合、結局は「うちみたいな会社がいいですよ」というアピールになっている為、本当に公平な目線で論じられているとは言えません。
プロ目線で考えると、経営理念や社風等で選ぶべき場合もあると感じます。
また、不動産屋を選ぶ際には、営業マンの人柄で選ぶという人も多いですよね。
どんな理由で不動産会社を選ぶのも自由ではありますが、プロの立場から公平に教えるとしたら、それは「取引の目的によって変わる」という結論になります。
つまり、購入目的・売却目的・賃貸目的・相談目的等の違いで選び方が異なるという事です。
ネット上では、明らかに不動産とは縁遠い人が一括査定の申し込みを促している記事をよく見かけます。
アフィリエイト目的で書かれた記事に惑わされず、正しい問い合わせ先を選別しましょう。
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不動産取引の種類
不動産の取引には、売買、賃貸、代理、交換、管理、運用委託等、様々なものがありますが、それぞれの専門性に結構な違いがあります。
ですから、目的や内容によって選び方が違うのは当然の事なのです。
病院の種類に、外科・内科・皮膚科・眼科等といった分類があるのと同じです。
目の悪い人が、良い内科医を探すことはありませんよね?
しかし、不動産屋選びでは、このようなおかしな探し方をしてしまいがちなのです。
不動産屋を探す目的の多くは、「売買」か「賃貸」の取引をするためですよね。
まずは、この2つの場合で、正しい不動産屋の探し方をご紹介していきたいと思います。
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不動産の購入
建売住宅や土地の購入等をする際には、大手の看板企業か、中堅の不動産会社でOKです。
最寄りの駅前には、必ずいくつかの不動産会社があるはずです。
駅から少し遠くても、探す地域にある不動産屋なら候補に入れて良いと思います。
実は、建売住宅の建築会社(売主)は、「あの会社はよく売ってくれる」と感じている不動産会社に情報を早く渡します。
ですから、地域で活躍している不動産会社には、良い情報が早く入ってくる可能性が高いのです。
値引き等も受けてもらいやすい効果がありますし、住宅ローン面でも優遇があるでしょう。
この為、2~3店舗規模で経営している地元不動産会社や、大手不動産会社が良いのです。
問題なのは、数社の中からどうやって選ぶか、という部分ですよね。
ここからは、正直なところ、皆さんの好みの問題もあります。
私は、不動産購入の場合、不動産屋の選び方には3種類あると思います。
それぞれ、簡単に説明しておきますので、各自の好みに合わせて選ぶと良いと思います。
営業マンで選ぶ場合
候補となる不動産屋に問い合わせをすると、各社の営業マンからアプローチがあると思います。
資料を届ける際にも、営業マンの個性が出るものですから、よく観察してあげてください。
この際、営業マンの誠実さを見極めるような意識を持ってください。
人の誠実さを図るのは難しいものですが、誠実さや真面目さは必ず仕事ぶりや受け答えに出ます。
仕事をきちんとこなす事や、言葉使い等は、ビジネスマナーとして「演じることができる」という人もいますが、そこにも必ず違いはあります。
自分の利益(売る事)だけを考えている営業マンは、本当の意味で顧客目線になれません。
ですから、かならずサービス内容や言葉尻などに違いが出てくるのです。
それに、たとえ良い営業マンを演じていたとしても、演じない営業マンよりは努力しているわけですから、やはり仕事内容は細かく見るべきだと思います。
個人の性格や善良性については、皆さんの「人を見る目」を活かし、出来る限り選別すれば良いと思います。
会社の信用力で選ぶ場合
営業マンが善良な人物でも、会社自体が信用できなければ意味がないと考える人もいるでしょう。
実際、その会社が倒産してしまえば、営業マンにできる事は殆どありません。
それに、コンプライアンスに厳格な会社は、書類上のミス等も少ないですし、会社側もしっかり責任を持って対応する姿勢をとります。
「何かあった時」の事を強く考える人は、大手不動産会社が良いかもしれません。
また、顧客の自宅へ積極訪問して強引な営業を促す指導をしている、ブラック企業的な不動産会社も存在します。
このような各社の経営方針や社風について知る事も、不動産屋を選ぶ上での選別ポイントの一つだと思います。
仲介手数料で選ぶ
不動産の購入時には、多額の諸費用がかかります。
その諸費用の中で、仲介手数料は特に大きな比率を占めています。
知らない人もいるようですが、この仲介手数料を無料にしている不動産会社もあります。
普通に仲介手数料を受領している不動産屋からすれば、「それは言わないで」という話かもしれません。
新築物件の購入をする際には、かなりの節約になることは間違いありませんが、信用面で「本当に大丈夫なの?」等と不安を感じる人も多いでしょう。
この点についての詳細は、別記事にまとめたことがありますので、ここでは割愛します。
ご興味のある人は、参考記事をご覧ください。
仲介手数料は、売主が直接販売する物件についても不要となりますので、このような物件を選ぶというのも選択肢の一つです。
参考記事
不動産の売却
不動産を売却する際には、購入の場合とは状況が変わります。
結論から言えば、売却の際には『広告力』がある会社を選ぶべきなのです。
できるだけ高い値段で、しかも早く売却を完了するには、不特定多数の人達に物件の情報を広める必要があります。
これには、広告チラシへの掲載の他、インターネットでの広告掲載等が必須です。
しかし、これらの活動には、先行投資的にお金がかかりますよね?
このような費用は、資金力のある会社や、広告に力を入れている会社でなければ困難です。
「客付力に自信があります」等と宣伝している会社があったとしても、広告費を投じてくれないのであれば、依頼する側にメリットはありません。
広告力のある会社を見抜き、良い集客をする会社を選別することが最善の選択方法だと思います。
参考記事
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急いで売却したい場合
不動産をすぐに売りたいという事情を抱える場合も、少し選び方が変わってきます。
相続が発生し、不動産を現金化する必要が出たとか、競売を避けるために一般消費者に売りたいといった場合等です。
このように、急な事情をお持ちの方は、一般的な不動産屋への依頼が最善策ではありません。
このような場合には、買取業者に直接依頼するか、スピード感のある入札システムを利用する事です。
どちらも買取業者が自ら買主になるので、査定金額の通りの金額で買い取ってくれます。
最近では、WEBサービスでも便利な買取一括サービスが出てきています。
☟買取査定の新サービスについての参考記事
不動産の賃貸
賃貸物件を探す際の不動産屋選びについては、売買の場合とは全く視点が変わります。
賃貸の場合、会社の大小はあまり関係ありません。
むしろ、地主さんや、賃貸オーナーとの繋がりが強い不動産屋を選ぶのが良い場合もあります。
小さくて古い不動産屋でも、地主さんとの繋がりが強いケースがありますから、見た目では判断が難しい部分です。
選び方のコツとしては、「各社を回ってみる」というのが一番の解決策なので、明確な選び方は存在しないとも言えます。
時間の無い人なら、インターネットでの検討がしやすい会社が良いでしょう。
動画等で室内を撮影している会社等もありますので、見学をしないで契約する人も増えています。
賃貸の場合も、コンプライアンス遵守の意識が高いのは大手不動産会社です。
ですから、書類の書式や、内容の精査等の面では、大手不動産会社が安心でしょう。
物件案内時の営業車両の質や、事務所内の清潔さ等も大手が有利だと思います。
賃貸の場合、各自がどの部分を重視するかによって、「賃貸の不動産屋の選び方は多様」ということです。
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5つの選び方を復習しておこう!
選び方は、不動産の購入か売却かによって大きく変わります。
赤色は購入時の選別法で、青色は売却時又は賃貸物件を探す際の選別法です。
賃貸の場合、地元での経営年数と、オーナー(地主等)とのつながりが重要です。
- 営業マンで選ぶ
- 会社の信用力で選ぶ
- 仲介手数料で選ぶ
- 広告力と集客力で選ぶ
- 賃貸物件の取扱い数で選ぶ
まとめ
不動産会社の選び方は、一つでは無い事がお分かりいただけたのではないでしょうか。
今回ご紹介した種類だけでも5種類もあり、管理会社や不動産コンサルティング会社等を入れれば、選び方はもっと増えることになります。
どんなケースの不動産屋選びをする場合でも、営業マンの質はとても重要ですが、それ以前に、目的によって選別ポイントがあります。
特に、売却時に依頼する不動産会社については、慎重に検討することをお勧めします。
一括査定等の金額だけで、安易に決めないようにしてください。
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