住宅ローン 住宅購入のヒント

住宅ローンの手続きと注意点に関する本音

住宅ローンは、一般的な借り入れと比べれば、とても条件の良い融資商品です。

しかし、不動産の仕事をしている側の目線から見ると、一般の人とは少し違って見えている部分もあります。

この視点が皆さんの役に立つかどうかは分かりませんが、良い意味で真実が見える部分もあると思います。

これから住宅購入を考えている皆様に向け、住宅ローンの手続きに関する本音についてまとめておきます。

参考にしていただければ幸いです。

 

住宅ローンは借金

住宅ローンは、営業側からすれば「良い融資商品」ですが、購入者側から見れば「大きな借金」です。

借金を全額返済するまでは、本当の意味での安全資産にはなりませんよね。

 

誰かが「一戸建てを購入した」という話を聞くと、なんだか羽振りが良い印象がありませんか?

しかし、視点を変えてみれば、住宅ローンで住宅購入をした人は、「何千万円もの借金がある人」なのです。

 

完済するまでは、賃貸に住んでいる人よりも借金の額は多いのですから、どちらがお金持ちなのか・・という見方もできるわけです。

 

スポンサーリンク

繰り上げ返済しない人達

仮に、貴方が友人から1万円を借りたとします。

来月の給料で返すと約束していたとしましょう。

 

その1カ月間、なんとなく頭の隅でモヤモヤしませんか?

「早く返さなくては」とか、「忘れないようにしないと」等、マトモな人ならそんな感覚を持つはずです。

 

なるべく早く返してスッキリしようと考えるのが真人間の感覚というものでしょう。

住宅ローンもこれと同じ状況なのですが、スパンが長いので麻痺してしまいます。

金額が大きいので、急いで返しても意味が無いように感じるのかもしれません。

 

でも、住宅ローンには金利が発生していますよね?

冷静に考えれば、友達に借りた時よりも悪い状況なのです。

 

もしも、住宅ローンが払えなくなったら、借金だけが残る状態です。

誰かが「1,000万円借りて独立起業した」等と聞いたら、とてもリスクを感じませんか?

 

しかし、住宅ローンは利益を上げない建築物に対して数千万円を借り入れる契約です。

住まいは生活に欠かせないなものなので、事業と比べるのは間違いかもしれません。

でも、それだけ大きな借金だということに変わりは無いのです。

 

ですから、ボーナス等を貰ったら、なるべく繰り上げ返済した方が良いに決まっています。

月々に余ったお金があれば、一定金額にして繰り上げ返済すべきです。

 

繰り上げ返済額が大きくなれば、総支払額が50~100万円減ることもあります。

低金利時代とはいえ、できるだけ繰り上げ返済をしていく意識が大事です。

これが、不動産の仕事をしている側から見た、住宅ローンへの視点です。

 

収入合算と共同担保

不動産営業をしていると、共稼ぎの夫婦が年収を合算して住宅ローンを組むことがあります。

とても説明が難しい部分もありますが、購入者は、きちんとリスクを理解しなければなりません。

 

万が一、夫の返済能力が無くなった時、配偶者が返済義務を負う関係だからです。

あまり考えたくないことかもしれませんが、離婚になった際にも厄介ですよね。

 

共同担保の場合、売却の際や、相続の時にも面倒な事になってしまう事があります。

不動産営業は、専門家として、このようなリスクについても考慮してアドバイスしたいところです。

 

債務の種類

収入合算によるローンを組む場合、債務の種類についても念入りに検討しましょう。

連帯債務連帯保証ペアローンの3種類については、よく理解しておく必要があります。

連帯債務は2人が同じように債務を負うローンですので、持分に合わせて住宅ローン控除も両者が申請できます。

 

連帯保証は、基本的に債務者が一人です。

住宅ローン控除も一人しかできません。

債務者が支払えなくなった時だけ返済義務が生じる形の保証人です。

 

ペアローンは、それぞれが別々の住宅ローンを組むものですので、団体信用生命保険にも夫婦で加入できます。

住宅ローン控除については、自分の借入額に対して申請することができます。

 

但し、ペアローンは、ペアとなる相手の連帯保証人にならなくてはいけませんので、この点には注意が必要です。

自分が無事に返済を終えても、相手が返済不能になった際には連帯保証の際と同じです。

将来に、出産などで仕事を辞める予定がある夫婦には、向かない面があります。

 

スポンサーリンク

登記時の持分割合

住宅購入をしたら、登記の持分割合についても検討しなければなりません。

決済前に、建物と土地の所有権をどのような割合で登記するのかを決めることになります。

正確には、司法書士に持分の連絡をする時期までに決めればOKです。

 

これは、その土地と建物に対して出資した割合で決めるのが基本です。

お金を出していないのに持分を与えれば、贈与という扱いになってしまいますので、出資比率に合わせるのが通常です。

 

ですから、夫婦の出資比率や、住宅ローンの借入比率等を反映させるようにします。

ご両親等から援助がある場合は、生前贈与の手続き等が必要になる場合もあります。

金額によっては、税理士に相談することを勧めるのがベストだと思います。

 

贈与への配慮

登記上の持分とは、不動産の名義について、「誰が何割を所有しているのか」を示すものです。

ですから、実際に資金を出した額と異なる比率で持分を設定してはいけないわけです。

 

例えば、単純に、「夫婦で仲良く半分ずつ持分設定しよう」等と安易に決めてしてしまうと、お金を出していない配偶者に対して贈与されたことになってしまうのです。

 

贈与には、もう一つ気を付けなければいけないパターンがあります。

それは、夫婦の一方が会社を退職した場合等です。

 

例えば、出産を理由に妻が退職した場合、妻が支払うべき住宅ローン返済は、ご主人が返済していく事になります。

しかし、通常は、妻の住宅ローンの金額に合せて持分を設定しているはずです。

 

つまり、ご主人が代わりに返済した部分は、妻へ贈与されたのと同じ事になってしまいますよね。

残債の金額によっては、贈与税の対象となる可能性が出て来ます。

 

特に、ペアローンの場合は、夫婦のどちらかが退職する可能性について考えておく必要があります。

できるだけ、妻の住宅ローン部分を少なくしておくといった対策が必要だと言えるでしょう。

 

不動産営業の責任

ご主人だけでは住宅ローンの借入額が不足する場合、不動産営業は配偶者の収入合算を提案します。

不動産営業は、なんとか住宅を購入できるように話を進めたい立場なので、無責任に勧める営業マンもいます。

誠実な営業マンであれば、きちんとリスクを説明してくれるはずです。

 

自分に何かあった時、妻に負担をかけるリスクを負ってまでは購入したくないと考える人もいるのではないでしょうか。

万が一の時、誰がどのような責任を負うのか、不動産営業からもきちんと説明する必要があると思います。

 

私たちが思っている以上に、重要な部分だと思うのですが、金融商品に関する部分なので、宅建業法上でも重要事項になっていない部分です。

金融機関の説明義務と言ってしまえばそれまでですが、どこか無責任な気がしてしまうのは私だけでしょうか。

 

住宅ローン審査の注意点

近年は、IT化が進み、住宅ローンの審査がネット上でできるようになってきました。

大手銀行(メガバンク)の一角では、既にこのようなサービスを展開し始めています。

 

これまで、銀行審査は平日の営業時間中に手続きをしなければなりませんでした。

提出書類等の用意も、それなりに労力がいるのが実情だったのです。

 

一方、WEB審査の場合、免許証や源泉徴収票等の書類を写真添付の要領で送ればいいだけです。

会社から帰って来てからでも手続きができますので、休みの日の前夜等に完結してしまうことができるわけです。

 

時間的なメリットが大きいので、これを利用する人はどんどん増えていくでしょう。

しかし、ここで注意して欲しいのは、『口頭での説明を受けられないリスク』があることです。

 

最終的には銀行等で契約を行いますので、説明を聞く機会は訪れます。

しかし、どんなローン商品にするのかや、『組み方』の面で良いアドバイスが得られない可能性もあります。

 

また、ペアローン等のリスクについて、正しく理解しないまま契約に至るといった事が起こりやすいかもしれません。

少し面倒かもしれませんが、一度は専門家からローン商品のリスクや盲点等について学んでおくと良いと思います。

 

不動産営業マンの中にも、住宅ローンに精通している人はいますので、相談してみましょう。

銀行に直接聞きに行くのも、良い行動だと思います。

 

まとめ

住宅ローンは、顧客の人生を拘束する借金でもあります。

ですから、営業マンは住宅ローンに詳しくなる程、顧客のリスクを軽減できます。

住宅ローンに対して無責任な営業マンは、顧客の人生を狂わせるリスクが高いのです。

 

住宅ローンの本当の姿は、「大きな借金」であるという事です。

不誠実な営業マンは、リスクをきちんと説明してくれないかもしれません。

銀行員も、不動産営業も、「ローンを組んでほしい立場」です。

住宅ローンについては、知らないリスクが無いように、きちんと詳細を確認しましょう。

トップページへ

-住宅ローン, 住宅購入のヒント

Copyright© 不動産営業のつくり方 , 2021 All Rights Reserved.