不動産を売却しようと考えた時、「査定額の高い会社」を探そうとする人がいます。
理由は後述しますが、これはあまり意味のない行動です。
不動産を売却する人は、まずは査定の仕組みについて理解することが大切です。
この記事では、不動産営業マン(プロ)の立場から、売却をする前に知っておくべき事項をご紹介していきます。
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通常査定の仕組み
査定依頼を受けた不動産仲介業者は、取引事例等の統計情報から売却価格を判断していきます。
しかし、実際にその価格で売れるかどうかは誰にもわかりませんし、保証できるものでもありません。
また、査定先の業者から提示される額は、数百万円の誤差が生じる事があります。
これは、不動産業者のさじ加減の問題で、仕事をとりたくて高めにする業者もいます。
その金額で売れる事を約束するわけではない為、このような事ができてしまいます。
車の査定の場合、その車を買い取る業者が査定額と同額のお金を払ってくれますよね?
しかし、媒介契約による売却の場合、「たぶんこの金額で売れると思います」というアドバイスをしているだけです。
「いくらで市場に出すか」という価格を決めているだけの事で、買い取ってはくれません。
要するに、高めの価格で売りに出すか、最初から適正価格で出すのかの問題です。
ですから、どこの不動産会社に査定の依頼をしても「必ず売れる価格」ではないのです。
不動産業者は、単純に自分の考える適正価格を提示するだけです。
「査定額が高い会社が高く売れる」というわけではないので、ご注意ください。
つまり、売却先業者は、販売力や広告力で選んだ方が良いと言う事です。
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買取り査定
仲介業者に販売を委託するのではなく、業者等に買い取りを依頼する際の査定もあります。
こちらは、車の買取査定と同じで、提示された金額の通りで購入してもらう査定です。
主に土地仕入業者が買い取り先になる為、一般のユーザー向けに販売するよりも査定価格が安くなります。
買取査定の場合、大抵は建売物件の用地として検討されます。
業者の利益の分だけ安く買い叩かれることになりますが、すぐに現金化できるメリットはあります。
買い取り査定は、査定する会社の資力等によってかなり金額に差が出ます。
仲介業者に任せておけば、買取業者を見つけてくれるはずですが、買取業者にも色々いるので注が必要です。
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買取業者の注意点
売買の仲介営業マンは、基本的には土地仕入担当者との面識が無いものです。
稀に仕入担当の知人がいるといった営業マンがいるくらいで、あまり接点はないものなのです。
ですから、顧客に対しては、「良い買取業者を紹介しますので」等と言っていても、実際にはそこから探し始めるようなケースも多いです。
私には、土地仕入れの経験もありますが、高く買える業者を知っている仲介営業マンは非常に少ないと感じます。
土地仕入れは入札形式のことも多いので、どこの会社にいくらで負けたのかを掴むことができます。
簡単に言えば、土地仕入れをやったことがある人でないと、どの業者がどれくらいで買取りをするのかが分からないのです。
つまり、営業マンに紹介された買取業者に売ることがベストではない場合もあるという事です。
本当に高く買える業者が他にいても、仲介営業には見つけられないわけです。
不動産売却の流れ
不動産を売却する際の流れについても、仲介業者に委託する場合と、買い取り業者に売る場合の2種類があります。
ここでは、仲介業者に委託する場合をメインに説明していきます。
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1.売却を依頼する業者を選別する
物件の最寄り駅周辺にある不動産会社の中で、広告力のありそうな業者を探します。
数社に同時依頼することも可能ですが、1社に絞ると広告費を投じてもらいやすいです。
複数の会社に依頼する場合は、各不動産会社と「一般媒介契約」を締結します。
1社だけに絞る場合、「専任媒介契約」の締結となるでしょう。
一般媒介契約でも、各社のホームページ等には掲載される為、売却相手が見つかる可能性はあります。
しかし、不動産業者側からすれば、一般媒介契約は「他社で契約されてしまうかもしれない案件」という認識になります。
この為、心理的にあまり手間をかけられなくなる傾向があります。
販売力のある会社に専任で任せ、それでも売れない場合には一般媒介にすると良いかもしれません。
2.売却価格を決定する
業者を選別したら、売却価格を決定して媒介契約を締結します。
信用できる営業マンからのアドバイスを聞きながら、相場に合わせて価格を決定してください。
買い手は物件の相場を意識しますので、取引事例等で目安となっている相場を上回る価格で売却することは困難です。
売主は、適正価格を理解した上で、販売開始価格を決定します。
少し高めで出す人もいれば、適正価格で出す人もいます。
高めに出すと、広告に掲載する際に魅力の無い物件になります。
広告を投じる際には、魅力のある価格にする事が重要なので、よく考えて決定しましょう。
3.仲介業者からの連絡を待つ
販売を委託した不動産業者は、定期的に売主に報告する義務があります。
特に、専任媒介契約の場合には、2週間に一回以上の報告をする事になっています。
物件案内の状況や、広告からの反響状況等、定期的に様子を報告してもらいます。
この様子を参考にして、価格を下げるか等を決めていきます。
4.申し込みから契約
買い手が現れると、契約の申し込みが発生します。
契約日は、基本的には買い手の希望に合わせます。
買い取り査定を行った場合、査定額の提示と同時に申し込みがあったのと同じ状態だと考えれば良いと思います。
申し込みが入ると、仲介業者から連絡が来ます。
そして、値引き交渉や、契約時の諸条件等について詳細な確認が行われます。
書類の作成や、契約の段取り等は、全て仲介業者に任せておけば大丈夫です。
契約当日は、契約書を交わし、手付金を受領します。
契約が完了したら、引越し等の準備を急いでいきます。
5.引越しと決済
決済までに必要な手続きについては、基本的に仲介業者がリードして進めてくれます。
契約書で引渡しの期日が明記されている場合、その日までに引越しを終わらせます。
特に定めが無い場合には、決済日までに引越しを完了します。
決済時に残金を全て受領し、鍵と領収証を渡して売却完了です。
不動産売却の手数料と諸費用
不動産を売却する際の仲介手数料は、「物件価格×3%+6万円」(税抜)が通常です。
諸費用についても、売却時の状況によって異なります。
近年では、仲介手数料無料の不動産屋も増えていますが、売却に関しては販売力のある不動産会社に依頼するのがベストだと思います。
解体をしない売却の場合であれば、印紙代と仲介手数料が諸費用の大半を占めます。
その他、登記費用、測量費等がかかる案件は、それらをプラスするイメージです。
印紙も登記費用も、それほど高額ではありませんので、なんといっても仲介手数料がメインとなります。
不動産の売却価格を高くする方法
もしも、不動産の売却価格が高くなったら嬉しいですよね。
実は、一つだけ適正価格を超える金額で売れる可能性のある方法が存在します。
簡単に言えば、リフォームによって物件の価値を高めてしまう方法です。
これには、リフォーム手法と販売方法にもノウハウがあります。
ですから、どこのリフォーム会社でも実現できるわけではありません。
低コストで効果的に物件の価値を上げるリフォームが必要です。
更に、リフォーム後の物件情報を協力会社(仲介業者)に流し、既存客に紹介してもらう事で、早期の売却を目指すサービスを行う会社等も出てきました。
このような新しいサービスを提供する会社には、注目しておくと良いと思います。
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相続による不動産売却
両親の家を相続で受け継いだ際、買い取り業者に依頼して現金化する人がいます。
兄弟等と分割する必要がある等、事情は様々だとは思いますが、私達からすると少し勿体ない行為に見える事も多いです。
仲介業者に任せて一般向けに売却活動をすれば、もっと高く売れる可能性があるからです。
買い取り業者の査定額は相場より安いので、時間があれば相続人同士で話し合って早めに売却活動をすると良いと思います。
数百万円の違いが出る事も多いので、よく調べてから売却しましょう。
不動産売却時の税金
不動産を譲渡した際の税金は、売却金額から購入金額(諸費用含む)を差し引いて利益が出た時に発生します。
この時、譲渡による利益が出なければ、税金はかかりません。
譲渡の利益がある場合は、原則として所得税と住民税が課されます。
特例が適用できる場合もありますので、売却の時期等については税理士とよく相談することをお奨めします。
税金の計算には「○年以上所有している場合」等、年数によって税額が大幅に変わる事があります。
タイミングを逃すと大きな税損失が発生する事もありますから、注意が必要です。
まとめ
不動産の売却をする際には、インターネットで一括査定等をする人が増えていますよね。
しかし、そんな事をしなくても、売却については物件の近くにある不動産仲介業者の中から選ぶのが一番良いのです。
一括査定をしても、余計な勧誘が増えるだけで、あまり意味が無いと思います。
買い取りをする場合でも、仲介業者を介して買い取り業者を探す方が効率的です。
今回の記事でご紹介したポイントを踏まえて、ベストな売却をしてください。
私は、以前に土地仕入の仕事もしていた事があるので、買い取り案件の場合はご協力できると思います。
コネが多いので、30坪以上の土地なら、少し高めで買い取らせる事が出来ます。
東京都で建売用地として検討できる土地であれば、お気軽にご相談ください。