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Chat GPTで宅建資格の価値は下がる?

ChatGPTは、多くの業種に影響を及ぼすと言われていて、不動産業界も例外ではありません。

今回は、宅建士の資格を取得する必要性はどうなっていくのか・・・について予測的考察をしてみました。

受験生にとってはモチベーションの下がる内容かもしれませんので、ご注意ください。

(これから受験する方は読まない方が良いと思います)

 

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当面の変化

世間では大騒ぎされているChatGPTですが、不動産業界においては数カ月~数年の間はそれほど影響がないと思います。

まず、人々がChatGPTを使いこなすくらいに普及するまでに時間がかかる事や、直接的に利用する場面は事務方における業務だからです。

 

おそらく、これから数年でChatGPTが得意とするのは、分析・情報収集とまとめ・資料作成等の仕事です。

一部では専門的な分野での活用が進み、設計とかプログラミング等を担うようにはなるでしょうが、不動産業界では事務作業への影響が主たる部分となるはずです。

 

しかし、その先での変化については、もっと大きな影響が出てくる可能性があります。

具体的に想定すると、重要事項説明をAIが行うようになるとか、物件の紹介作業をAIが自動的に行うといった変化です。

これらは、システム開発と導入費用のバランスが整うまでに数年はかかると思いますので、「当面はそれほど影響がない」という表現をしました。

 

これからの資格試験の意味

宅建に限らず、今後の資格試験の意味は少し変わってくる部分がありそうです。

例えば、税理士のような資格については、会計ソフトにAIが組み込まれることによって価値が低くなりそうですよね?

少なくとも、今までよりは必要とする相手が減る傾向にあると思いますし、AIが申告できるようになる可能性すらあります。

今後は、国家資格の信用力が必要な人とか、営業力を伴っている人達だけが活かせる意味合いになっていくのではないでしょうか。

 

もう一つ、私が感じるのは、時代の変化に資格制度(学習内容)が追いついていないという事実です。

試験実施機関側が古い体制から抜け出せないので、必然的に「今までと同じ試験内容」が維持される傾向があります。

要するに、変化を嫌うというか、過去の合格レベルとの平等化を目指そうとするので変化することがリスクになるわけです。

 

これは、時代の変化が早くなる程、国家資格は時代遅れな内容になっていき、取得する意味が低下するという事に繋がります。

どこかで試験での出題内容を一新するとか、資格を細分化する(新設)といった事をしないと受験者が減少していく気がします。

 

税理士の例を挙げれば、税理士は滅多に使わないような計算知識よりも、会計ソフトの使い方やデータ修正方法を試験に出した方がいい時代です。

税改正で相続申告に該当する人が増えているのにも関わらず、相続に関する学習をせずに合格することができたりします。(相続法が必須ではない)

 

宅建士で言えば、建築基準法の細かい知識を深めるよりは、WEB契約上のコンプライアンスとか、不動産トラブルに関する民法判例等を強化した方が実務的に有益なはずです。

このような変化ができないのが国家資格の悪いところで、「現場で役に立たない」という資格が多いのも同じ理由からです。

 

このような背景から、今後の資格取得の意味は各自で変化していくのではないでしょうか。

 

重要事項説明はAIができる?

個人的な見解にはなりますが、AIが重説を担うことはそれほど難しい事ではないと思います。

既存のAIレベル(GPT-4程度)で充分に対応できるのではないでしょうか。

 

要するに、不動産業に特化した開発が行われていないだけで、どこかの会社が実行すれば簡単に実現するのではないかと思います。

既に、画像や音声の認識まで可能になっていますし、それを理解して整理することができますから。

 

このようなAIシステムが登場すると、もはや宅建士の資格は各店に1名いれば良いレベルまで価値が低下します。

但し、知識としては今後も必要ですし、採用側もこれを求めるはずです。

でも、実務上においては時を追うごとに不要な資格になっていく可能性もあります。

 

実際のところ、これまでも宅建の資格を持たずに不動産営業をしている人はいて、基本的な知識と案内ができれば案外契約がとれてしまうのです。

顧客側がAIの対応に慣れ、好んで選ぶ時代になれば、営業マンに求めるのは人柄とかレスポンスだけになります。

 

営業事務職がいらない

不動産業者には、必ずと言っていいほど営業事務要員がいます。

大抵は女性で、電話番やお茶出しの他、図面作成などを担っています。

 

近い将来、各営業がChatGPTのようなツールを使いこなし、営業マンレベルで資料作成等が完結できるようになります。

すると、営業事務は不要になり、必要最低限の人数で営業するようになります。

 

お茶出しについては、ペットボトルやドリンクバー的な設備を導入すれば良いですし、営業マンについても少数精鋭化できます。

将来的に、WEB上での契約が常識化すると、更にリストラ(人員削減)は進むと思います。

 

まとめ

話をまとめると、宅建士の資格を取得する意味は、しばらくは変わらないと思います。

しかし、その「しばらく」が数カ月なのか数年なのかは誰にも分かりません。

ITの開発スピードは以前の5倍以上になっていると言われています。

「たった1年」という感覚は時代遅れで、1年間で従来の5年分に匹敵するスピードで技術進化していると考えましょう。

宅建士の資格をとるよりも、次の時代に備えたスキルを身に付ける方が良いケースもあるかもしれませんね。

これからは、それぞれの夢や、おかれている環境に合わせて先を見据えた計画を持つことが大切になりそうです。

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