コロナウイルスの影響で、マンションや収益物件の売却を急ぐ人達が出てきています。
これに伴って、不動産業界内では、かなりの確率で「物件が飽和する」という予測をする人が増えてきました。
今後のマンション売却では、今まで以上にスピードや相場観が重要なポイントになりますので、この記事でマンション売却時の注意点について、しっかりと学習しておいてください。
プロの目線を知ろう!
不動産の売却は、何か他のケースに当てはめて考えると、冷静に客観視できると思います。
例えば、貴方が車を売却する時、買った時の価格と同じでは売れないですよね?
高級車や限定車種等、プレミアがつかない限りは購入価格以上で売れる事はないというのが常識ですし、思ったよりも安くなるのが常です。
一方、マンション(不動産)を売ろうとする人達の多くは、「買った時と同じか、それ以上で売りたい」と考えてしまいがちです。
実は、このような状況を冷静にプロの視点から見ると、量産された大衆車を「高く売りたい!」と駄々をこねているのと変わらない状態なのです。
「カスタマイズしたから高く売りたい」等と思っても、その車を購入する人からすれば不要なパーツかもしれません。
このカスタマイズが、マンション売却ではリフォーム費用等に該当します。
人の好みは様々ですから、「お金をかけた」という理由だけで価値が上がるとは限りません。
むしろ、何も改良しない方が高く売れる事さえあるでしょう。
このように、素人の盲点に目を向けられるからこその『プロ目線』です。
プロ目線を身に付けることで、適正な価格でスピーディーに売却を実現することができるのです。
言い方を変えれば、営業マンは、顧客にこのプロ目線をつけさせるのが仕事で、そこで腕の差が出るということになります。
私は、売買部門で所属グループの最優秀営業賞を獲得した経験がありますので、この「プロ目線」の伝授には自信があります。
現在、営業職の方々も、これから売却を考えている方々も、是非とも最後まで読んでいただき、今後の参考にしてください。
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相場より高く出す意味
どんな取引にも、売り手と買い手がいます。
そして、この両者は相反する立場にありますよね?
売主は「高く売りたい」と考え、買主は「安く買いたい」と考えるからです。
では、どちらの立場が強いかというと、一般的には買主側になります。
人気エリアで物件数が少ない状況である等、特別な需給の問題で売主側が有利になることもありますが、通常は買主側の要望に合わせることになります。
特に、今後の展望を考えると、買主側の目線が下がる(安く買おうとする)可能性が高いです。
その理由は、コロナウイルスによって売却案件が増加し、比較できる物件が増えるからです。
一方、買い手の数は増える要素が見当たらない状況です。
メルカリ等でもそうですが、同じ商品が増えると相場が下がります。
こうして、急いで売りたい人が価格を下げて取引するので、適正価格で売りに出していても、買い手には高い物件に映るようになるのです。
コロナウイルスの流行前ならまだしも、今後、相場よりも高く市場に出す行為は、何のメリットもありません。
高く売り出すことによるデメリット
物件価格を決める際、不動産業者に査定させることになりますよね?
断言しますが、査定額は、複数の不動産屋に出す意味はありません。
不動産業者は、レインズ(業者用サイト)や取引事例で査定額を決めますので、担当者等によって多少は価格がズレますが、『実際に売れる価格』は変わりません。
例えば、業者Aが1億円の査定額を出し、業者Bが8千万円の査定額を提示したとしましょう。
仮に、この物件の適正相場が7千万円だったとしたら、結局は7千万円でしか売れないということです。
業者Aに売却依頼をした人は、3千万円の値引きを受けることになり、業者Bに売却依頼した場合なら、1千万円の値引きで売れるという事です。
要するに、査定額というものは、「適正価格」に近い事が重要なのです。
適正価格よりも何百万円も高い物件価格で売りに出しても、時間だけが無駄になり、売れ残り続けることになります。
下手をすると、「何かワケアリなのかも」等と思われてしまう可能性すらあるのです。
プロ目線で言わせてもらうと、デメリットしかない行為です。
車の売却の例で言えば、そんな事をしているうちにニューモデルが出て、もっと価値が下がってしまうだけなのです。
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売主にありがちな勘違い
現市場には、既に同じような条件のマンション物件があることが多いです。
これは、同マンションにおいて、頻繁に売り物が出ていることを意味しています。
冒頭でもお話しした通り、不動産の素人は、「高く売り出したい」という気持ちだけが先行しがちです。
腕の無い営業マンほど、このような顧客の勘違いに付き合ってしまい、自身も苦労することになります。
この為、市場には、常に、相場より少し高い価格で売り出されている物件があります。
中には、とんでもなく高い価格で出されているケースもあり、同業者からは「ヨワヨワな営業マンが無駄な仕事をしているな」と思われているわけです。
このような販売価格を見て、「自分も同じくらいの価格で出そう」等と考えるのは大きな間違いです。
それは売れる価格ではないので、くれぐれも勘違いしないでくださいね。
売れる価格で出しているのなら、その物件はとっくに完売しているはずです。
ですから、売却を依頼する業者には、『取引事例を見せてください』とだけお願いすれば良いのです。
適正価格の根拠とは?
マンション売却の際、査定業者に資料等を作成させ、料金まで支払う人がいるそうです。
しかし、こんなところでお金をかける必要は全くありません。
ここで言う適正価格とは、現在の市場にいる買い手(顧客)が、その物件を「いくらで買うか」という値段のことですが、これには明確な根拠がありません。
では、どうやって適正価格を判断すれば良いのでしょうか。
そう考えていくと、買い手がその根拠として最も信頼できるのは、「直近の取引事例(価格)」ということになります。
売却物件に近い物件がいくらで取引されているのかを見れば良いのです。
何故なら、次にそのマンションを購入する人は、その取引事例を基準に「高いか、安いか」を考えるからです。
違う言い方をすれば、『それ以上の価格では買わない可能性が高い』ということなのです。
買い手がいるうちに売れ!
コロナウイルスは、不動産の市況に確実に影響を及ぼしています。
今、私が最も言いたいのは、「もうすぐ相場が下がる」という事です。
もしも、あなたの依頼する不動産業者に、「今なら買い手がいる」等といった話があるのであれば、少し値引きをしてでも成約させるのが正解です。
あと数か月後には、資金繰りに困った人達などの売却案件が増え、買い手は物件を幅広く選べる状況になるでしょう。
すると、「あの時、売っておけば良かった」ということになるわけです。
ついこの間まで、相場価格で売れた物件が、数百万円の値引きをしないと売れなくなる可能性があるわけです。
これが現在(旬)のプロ目線です。
まとめ
コロナでの自粛が解除され、少し人が動き始めています。
第二波が来る可能性や、今後の景気悪化を織り込んで考えるなら、「今が売り時」です。
しかも、今ならまだ適正価格で購入してくれる顧客がいるのです。
適正相場価格(直近の取引事例)と同じ価格で買ってくれる人がいるのであれば、迷わず売却してください。
数か月後には、同じ価格で手を挙げる買い手は激減していると思います。
これが、私からの最善のアドバイスです。
半年後、この記事を再読していただければ、この話が現実になっていると思いますよ。