不動産営業としてデビューすると、すぐに物件の下見が始まります。
まずは現市場にある販売物件を覚えることになるわけですが、この時に物件が建設途中である事がよくあります。
そんな時は、工事の状況等を把握し、そこからどれくらいの期間で完成するのか見当を付けておくための知識が要るでしょう。
販売図面に書いてある工期と、実際の完成時期はズレることも多いので、自分の目で判断できるのが理想です。
この記事では、建築現場でのチェックポイントと、工期の判断方法等をご紹介していきます。
内覧のタイミング
顧客に物件を案内する際、未完成では盛り上がりに欠けますよね。
ですから、できるだけ内覧できるタイミング(完成)に合わせてアポイントをとるのが理想です。
建売住宅が完成するまでの期間は、土地仕入の決済が終わってから約半年前後であることが多いです。
通常、内覧できるタイミングは、階段の取り付け工事が完了した頃からです。
しかし、階段等が付いても、内装工事が終わった後でないと物件の見栄えは悪いままです。
内装工事が終わるまでの期間は、基礎着工から4~5カ月といったところです。
販売図面にも完成時期が記載されていますが、工事の遅れ等が反映されていないことも多く、あまり信用できません。
販売図面に記載されていた完成時期から、数か月遅れて完成することもありますから注意しましょう。
下見に行った際には、販売図面よりも自分の目で判断できるようになっておくと良いと思います。
売主に電話して聞いてしまうのが一番手っ取り早い方法ではありますが、自分で判断できるに越したことはありません。
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解体と整地
下見をしていると、建売物件になりそうな解体現場を発見することがあります。
2~3棟分のまとまった土地は、一般の人の家とは考えにくいので、すぐに分ります。
解体が始まっていても、土地の決済が完了していない場合もありますので、完成時期としては半年以上先だと考えた方が良いです。
既に解体が終わり、整地等をしている段階であれば、建売業者への所有権移転が完了していますので、完成時期も決定しています。
但し、この時点ではあくまでも予定なので、数か月遅れることもよくあります。
建築現場に、細い電柱と仮設トイレがあれば、工事着工が間近な証拠です。
内覧が可能になるまでには、そこから4~5カ月はかかると考えておけば良いでしょう。
地盤改良と基礎工事
基礎工事らしき動きがあれば、ベタ基礎か布基礎かを判断できるようになっておくと良いです。
近年では、大半の物件がベタ基礎を採用していますが、稀に布基礎の会社もあります。
基礎について気にしている顧客もいますので、質問には答えられるようにしておきましょう。
地盤が弱い土地の場合には、改良工事が先になります。
地盤改良工事は、1~2日で完了します。
鋼管杭による地盤改良の場合、地面に丸い穴がたくさん開いていて、そこに杭が打ってありますので、これをチェックすることで改良工事の完了を確認できます。
基礎工事は、配筋工事が数日間続き、その後に基礎の型枠が設置されます。
型枠にコンクリートを流し込んだ後、細かい高さ調整等を行い、固まるのを待ちます。
基礎が完成した後は、給排水の排水管を基礎の底に張り巡らせる工事が入ります。
これが完了すると、いよいよ上棟です。
基礎の種類と特徴等については、参考記事で確認してください。
参考記事「ベタ基礎と布基礎の違いって何?」
上棟
一階部分の床に下地の板が貼られたら、すぐに上棟が始まります。
上棟とは、柱を立てて主要躯体を完成させる工事です。
一般的には、屋根の一番高い部分までを組み上げる事になります。
順調な現場では、一日で屋根に下地板を貼って、防水シートの設置まで完了することもあります。
雨に濡れずに一日でここまで完了した現場を覚えておき、その情報を顧客に教えてあげると喜ばれます。
湿気等を含んだ状態で工事が進むと、カビの発生や資材の歪み等に繋がることがありますので、安心して検討してもらえる効果があります。
但し、確実に決まる物件で伝えるようにしないと、その後もこの部分が気になってしまうというデメリットもありますので、伝え方とタイミングには要注意です。
全ての現場について把握することは出来ない為、クロージングをかける時だけにした方が良いかもしれません。
不動産営業しか知らない情報には価値があります。
ですから、下見の時間を有効に使って情報収集しておきましょう。
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木工事から外構工事
上棟が完了し、屋根に防水シートが貼られると、窓枠の木工事等が始まります。
壁や床の下地工事等、しばらくは内部の木工事が続きますので、見た目にはあまり変わらない期間です。
約2ヶ月超の期間を経て、屋根工事の完了と住宅設備の搬入等も終わります。
終盤では、外壁と屋根もすっかり普通の家になってきて、足場も取れます。
モルタル仕上げの壁の場合は、外観を確認できるまでに少し時間がかかりますが、どちらも足場がとれれば、見た目には完成しているように感じる状態です。
この間は、電気屋さんや内装屋等、色々な業者が交互に入り混じっています。
こうして建物と内装の工事が完了すると、いよいよ引き渡し間近です。
最後に外構工事の仕上げを行い、植栽等があれば植えていきます。
タイルや左官工事が行われる場合も多いです。
玄関前の階段タイルを貼っている日は、内覧が一時的にできない場合もありますので、事前に確認すると良いでしょう。
あとは引き渡し前の内装チェックを行い、決済までに手直しをしてもらうだけです。
職人の手配状況等にもよりますが、通常は基礎工事着工から4~5ヶ月で完成します。
まとめ
工事の進捗状況については、売主に確認すれば良い事ではありますが、営業マンが瞬時に判断できれば余計な手間が省けます。
下見中に大体の完成時期を把握する程度は、自分でできるようになっておいた方が楽です。
但し、顧客を案内する際には、質問事項に備えて問い合わせをしておくべきです。
現地で電話する営業がいますが、そこで顧客が待たされることになります。
このような時間がヒントを得るチャンスを奪うこともありますから、ご案内の際には事前に確認を終わらせておきましょう。