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基礎知識

ベタ基礎と布基礎の違いって何?

ベタ基礎と布基礎の違いを調べようとすると、建築会社のHPに辿り着くのではないでしょうか。

近年では、ベタ基礎を採用している会社が増えていますし、どちらかと言えばベタ基礎が優れていると説明されることが多いかもしれません。

そこで、中立的な立場から、一般の人達にも分かるようなレベルで、ベタ基礎と布基礎について違い等をご紹介してみたいと思います。

 

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構造の違い

構造の違いについては、写真等が掲載されているサイトを見ると良いと思います。

この記事では、「写真を見てもピンと来ない」という人に向けて、少し違った角度から説明してみたいと思います。

 

まず、ベタ基礎ですが、飲み物等を載せて運ぶ時に使う「お盆」を想像してください。

巨大で頑丈なお盆を、土地の上に置いたと思えば良いと思います。

 

お盆の底の面が土地全体に接地しますので、安定感がありそうですよね。

実際、地盤が弱い土地等では、不動沈下を防止する効果が高いと言われています。

 

布基礎については、2種類に分類して説明しておきたいと思います。

一つは、床下のが露出していて、部分的に基礎が地中埋設されるタイプです。

基礎自体がお盆状ではない、昔ながらの基礎工法です。

 

もう一つは、布基礎を主体としながら、土の部分を露出させないようにコンクリートを敷設するタイプです。

見た目にはベタ基礎のように見えますが、コンクリート床底に特別な強度はありません。

 

床下のコンクリートは、土からの湿気とシロアリの侵入を防ぐための敷設であり、基礎としては機能していません。

見た目だけを見るとベタ基礎に見えますが、このような違いがあることを知っておくと良いと思います。

 

施工コスト

ベタ基礎と布基礎では、布基礎のほうが安く施工できます。

ですから、利益を追求している会社は、こちらを選びやすくなるという面もあります。

価格は安いのですが、布基礎は施工の手間が多く、コンクリートを流す作業も複数回に及ぶというデメリットもあります。

 

これに対して、ベタ基礎は、コンクリート流入作業等の手間が布基礎よりも少なくて済みますが、配筋面積等の関係から、コストは布基礎よりもかかります。

基礎の底全体にも鉄材の配筋が必要ですし、コンクリートの全体使用量が多いからです。

 

近年の戸建建築では、ベタ基礎を採用する会社が増えてきました。

建売住宅でベタ基礎を採用する会社が増えた事が、ベタ基礎の知名度が上がった原因の一つとも言えそうです。

 

単純に、ベタ基礎の方が強いから選ばれていると思っている人が多いようですが、専門家の間では「そう単純な話ではない」という意見が多いです。

そこで、もう少し詳しい比較をして説明していきたいと思います。

 

構造と強度の違い

コストや施工方法も重要ですが、肝心なのは、その強度ですよね?

いくらコストをかけても、強度が得られなければ意味がありません。

では、実際にはどちらの基礎が強いのでしょうか。

 

コンクリートの高さは、一般的にベタ基礎40cmに対して、布基礎は54cmです。

基礎の高さで比較すれば、布基礎の方が14cm分長い為、その分だけ上からの力に強いと言えます。

 

一方、ベタ基礎は、基礎全体が接地しているので、「」で支える機能に優れています。

このように、力のかかり方によって長所が異なるので、どちらが強いという結論が出せないわけです。

 

それでも多くの企業がベタ基礎を採用する理由は、布基礎に比べて有利な点が多いからです。

具体的には、以下のようなメリットがあります。

 

【ベタ基礎のメリット】

  • 不動沈下が起きにくい
  • 布基礎より手間がかからない
  • 湿気が溜りにくい
  • シロアリに強い

 

布基礎の場合、基礎の高さがあるので、上から集中的にかかる縦の力に強いです。

この為、耐力壁の下に大きな力がかかりやすい構造(軽量鉄骨等)の家には、布基礎の方が向いている場合があります。

大手ハウスメーカーでも、あえて布基礎を採用している会社があるくらいです。

 

ベタ基礎に比べ、湿気・カビ・シロアリ等のリスクがある布基礎ですが、近年ではそれほど気にならない施工ができるようになってきました。

布基礎でも、土を露出させないように施工することは可能ですし、最近の基礎は換気機能も向上しています。

 

ベタ基礎のリスク

ベタ基礎は、布基礎よりも広い面積で建物の荷重を支える為、地盤の弱い場所に向いていると言われます。

 

しかし、ベタ基礎は、基礎全体が一体化しているので、施工ミス等によって強度が足りない場合には、基礎全体に影響が生じてしまいます。

建物の荷重や地震等によって基礎に亀裂が入ると、全体に影響するという事です。

 

ベタ基礎は、布基礎に比べて総重量も大きくなります。

布基礎よりも、コンクリートと配筋の量が多いからです。

つまり、損傷したときのダメージや補修規模は布基礎よりも大きいとも言えます。

 

最近では、外国人労働者等、経験の浅い職人に施工させている現場を見かけます。

布基礎に比べて施工が容易なので、外国人にも教え易いわけです。

基礎工事の施工水準の維持については、隠れたリスクかもしれません。

 

まとめ

ベタ基礎には、優位な部分が多いのも確かです。

しかし、「ベタ基礎の方が良い」とは言い切れない事情もご理解いただけたのではないでしょうか。

 

話をまとめると、ベタ基礎はコストがかかりますが、ご紹介したようなメリットがあります。

布基礎は、コストが安いですが、湿気対策等が肝心で、シロアリにも注意が必要です。

施工方法によって布基礎の弱点をカバーできるケースもあり、比較が難しい所です。

ベタ基礎が軟弱地盤に有利なのに対し、布基礎は縦方向にかかる力を支える性能に長けています。

それぞれの特徴が活かせる選択であることが重要という事ですね。

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