営業職をしていると、気持ちを理解するのが難しい顧客もいます。
もしかすると、その中にはアスペルガー症候群の人もいるかもしれません。
見た目には普通に見えるので、本人も気付いていない場合が多いそうです。
不動産営業は、顧客と深く関わる必要がある仕事ですから、アスペルガー症候群のような特殊な事情があれば、早い段階で気付いておきたいところですよね。
レアケースにはなると思いますが、発達障害らしき方や、発達障害のご家族を持つ顧客を担当することになった際の知識についてご紹介したいと思います。
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アスペルガーの特徴
アスペルガー症候群の人には、多くの共通点があります。
独特の特徴がある為、共通点や特徴を知っておくだけでもかなり接しやすくなります。
発達障害には、かなりの個人差があり、接し方についても同様です。
発達障害であることを本人が気付いていない事も多いので、対策が難しい面があります。
ちょっと失礼な話ですが、こちら側で「その可能性」を判断するしかないのです。
ちょっとした違いに気付くことが出来れば、有効な対策が講じられます。
代表的な特徴を挙げておきますので、顧客からこのような特徴を感じた時には、注意して観察しましょう。
- 場の空気が読めない
- 話がかみ合わない
- 好きな事にだけ集中する
- 極端な思考をする
- 普通の人が気にする事を気にしない
このような症状を感じる人だった場合、更に細かくチェックするようにします。
アスペルガー症候群には、様々なタイプがあると言われていますが、IQが高くて気難しいタイプと、一般的なタイプを理解しておけば充分だと思います。
IQが高いタイプの場合、人とのコミュニケーション能力が低いという特徴があります。
一般的なアスペルガー症候群の場合は、子供のような無邪気さを持つ場合が多いですが、理解力に乏しい傾向があります。
IQが高いタイプ
アスペルガー症候群ではあるものの、知能指数が高い人もいます。
このようなタイプの人は、コミュニケーション能力(EQ)が低い傾向があり、「変わり者」と言われてしまう事が多いようです。
近年では、コンピューターやゲーム等の知識に偏りやすい環境かもしれません。
見た目には分かりにくいですが、他者とは少し違う雰囲気を持っています。
【主な特徴】
- 極端に合理的な思考をする
- 表情に乏しく、愛想が無い
- 人間関係の構築を避ける
- 自分の感情を知られたくない
- 一人の時間が楽
- 好きな事だけに反応する
- 感情の制御が上手くできない
- 約束や期限が守れない
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一般的なタイプ
一般的なアスペルガーは、理解力や説明力にハンデを持っています。
見た目や人柄での特徴は、普通の人とは少し異なるピュアさを垣間見ることです。
どこか永遠の少女(少年)といったイメージを持った人が多いんですよね。
思考回路も独特な一面があり、妙なマイルールが強い傾向もあります。
こんな話をすると炎上してしまいそうですが、イメージしやすいようにあえて芸能人の名前を挙げたいと思います。
念のためお断りしておきますが、私の家族もアスペルガー症候群を抱えているので、差別的な偏見や、中傷等の気持ちは一切ありません。
私見にはなりますが、芸能人では、滝沢カレンさん、平野紫耀さん、鈴木奈々さん、みやぞんさん等がアスペルガー症候群の特徴に合っているところが多いです。
彼等が実際にアスペルガー症候群かどうかは不明ですが、イメージとして近いのです。
ご自身でカミングアウトしている人では、栗原類さんが有名ですよね。
海外では、ブリトニー・スピアーズさん、スーザン・ボイルさん等がアスペルガー症候群であることを公表しています。
芸能界で活躍できるくらいですし、彼等は苦手な分野が多い一方で、人と違った魅力や才能を持っています。
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アスペルガー症候群の人達には、純粋で気持ちの優しい人が多いのも特徴だと思います。
障害の影響として、子供のような心を持ったままの状態だからかもしれません。
しかし、不動産等の重要な取引においては、アスペルガーである事が大きな判断ミスに繋がる可能性があるのです。
周囲が気付いてあげられないと、大きなトラブルになるかもしれません。
ですから、特徴から察知してあげる事で、助けてあげられる事が増えると思うのです。
【主な特徴】
- わかっていない事に気付けない。
- 説明する能力が極端に低い
- 理解力が著しく低い
- 類推・分析ができない
- 他人の意見に流されやすい
- 言葉そのままに受け取る
- 子供っぽい所が目立つ
- 独自のルールがある
- 約束をすっかり忘れる(又は勘違いしている)
アスペルガーとの会話
IQの高いタイプの場合、普通の人とそう変わらない理解力があるので、それほど苦労しません。
一見、「変わった人だな」とか、「感じの悪い人だな」等と感じる程度です。
アスペルガーの人達は、複数の事を同時に伝えるような言葉や、長い表現に対して理解が難しくなります。
また、人の話を集中して聞くことが苦手です。
例えば、ケーキを買いに行ってもらうとしましょう。
その際、「ショートケーキがあれば5つ買って、もしも5つ無かったら、足りない分はチョコレートケーキかモンブランで補って!」と頼んだとします。
普通の人なら、何も問題なく「OK!」と、理解できるでしょう。
しかし、アスペルガー症候群の人にとっては、これが難しいのです。
変化や推測が苦手なので、何がなんだかわからなくなってしまいます。
強く印象に残った指示だけを実行するので、間違った結果になり易いようです。
注意力も散漫になりやすく、その場をやり過ごすことを優先してしまう所があります。
ですから、わかっていないのに「わかった」と返事をしてしまいます。
質問の意味を微妙に取違い、「ケーキを買ってくれば良いという事が分かった」と意思表示している場合もあります。
周囲からは、「わかった」と返事をしたことを見事に間違えるので、普段から、「何故そんな簡単なことができないのか」と怒られる事が多くなります。
アスペルガー症候群に限らず、理解力の乏しいと思われる人に対して重要事項の説明をする際には、できる限りの工夫をして伝える事が大切ですね。
具体例で理解する
アスペルガーの人達の行動や特徴について、もう少し具体的な事例をご紹介しておきたいと思います。
アスペルガーの人は、自分のマイルールを持っている事が多いのですが、他人のルールは守れないという傾向があります。
「守れない」というよりは、「ルールが当てはめられない」と言った方が正しい表現かもしれません。
例えば、「病院を出たら電話をして」という約束(ルール)を守れなかった際、その理由を聞くと驚くような答えが返ってきます。
「知っている人に会ってしまったから」とか、「雨が降ってきたから」等、筋が通らない理由なのです。
本人は、言い訳をしているのではなく、特別な事が起こってしまったのでルールが当てはまらないケースだと認識しているようです。
つまり、決められたルールや状況がどのような時に適用されるのかが判断できないのです。
何かを伝えようとする際には、言葉や文章で説明しても理解していない様子なのですが、絵で説明すると簡単に理解できるという事もありました。
また、「私が言うのもアレじゃないですか」といった、言葉の裏にある意味を推察することが苦手のようです。
言葉のままに受け取る事が多いので、「僕、頭が悪いので」等と冗談めかした会話を聞いて、本気で気の毒そうな顔をしていたりするわけです。
でも、これだけでは、なかなか気づくことはできませんよね。
アスペルガーの人は、単なる天然ボケだと思われていることも多いのです。
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まとめ
アスペルガーの人の思考を想像するのは、普通の人にはとても難しい面があります。
でも、気付いてあげることが大切ですよね。
後は、根気よく色々な方法で説明するしかないと思います。
何通りかの解釈ができる表現は避け、意味が限定的になるような説明をしましょう。
ご家族の方に良く説明する事は勿論の事、本人に一時だけでもきちんと理解してもらう努力が必要だと思います。
覚えておいてほしい事や、本当に大事なことについては、紙に書いて渡してあげると良いと思います。
表現はなるべく簡潔に、短い文章を心がけてあげてください。