宅建無料テキスト 権利系法令

不動産登記法の無料テキスト|宅建独学勉強用

宅建の本試験で、不動産登記法で1問正解するためのテキストを作成しました。

なるべく簡単な表現で、過去問に出題された部分を重視した内容になっています。

情報量の多い法令なので少し大変かもしれませんが、何日かに分けて精読し、過去問で力試しをしてみてください。

 

不動産登記法は、1問分の勉強量という観点から見れば、非効率な法令です。

しかし、試験で問われるレベルは、それほど高くない難易度なので、得点源として考えて損は無いと思います。

 

補足説明を増やしているので、少し長い内容にはなりますが、一読の価値はあると思います。

覚えて欲しい部分については、赤文字にしておきますので、意識して読んでみてください。



不動産登記法の大改正

不動産登記法は、法務局で行われる不動産登記について定められた法律です。

直近の本試験では、毎年1問出題され続けています。

 

不動産登記法は、オンライン化に伴う時代の変化に対応させるべく、大改正が行われ、2005年3月に全文が改められた新法が施行されています。

オンライン化による大きな変化として、権利証に代わり、登記識別情報が採用されるようになりました。

 

従来、登記は登記簿に記録されることによって管理されていましたが、オンライン化完了に伴って、データによる管理が原則となっています。

このような背景から、登記簿や権利証等の呼び名は過去のものとなり、登記記録登記識別情報という表現に変わっています。

 

登記記録

登記記録は、土地と建物で別々に管理されています。

土地の場合、見た目には一つの土地に見えても、公図上で何筆かに分かれていれば、登記記録はその区画(一筆)ごとに作成されます。

※公図とは、地番で分割された土地の分割地図のようなものです。

 

登記記録の構成は、表題部権利部に区分して作成されています。(第12条)

表題部には、権利以外の情報が記載されることになっています。

具体的には、所在・地番・地積・地目等です。

建物についての登記記録の場合、表題部には、所在・地番・家屋番号・種類・構造・床面積・建物名等が記載されます。

 

これに対し、権利部は、更に甲区乙区に分けられています。

甲区は、所有権を記載する場所と決められています

乙区は、所有権以外の権利について記載する場所です。

つまり、乙区には、抵当権・地役権等、権利に関する種類や金額等が記載されます。

補足

現代では、甲乙という表現はあまり使いませんよね。

これは、A欄、B欄等と同じ感覚で理解してください。

昔はアルファベットを常用する文化が無かったので、分類に甲・乙・丙等が使われたのです。

表題部と権利部についても、「目次と本編」のような感覚でOKです。

本編がA編とB編に分かれていて、記載内容が異なると考えれば良いと思います。

 

権利部の番号

法務局で全部事項証明等を取得してみると、権利部には番号が振られています。

この番号には、各区の中で記載した順番を示している順位番号と、単純に登記された時期の順番を示す受付番号があります。

例えば、甲区の1番と乙区の1番では、どちらも順位が同じです。

区の隔たりを超えて、どちらの登記が先に行われたのか分かるのが受付番号です。

 

登記記録の保存等

原則として、登記記録は、登記しようとする不動産の所在地を管轄する登記所(法務局のこと)に備えられます。

また、登記所には、地図と建物所在図を備え付けるものとされています。(第14条)

 

しかし、場所によっては、2つの法務局の管轄区域に重なる場合もあります。

このような場合には、法務大臣や法務局長等が管轄する登記所を指定します。

 

管轄の登記所に指定されたら、登記記録が閉鎖されない限り、その登記所に保存され続けます。

登記記録が閉鎖された場合でも、閉鎖された日から一定期間の保存が義務付けられています。

土地に関する登記記録は、閉鎖日から50年保存です。

建物に関する登記記録は、閉鎖日から30年保存です。

 

法務大臣は、登記記録の全部又は一部が滅失したときは、登記官に対し、一定の期間を定めて、当該登記記録の回復に必要な処分を命じることができます。(第13条)

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登記の請求と申請手続

登記記録は、手数料を納付すれば、誰でも請求することができます

近年では、インターネットで登記記録を取得する人が増えました。

この場合、手数料の納付は登録口座からの引き落としとなります。

但し、ネットで登記記録を取得した場合、自分で登記記録の印刷をすることになります。

 

登記所に出向いて登記記録の請求をすると、専用の用紙に印刷された登記記録を取得することができます。

この為、契約に使用する謄本等については、法務局で直接取得する業者も多いです。

登記所で登記記録を請求する際は、申請書に手数料分の印紙を貼付し、申請事項を記入しなければなりません。

登記所に、郵送による交付請求をしてもらうことも可能です。

ポイント

  • 登記記録は誰にでも公開している
  • 手数料を払えば、ネットでも郵送でも登記所でも謄本がとれる
  • 複数の管轄をまたいだ物件は、法務大臣等が指定した登記所でのみ取得可能

 

登記の申請

権利の移転等によって新たな登記を記録したい場合は、当事者による申請か、官庁又は公署の嘱託がなければすることができません。

※ 官庁又は公署の嘱託登記とは、公共事業等によって行う事業用地の登記等です。

 

当事者による申請」には、委任によって行う登記も含まれます。

つまり、土地家屋調査士や、司法書士に依頼して行う事ができるという事です。

当事者本人でなければ出来ないという意味ではありませんので、誤解のないようにしてください。

 

このような委任による代理人の権限は、本人が死亡しても消滅しません。(第17条)

法定代理人の死亡や、法人合併等によっても消滅することはありません

死亡等によって登記の権利が消滅すると、売買契約した意味が無くなってしまう事もありますから、登記については簡単に代理権を消滅させないようにしているのです。

余 談

表題部の登記については、売主側の負担で土地家屋調査士に委任されることが一般的です。

権利についての登記申請は、当事者から司法書士に委任されるのが一般的です。(住宅購入に伴う所有権移転等)

 

申請の方法

登記の申請は、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的、その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報を登記所に提供しなければなりません。

 

情報の提供方法については、電子情報処理組織(オンライン申請のこと)を使用する方法と、申請情報を記載した書面(磁気ディスクを含む)を提出する方法があります。

 

第24条~25条

登記官による本人確認)

第二十四条 

登記官は、登記の申請があった場合において、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、次条の規定により当該申請を却下すべき場合を除き、申請人又はその代表者若しくは代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。

2 登記官は、前項に規定する申請人又はその代表者若しくは代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に同項の調査を嘱託することができる。

 

要約 

2019年出題有

登記官は、申請人の申請内容に不審な点があるときには、出頭や質問などを行い、申請人の権限について調査をしなければなりません。

また、却下するべき事項に当てはまる場合には、職権によって却下しなければなりません。

 

具体的には、「所在地が登記所の管轄外だった場合」・「登記目的が不適当な場合」・「既に同登記が行われている場合」・「申請者がその権限を持たない場合」等です。

考え方としては、「それは受けたらダメでしょ」という内容です。

 

当然に断る必要がある内容は職権で却下になる」と考えれば、難しいことはありません。

試験対策としては、予備的に覚えれば良い部分だと思います。

 

 

表示登記の申請義務等

一般的に「表示登記」と呼ばれる登記の申請です。

これは、表題部の表示に関する登記であることから、このように呼ばれます。

 

表示に関する登記は、人間で例えると「出生届のようなもの」と言われています。

表示登記が必要になるのは以下のような場合です。

どのような場合かをイメージし、理解しておいてください。

  • 建物を新築した
  • 建物を取り壊した
  • 建物の所在・種類・構造の変更
  • 地目又は地積の変更
  • 表題登記の無い土地・建物の取得(所有者不明で時効取得した等)
  • 新たに生じた土地の取得(埋め立て等で新しく生まれた土地)
  • 更生登記

このような登記要因が発生した場合、表題部記載の所有者又は所有権の登記名義人は、1カ月以内に表示に関する登記をしなければなりません。

登記は、電子申請又は書面申請で行います。

表示に関する登記は、登記官が職権ですることもできます。第28条

 

例えば、建物に名称がある事に気付いた時等は、職権でこれを登記できるわけです。

こうしておけば、申請義務者が表示登記をしていない場合に対応できます。

ですから、登記官は、必要と認めるときは、表示に関する物件調査をすることもできます。

補 足

新築の場合、表示登記はいつから1カ月以内なのか、という疑問を持った人のために補足しておきます。

表示登記は、実務上では土地家屋調査士に委任しますが、足場等が外れ、見た目にもほぼ完成している状態になれば登記可能と言われます。

申請時に写真を添付する為、クロス等が貼り終わっている段階というのが一つの目安です。

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合筆又は分筆の登記

合筆とは、複数の土地を一つにまとめる登記です。

分筆は、1つの土地を複数に分割する登記です。

 

これらの登記は、表題部所有者所有権の登録名義人が申請できます。

登記官は、申請がなかったとしても、必要と認めるときには、表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で分筆又は合筆の登記をすることができます。

補 足

表題部所有者は、最初に物件を取得した人のことです。

売買等によって所有権が移ると、表題部所有者と所有権のの登録名義人は、当然ながら異なる人物となります。

このような事が起こることを想定して、表題部所有者又は所有権の登録名義人という言い回しになるわけです。

 

合筆登記ができない場合

以下のようなケースについて、合筆を禁止しています。(第41条

問題文として出て来た際のために、条文の表現で記載しておきます。

  1. 相互に接続していない土地の合筆
  2. 地目又は地番区域が相互に異なる土地の合筆
  3. 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地の合筆
  4. 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地の合筆
  5. 所有権の登記が無い土地と、所有権の登記がある土地の合筆
  6. 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地の合筆(法務省令で定める土地を除く)

上記6つの合筆禁止事項について少し詳しく説明しておきますね。

条文で意味が理解できた人は、事項へ飛んでください。

 

1番の「相互に接続していない土地」とは、隣地になっていない土地同士は合筆出来ないと言いたいわけです。

物理的に離れた場所同士の土地を合筆できてしまうと、非常に紛らわしいことになります。

そこで、公図と現況の両方で隣接している土地同士だけ合筆を認める、という事です。

 

2番の「地目又は地番区域が相互に異なる土地」は、「宅地と畑」・「一丁目と二丁目」等のようにお互いの土地の地目又は地番の情報が異なる場合です。

現況は両方宅地になっていても、登記上で地目が揃っていないとダメ!という事です。

 

ですから、地目が変更されずに放置されていた場合、現況の地目に変更してから合筆することになります。

地番の場合は、1丁目と2丁目の境を想像すると理解しやすいと思います。

一方の土地は1丁目の端に位置していて、その隣地から2丁目になるような場合です。

このような土地は、現況と公図上で隣接していたとしても合筆できません

所在地が不明確になる合筆登記は、紛らわしくなるので禁止事項という事です。

 

3番の「表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地」は、簡単に言えば、持ち主が違う土地同士は合筆禁止という事です。

例えば、親が所有する土地Aと、その子供が所有する土地Bを合筆しようとした時、登記上の持ち主が違うので合筆できないという事です。

そもそも、不動産登記は、その土地が誰のものなのかを示す意味もありますから、持ち主が違うのは、禁止事項として当然の理由ですね。

 

4番の「表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地」は、合筆した後、持分が不明確になるようなケースの事です。

例えば、土地Aの所有者が夫婦の共有名義だとしましょう。

お互いに2分の1ずつの持分で所有しています。

一方、合筆予定地の土地Bも同一の夫婦で共有名義です。

しかし、こちらは、夫の持分が3分の2、妻の持分が3分の1といった状態だとします。

このように、持分が異なる土地を合筆した時、持分の計算が複雑ですよね?

合筆後の全体の面積に対してお互いの持分が分かりにくく、紛らわしくなりますので禁止事項にしたという事です。

 

5番の「所有権の登記が無い土地と、所有権の登記がある土地」は、所有権の登記をしていない土地については合筆できないという意味です。

登記上では真の所有者がわからないのですから、合筆させるわけにはいかないという理屈です。

 

6番の、「所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地」は、抵当権等の権利が付いている場合です。

例えば、土地Aと土地Bの所有者は同じですが、土地Aにだけ抵当権がついているような場合です。

抵当権者(お金を貸している人)からすれば、担保になっている土地が合筆によって変わってしまうことになります。

合筆によって価値が下がる場合もありますので、権利者の利益を考えると、禁止にされるのも納得です。

しかし、このケースでは、例外的に合筆が認められる場合がありますので、試験で出題された際には注意が必要です。

 

本試験で出題されるとしたら、「所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地については、例外なく合筆することができない(×)」等、間違った肢として出題される可能性があるかもしれません。

補 足

合筆後に、地目、所在地、所有者、持分等について、紛らわしくなる合筆を禁じているという事です。

合筆は、権利が紛らわしくなる場合は禁止」と覚えておけば、暗記の必要が無くなります。

 

分筆登記

分筆については、この不動産登記法の中で明確な禁止制限はありません。

これは、合筆の場合よりも、紛らわしくなる可能性が低いからだと考えれば良いと思います。

 

分筆については、地区計画(最低敷地面積)等によって、状況に合わせて個別に制限をかけることもできますので、不動産登記上では義務事項だけ規定すれば足りてしまうのです。

 

分筆については、2つ覚えておいてほしい事があります。

一つは、土地の一部の使用方法が変わり、地目の変更が必要になった時の分筆です。

土地の地目変更は、地目に変更が生じた日から1カ月以内に表示登記(土地一部地目変更)分筆登記を申請する義務があります。

 

もう一つは、分筆登記をする際、抵当権等の所有権以外の権利が登記されている場合です。

登記官は、どちらかの土地について、所有権以外の権利が消滅することを相手が承諾したことを証する情報が提供されたときに、当該権利が消滅した旨を登記します。(第40条)

 

要件を満たしていれば、登記官は職権で登記をしなければいけません。

第39条もあわせて確認しておきましょう。

 

第三十九条 

分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。

2 登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。  

2019年出題有

3 登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。

 

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滅失登記について

本試験では出題率が低い部分のようですが、不動産に携わる立場から出題箇所を考えると、一度くらいはきちんとした問題を出しておきたいと感じるのが、滅失登記に関する部分です。

このような理由で、今後の試験対策として、少し掲載させていただきます。

 

土地の場合も、建物の場合も、何らかの理由でその存在が無くなる時には登記が必要です。

これを滅失に関する登記と呼び、実務上では「滅失登記をかける」という言い方をします。

不動産売却の際に建物を解体する際にも、売主側の負担で滅失登記をかけます。

 

建物が滅失した時は、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1カ月以内に滅失登記の申請をしなければなりません。(第57条

 

土地が滅失した時は、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1カ月以内に滅失登記の申請をしなければなりません。第42条

 

権利に関する登記

ここからは、表題部ではなく、権利部に記載される事項についての規定になります。

権利部の登記記録は、誰かから権利を主張された時に対抗するための登記です。

第三者に対抗する為の登記は、パソコンで例えるとセキュリティーソフトのようなものです。

 

パソコンに有料セキュリティーソフトを入れるかどうかは、ユーザーの自由ですよね。

登記も同じように考えていて、第三者に対抗する事を義務にはしていません。

表題部には申請期間や義務が決められている部分がありますが、これはパソコンの初期設定や、インターネット接続手続きをしなければPCが使えないのと同じです。

 

ですから、権利についての登記には、「いつまでにしなければならない」とか、「申請しなくてはならない」等の規定がありません。

権利については、どんな時に登記できるのかを規定しているだけなのです。

 

権利の登記申請

権利に関する登記申請は、法令に別段の定めがある場合を除いて、登記権利者と登記義務者が共同してしなければならない、としています。(第60条

実務上で言えば、原則として売主と買主が共同して登記しなくてはならないという事です。

 

両者で共同申請することを原則としている理由は、権利に関する登記がそれだけ重要なものだからです。

登記官が職権で判断できる部分ではありませんから、間違えの無いように共同申請を原則としているという事です。

 

しかし、「原則あれば例外あり」で、共同申請の例外になるケースが結構あります。

それは、登記について真正が確保された登記についてです。

つまり、共同申請しなくても、明らかに真正な登記だと分かれば良いのです。

具体的には、以下のような登記について単独で行う事ができます。

  • 判決による登記
  • 相続による登記
  • 法人の合併による登記
  • 登記名義人の氏名・名称・住所の変更や更正の登記
  • 抵当証券のある債務者の氏名・名称・住所の変更や更正の登記
  • 所有権の保存登記

 

登記申請の手続き

権利に関する登記を申請する場合には、申請情報(登記識別情報等)と登記原因を証する情報(売買契約書等)を提供しなければいけないことになっています。

権利に係る登記ですから、登記の根拠や真の所有者であるかを厳格に確認する必要があるからです。

 

申請の方法は、電子申請書面申請で行うことができます。

申請情報と登記原因を証する情報と合わせて提出しなければならないものが異なりますので、そこだけチェックしておきましょう。

電子申請の際には、電子署名が必要になります。

書面申請の場合は、申請書と印鑑証明が必要です。

最後に、申請情報の種類についてまとめておきます。

【申請情報として必要なもの】

  • 申請書(書面申請の場合)
  • 電子署名(電子申請の場合)
  • 登記識別情報
  • 委任状(代理人が申請する場合のみ必要)
  • 許可証(第三者の許可が要る場合のみ必要)

補 足

法務局で書面申請する場合、住所・氏名・目的等を記載して押印した申請書が必要になります。

また、現在は「権利証」というものが無くなり、登記識別情報というパスワードのようなものが発行されています。

登記識別情報は、特殊なシールで隠されていて、人の目に触れれば盗まれたのと同じ事になってしまう性質のものです。

権利の登記に使う時以外には、所有者本人も見る必要が無いものです。

 

所有権の保存登記とは

最初に、所有権移転登記所有権の保存登記について違いを説明しておきます。

これは、この不動産登記法の理解を深めるために必要な予備知識だと思ってください。

 

例えば、表題部の登記が完了していても、権利部への記載はまだ行われていない場合があります。

そして、所有権を登記する場合は、権利部に登記します。

権利部には、甲区と乙区があり、所有権に関することは甲区に記載しますよね?

ですが、最初から甲区が存在するわけではありません。

 

そこで、所有権を記載するために甲区欄を新設し、第三者への対抗権を初めて備えた状態にするのです。

つまり、これで所有権を初めて保存することになります。

この登記を「所有権の保存登記」と言い、この保存登記が無いと売買や抵当権の設定等ができません

 

保存登記を完了させることによって、その後に所有権が移った事実を記録していくことができるのです。

単純に、所有権が誰かに移った事実を記録するのが、所有権移転登記です。

参 考

良い例えでは無いかもしれませんが、大きなバインダーに題名を付けるのが表示登記だと考えるとイメージしやすいかもしれません。

そして、バインダーの中に、重要な見出しとなる厚紙を入れ、所有者を記載する準備をするのが保存登記です。

見出しの後に、事実の記録を残していくノートの部分が権利の登記(所有権移転登記等)です。

 

仮登記

不動産登記には、仮登記というものがあります。

少し理解が難しい面がありますので、できるだけ分かり易く説明してみます。

 

登記記録には、登録された順位(順位番号)が記載されることになっています。

そして、登記には、「早く登記した人を最優先する!」というルールがあります。

つまり、第三者に対抗する場合にも、一番先に登記した権利者が優先されるのです。

 

そこで、将来に登記できる要件が整う見込みが高い場合には、登記の順位を確保できるようにしています。

このように、登記順位を予約することができる事が仮登記の役割です。

 

例えば、既に権利の変動が起こっているけれど、登記に必要な情報書類が揃っていない場合があります。

売買契約は成立しているが、売主が登記識別情報を紛失して登記できない場合等を想像すると理解しやすいと思います。

 

そんな時には、仮登記で登記順位を予約しておき、後で書類が揃ってから本登記をすることができるのです。

このような登記を、所有権移転の仮登記と言います。

 

逆に、まだ権利の変動は発生していない状態ではあるけれど、登記条件は整っているという場合でも仮登記できます。

このような登記は、所有権移転請求権保全の仮登記と言います。

具体的には、売買の予約や、抵当権設定の為にされる仮登記等の事です。

 

権利の登記については、このような見切り発射的な仮登記が認められていますが、仮登記には一つ重大な注意点があります。

それは、仮登記は、第三者には対抗できない登記だということです。

 

あくまでも、登記の順位を保全するためなので、本登記をするまでは対抗権がありません。

結局、後で本登記ができなければ意味が無いので、フライング的な登記を許しているとも解釈できます。

 

将来に、仮登記を本登記にする事ができれば、仮登記の日付に遡って効力を発生させることができます。

もしも、仮登記の後に行われた登記があった場合でも、仮登記よりも順位が後にされた登記は、登記官によって職権抹消されてしまいます。

 

例えば、親の所有する土地に所有権移転の仮登記をしていたとします。

親がその土地を売却してしまい、第三者A氏が取得して所有権の移転登記をしました。

数年後、A氏からB氏へ売買されて、現在はB氏が所有権の登記を完了しています。

そんな時、親が亡くなって相続が発生し、この土地に仮登記していた子が本登記をしたとします。

すると、Bさんの所有権は抹消され、仮登記の日付から相続した子に所有権があった事になり、第三者に対抗できるのです。

 

仮登記の申請

仮登記の申請は、仮登記の登記義務者(仮登記をする原因や理由を発生させた人)の承諾があるときは、仮登記権利者(仮登記の恩恵を受ける人)が単独ですることができます。

例えば、登記に必要な書類を紛失した売主が、買主の権利を保全するために仮登記義務者となり、買主(仮登記権利者)が単独で仮登記したような場合です。

 

仮登記の抹消についても仮登記の登記名義人(仮登記をした人)の承諾があれば、登記上の利害関係人(仮登記のある物件を買った人等)が単独でする事ができます。(平成16年度出題有

 

登記記録の交付

登記官に対して、登記事項証明書の交付を請求する際の規定です。

特に難しい部分は無いと思いますので、そのまま読んで流れを掴んでおきましょう。

何人(なんぴと)とは、「誰でも」という意味です。

第百十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。

2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。

3 前二項の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める。

4 第一項及び第二項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。

5 第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる

 

不動産登記法の過去問集

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不動産登記法の過去問と解説

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まとめ|勉強のコツ

不動産登記法は、得点効率の悪い法令ではありますが、売買の実務上では非常に役立つ内容となっています。

赤文字の部分については、試験対策上で特に大切な箇所です。

完璧に覚えられなくても、何度か意味を理解して読んでおくだけで正解率が上がると思います。

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