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宅地建物取引業法 第五章 独学教材⑥

この記事は、「宅地建物取引業法 第五章 独学教材⑤の続きです。

重要事項説明の内容は、少し暗記が大変な部分です。

ですから、まずは意味を理解して読み通し、過去問で理解を深めるという学習をすると良いです。



最終編集:2019年8月

宅地建物取引業法 第五章

前回に引き続き、第五章の解説をしていきます。

今回は、毎年のように出題されている「重要事項説明」についてです。

 

実務においても最も密接な部分で、この法律のメインといって良い部分です。

この部分の過去問については、徹底的に勉強してくださいね!

 

不動産の取引は、重要な内容ですから、間違いがあってはいけませんよね。

消費者を守るためにも、宅地建物取引業者が契約するときには、物件の重要事項について説明書を作成して、宅建を持っている人から書面で説明しなければいけない決まりになっています。

それが、重要事項説明(第35条)です。

 

改正点について

賃貸の重要事項説明については、例外的にITを活用した重要事項の説明も認められることになりました。

ITによる重要事項が認められるには、以下の全ての要件を満たす必要があります。

  • 宅地建物取引士が記名押印した重要事項説明書と添付書類を、あらかじめ送付している事
  • 映像による理解と、双方の音声が十分聞き取れる環境で実施している事
  • 宅地建物取引士が、上記要件を満たしている状況である事を説明開始前に確認する事
  • 相手が宅地建物取引士証の提示を映像で視認したことを確認する事

遠方からの移転を予定している人等に対して、ITを活用することで利便性を向上させる目的が感じられます。

 

第35条 重要事項説明

重要事項とは何かを定めたのが、この条文の内容になります。

ここは、できればパソコン画面で見ることをお勧めします。

携帯だと、ちょっと見にくいかもしれません。

 

それと、この部分の条文はもっと簡単な表現にもできるのですが、あえて原型を残して作成しておきました。

わかりやすくするために記載の順番や、まとめている部分等があります。

 

試験でも頻出される重要部分なので、法令の言い回しに慣れておきましょう。

35条冒頭の条文内容は以下の通りです。

宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない

 

要約すると、土地建物を売買、交換、賃貸等をする取引相手(消費者側)に対して、これから掲げる事項を記載して宅建士が説明しなさいと言っています。

 

売主や貸主には、書面の交付をすればOKです。(説明は省略可)

売主や貸主は、自分の物件をよく知っているはずですから、書面の交付だけすれば足りると考えれば理解しやすいのではないかと思います。

 

物件を手放す側(貸す側)は、物件の詳細に心配はありませんよね。

しかし、物件を手に入れる側にとっては「どんな物件を買おうとしているのか」という詳細について知る事が重要なので、書面だけではなく、宅建士がきちんと意味を説明するという趣旨です。

 

また、宅建業者である売主が、他の宅建業者(仲介業者)に販売を委託した場合、買主に対しては、売主と仲介業者の両者が共同で重要事項説明をする義務を負います

2019年出題有

 

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重要事項説明書の記載事項

重要事項説明書の記載事項は、「説明しなければいけない事項」と同じです。

試験によく出題されますので、細かい部分までしっかりと学習しましょう。

2018年出題有

2019年出題有

1.登記された権利の種類・内容、登記名義人、登記簿の表題部記載の所有者の氏名

難しく見えると思いますが、謄本に書いてある事で重要なものは全部書くと考えてください。

一度、実際の謄本を見てみると良いと思います。

 

2.都市計画法・建築基準法、その他法令に基づく制限

建ぺい率とか、用途地域とか、その土地に関する法令制限を全て書きます。

その土地に、どんな法律が影響しているか記載するということです。

将来の建替え等に関係してくるからです。

 

3.私道の負担(賃貸の場合は不要)

物件に接道している道が、公道ではない場合のこと。

土地の価値にも関わる部分ですから、「私道の負担の有無」「私道の面積・位置」を必ず説明しなくてはなりません。

 

具体的には、道路持分とか、セットバック等について記載するということです。

建物賃貸の場合、土地を所有しないので、道路の権利は関係ないですよね?

 

これは大家さんの持つ権利ですから、建物の賃貸人には関係がありません。

だから、建物の賃貸の場合だけは記載を省略できます

土地の賃貸契約の場合には、記載事項です。

 

4.水道・電気等の施設の整備状況

例えば、プロパンであることを後から知るのはおかしいですよね?

ライフラインについては、当然に重要事項です。

 

5.未完成物件の場合、完成したときの形状・構造

工事完了前の物件を取引する場合の事です。

説明時には、必要に応じて当該建物に係る図面を交付した上で、当該建築工事の完了時における当該建物の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造について説明しなければなりません。

 

6.区分所有建物の場合、権利・規約関連

2019年出題有

要するに、マンションの場合だけ記載する内容で、組合等の規約のことです。

修繕積立金の使い方とか、共有スペースの使用ルール等もこれに該当します。

具体的には、以下のようなものです。

  1. 敷地に関する権利
  2. 共用部分に関する規約内容
  3. 専有部分の用途等に関する規約内容
  4. 専用使用権に関する規約内容(ペット・ピアノ・フローリング禁止等)
  5. 計画修繕費用・管理費用等を特定者について減免する旨の規約内容
  6. 計画修繕積立金等に関する規約内容と既存積立額
  7. 管理費用の額
  8. 管理の委任先である者の氏名・住所(法人の場合、名称・商号・事務所所在地)
  9. 維持修繕の実地状況に関する記録内容

 

7.代金、交換差金、借賃以外に授受される金銭の額と目的

通行料等、代金とは違う支払いがある場合です。

代金や交換差金、借賃等は、当然ながら契約書に記載しますよね?

重要事項説明書は、契約して良いか正しく判断してもらうためのものですから、物件の説明と注意点等がメインです。

ポイント

物件価格や賃料は、買主が当然に知っている状態だと考えましょう。

それに、契約までの間に値引き等が起こる可能性もありますので、重説では記載事項から外されていると考えれば理解しやすいと思います。

 

8.契約の解除について

どのような場合に契約が解除できるのかは重要ですから、当然記載事項ということ。

 

9.損害賠償の予定・違約金について

ルールを破った時に支払うお金の取り決めは、当然に重要事項ですよね?

 

10.手付金等の保全措置

手付金を持ち逃げされた時等、どこに問い合わせれば良いかという事。

つまり、保証協会や、供託所の情報を記載します。

賃貸契約の場合、手付金当の保全措置は記載を省略できます。(土地賃貸も建物賃貸も両方省略可)

 

11.支払金・預り金の保全措置

登記後に受領する金銭や報酬は含まれません。

※ 50万円未満の場合、支払金・預り金として該当しません。

 

12.ローンの斡旋内容、不成立時の措置

賃貸契約の場合には、ローンは無いので省略可能です。

営業マン
条文の表現だと以下のようになります

代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあつせんの内容及び当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置

「成立しないときの措置」とは、住宅ローンが通らなかった時のルール(ローン条項)のことです。

 

余談

昔は、住宅ローンについて不動産業者があっせんしていた時代がありましたが、現在では法律が変わって不動産業者による説明ができなくなりました。

この為、銀行を紹介するだけにとどまるのが現在の不動産業者の実情です。

この紹介行為はあっせんには該当しませんので、説明義務は生じません。

しかし、ローンが流れた場合の措置については必須の記載事項なので、宅建士からも特に念入りに説明を行う部分です。

もしも、斡旋があるとしたら、自社系列会社等でローン事業を行っている場合だと思います。

 

13.契約内容の別を勘案して、その他国土交通省令で定める事項

要するに、賃貸の場合に記載しなければいけない事項をまとめています。

アパート等を借りる時、必ず教えてもらわないと困る事を想像して覚えましょう。

2019年出題有

  1. 土砂災害区域、津波災害警戒地域にあること
  2. 台所、浴室、便所、その他設備等の状況
  3. 契約期間、契約の更新に関する事項
  4. 建物の用途その他の利用に関係する制限に関する事項
  5. 一般定期借地権、定期借家権、終身建物賃貸借契約(高齢者のためのもの)の設定 (借地権は土地契約の時だけ適用
  6. 敷金等、金銭の契約終了時の清算について
  7. 管理の委託を受けた者の氏名・住所
  8. 契約終了時の宅地上の建物取り壊しに関する事項(土地の賃貸の場合のみ
  9. 区分所有建物の賃貸契約の場合は、「専用部分の用途等の規約」と「管理委任先の氏名・住所」

 

14.割賦販売の場合は、現金販売価格と割賦販売価格

引渡しまでに支払う金額、支払時期、方法について記載する。

賃貸契約の場合には関係の無い話ですので、省略可となります。

 

15.住宅の品質確保の促進等に関する法律の住宅性能評価を受けた新築住宅である旨

建物の売買の場合だけ記載事項となります。 2019年出題有

 

16.アスベストについての調査があった場合の結果

建物の取引であれば、賃貸でも売買でも記載事項となります。

健康に関することなので、なんとなく想像がつきますよね。

 

17.インスペクション(建物検査) 平成30年 改正ポイント

建物の売買がある時だけ適用されます。

賃貸契約の場合、建築図面や維持保全書類の保存状況は省略できます。

・1年以内に行われた建物状況調査の有無と、その結果の概要

設計図書、点検記録等、建築と維持保全の状況に関する書類の保存の状況 (建築確認済証、建物状況調査報告書等)

 

18.耐震診断等の内容

建物の契約の際に記載事項となります。

インスペクションは、建物売買の場合だけですが、耐震診断については「建物」に関する契約全てに記載事項となります。

 

重要事項とされている項目以外でも、重要な事実を故意に説明しなかったときは、告知義務違反となります。

 

覚えられない人の裏技

重要事項説明書の記載事項が覚えられない人は、ネット等で「重要事項説明書」のひな型を探し、実際にその記載事項を埋めてみると良いと思います。

また、知人等に不動産関係者がいれば、ひな型データをくれると思います。

 

実家等を売却するつもりで、重要事項説明書を作成してみる等、実際に書類へ記載することで記憶に強く残ると思います。

手書きでもパソコンでもいいので、記載事項を記入してみてください。

 

時間があれば、市役所へ行って用途地域等を調べてみると尚良いと思います。

このような作業を一度するだけで、かなり具体的なイメージで覚えられます。

 

暗記と言うよりは「経験」に近い形で覚える方法です。

自分で作成した際に記載したことがある項目は「記載事項」という事です。

 

まとめ|勉強のコツ

重要事項説明書の記載事項を丸暗記できる記憶力があれば良いのですが、そうもいかないのが実際のところだと思います。

私は、正確な丸暗記は難しいと感じたので、できるだけ理屈で覚えました。

 

丸暗記をするよりは、ざっくりと覚えておいて、過去問で細かくチェックしていくようにしたほうが、効率が良いと思います。

売買の場合に必要な事と、賃貸の場合に必要なことの違いを想像することが近道です。

 

重要事項説明書のひな形は、第35条の記載事項を基に作成されています。

ご自宅に家を買った時の書類がある人は、実際の重要事項説明書を見ておくといいと思います。

賃貸物件入居時の書類がある人は、それも確認してみてください。

重説に書いてある項目を覚えておけば、丸暗記しなくても良くなります。

「宅地建物取引業法 第五章 独学教材⑦」

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