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宅地建物取引業法 第五章 独学教材⑦

この記事は、宅地建物取引業法 第五章 独学教材⑥の続きです。

いよいよ宅建業法の中でもメイン(最難関)となる部分に入ってきています。

意味を理解して、とりあえず読み通してみてください。

 

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宅地建物取引業法 第五章

重要事項説明書の記載事項に続き、第五章の後半部分からです。

各項ごとに解説していきます。

重要事項の説明者

重要事項の説明義務は、宅建業者の義務でしたよね?

一方、重要事項の説明は、宅地建物取引士に行わせなければなりません。

 

そして、重要事項説明は、契約が成立する前までにするのが絶対ルールです。

この際、取引士証を提示しなければいけない事もセットで覚えましょう。

 

また、重要事項説明書には、取引主任者の記名押印が必要です。

物件が未完成の場合には、平面図・立面図・配置図等の詳細図面を付けなければいけないことも覚えておきましょう。

 

相手が宅建業者の場合、重要事項説明を省略できますが、重要事項説明書の交付自体は必須です。

複数の宅建業者が関与した場合の重要事項説明書は、一方を代表して説明する旨を伝え、両方の取引主任者の記名押印をした書面を作成します。

重要事項の説明義務違反は、情状が特に重いと免許取消処分を受ける可能性があります。

 

供託所等に関する説明

35条の二

宅建業者は、契約が成立するまでの間に、以下で説明するつの事項について説明をするようにしなければならない

下線部の言い回しからわかるように、「説明するようにしてね」という努力規定です。

強制規定ではないので、ひっかけ問題に気を付けましょう。

 

この説明は努力規定なので、口頭で行ってもOKです。

相手が宅地建物取引業者の場合には、この説明は省略できます。2018年出題有

元々が努力規定であることからも、プロ同士の取引には必要ない説明だと考えれば良いと思います。(37条書面の交付は必要です)

 

因みに、この規定を守らなくても、指示処分の対象になるだけです。

要するに、軽い注意を受ける程度ということです。

 

【2つの説明事項】

一つ目は、保証協会に加入している場合です。

保証協会の社員である事、保証協会の名称、住所、事務所所在地、弁済業務保証金を供託している供託所とその所在地を説明するようにと言っています。

二つ目は、営業保証金を供託した場合の事です。

供託所とその所在地を説明するようにと依頼しています。

供託額等は説明事項に含まれません。

預けている場所の情報を伝えるようにする」と覚えておけば良いと思います。

 

契約締結時期の制限

第36条

建築工事が始まっていない物件は、役所の許認可をもらってからでなければ、契約・媒介をしたらダメということが書かれています。2018年出題有

役所の許認可とは、建築確認申請等の事です。

 

但し、賃貸借の契約・媒介は例外なので、工事完了前でも本人が望めば契約できる点に注意です。 2019年出題有

実際に建物が完成しなかった場合の損害の大きさを想像すると、賃貸が対象外にされるのが納得できるのではないでしょうか。

 

広告の開始時期については、賃貸借の場合でも制限がかかります。

建築確認申請前、申請中の場合、賃貸でも売買でも広告はできません。

賃貸と売買の違いについて、混同しないようにご注意を。

 

第37条 書面の交付

ここは、毎年出題されている重要な条文で、契約書の交付について定めています。

後の紛争を防止するために、成立した契約内容を書面に記載して、お互いに内容を確認し合うことを義務付けています。

この書面の交付は、契約成立後に速やかに履行しなければいけません。

 

そして、交わされた契約書は、売主側と買主側の両方に書面で交付しなければいけません。

交換や代理の場合も当事者両名に交付です。

 

第37条の書面の交付は、契約が成立した後に、宅建業者に交付義務があります。

相手が宅地建物取引業者だったとしても交付義務は変わりません。(必ず必要2018年出題有

宅建業者に対しての説明は省略できますが、37条書面の交付は省略不可です。

 

重要事項説明の時と同様に、取引士の記名押印が必要です。

37条書面は、交付場所についての指定はありません

また、重要事項説明と契約書に記名押印する宅建士は、別々の人物でもOKです。

2019年出題有

 

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契約書の記載事項

2018年出題有

1.当事者の氏名・住所(法人の場合はその名称)

2.宅地建物を特定するための表示

3.代金・交換差金の額、支払時期・方法

4.宅地建物の引渡し時期

5.移転登記申請の時期

6.代金及び交換差金以外の金銭の授受について

7.契約の解除について

8.損害賠償・違約金について

9.斡旋があるときは、不成立時の措置

10.天災・不可抗力による損害について

11.建物の瑕疵担保責任

12.租税その他の公課の負担  2019年出題有

13.既存の建物(中古物件)の場合、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項 平成30年改正ポイント

2019年出題有

 

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賃貸借契約書の場合

2018年出題有

賃貸の場合は、必要な項目が少し変わります。

移転登記・瑕疵担保・租税・公課の負担・金銭貸借斡旋等、賃貸の契約には不要な情報を除外できる為です。

1.当事者の氏名・住所(法人の場合はその名称)

2.宅地建物を特定するための表示

3.宅地建物の引渡し時期

4.契約の解除について

5.損害賠償・違約金について

6.天災・不可抗力による損害について

7.賃料と支払時期・方法

8.賃借以外の金銭の授受について

 

クーリングオフ

第37条の二 

2018年出題有

宅建業者が自ら売主となって締結した売買契約では、事務所等以外で締結した契約について、買主から書面により、申込の撤回・契約の解除ができる期間を設けています。

 

これは、きちんとした場所で契約しなかった契約は取消しできるようにして、消費者を救済するための規定です。

つまり、「よく考えずにハンコを押してしまう可能性のある場所・状況」で行った契約が対象なのです。

 

ですから、「買主が契約内容を理解したと思える場所か」という視点を持つと良いと思います。

例えば、買主が自ら「私の自宅で契約しましょう」と申し出た場合、クーリングオフはできません。

事務所以外の場所での契約となりますが、本人が充分な検討をしたと判断できるからです。

 

買主から申込の撤回・契約の解除をされた売主は、預かっている手付金等の金銭を速やかに返還しなければいけませんし、損害賠償等の請求もできません。 2019年出題有

買主からの撤回・解約は、書面が発信された時から効力を生じます。

 

試験では、クーリングオフが適用されるかの判断や、告知書面の記載内容等について頻出されています。

ここは、施工規則からの出題もありますので、過去問を中心に演習しておく必要があります。

 

営業くん
該当条文は、こんな感じです

宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所その他国土交通省令・内閣府令で定める場所(以下この条において「事務所等」という。)以外の場所において、当該宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)は、次に掲げる場合を除き、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。この場合において、宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない

一 買受けの申込みをした者又は買主(以下この条において「申込者等」という。)が、国土交通省令・内閣府令の定めるところにより、申込みの撤回等を行うことができる旨及びその申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算して八日を経過したとき

二 申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つたとき

2 申込みの撤回等は、申込者等が前項前段の書面を発した時に、その効力を生ずる。

3 申込みの撤回等が行われた場合においては、宅地建物取引業者は、申込者等に対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。

4 前三項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。

 

事務所等とは?

2019年出題有

ここは、試験での言い回しを覚えるのが近道です。

以下の表現を覚えておき、出てきたら全て事務所と同じだと考えてください

◆ 継続的に業務を行うことができる施設=事務所

◆ 10区画以上の一団の宅地又建物分譲の案内所=事務所

※不動産業者が代理・媒介して行う場合を含む

補足

建売住宅の販売では、開発現場という大規模な分譲をすることがあります。

売主が直接販売を行う場合と、売主が仲介業者や代理業者に委託して販売する場合がありますので、案内所があれば、どちらも該当するということです。

展示場等の施設や案内所

いわゆるモデルルームに併設した案内所等のことです。

買主が指定した、契約意思を感じられる場所

※ 自宅や勤務先のこと

補足

喫茶店や公園等を指定してきても、それは契約意思が弱いか、一般的な判断能力に乏しい人の可能性が高いですよね?

ですから、これらの場所は、本人から指定してもクーリングオフの対象になります。

 

クーリングオフの例外

以下の事項に該当する場合は、クーリングオフが適用されません。

本試験では、どんな場合に適用除外になるかを問う問題が出題されています。

 

以下のようなケースでは、適用除外となります。

クーリングオフができることを書面で告げられてから8日経過した時

自分(買主)が宅建業者の場合

代金を支払い、引渡しまで完了した場合

 

まとめ|勉強のコツ

37条書面の交付と、クーリングオフについては、かなりよく出題されています。

賃貸との場合等を大雑把に掴んでおいて、過去問をやってみると良いと思います。

あとは分からなかった部分だけ集中して細かく覚えればOKです。

過去での出題傾向を全てクリアできれば、試験本番でも対応できるレベルまで到達していると判断してOKです。

丸暗記するよりは、「なんでそのようなルールになったのか」を考え、納得する勉強をすると判断力が付くと思います。

「宅地建物取引業法 第五章 独学教材⑧」

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