宅地建物取引業法 宅建無料テキスト

宅地建物取引業法 第六章 独学用テキスト⑪

この記事は、 宅地建物取引業法 第五章 独学教材⑩の続きです。

意味を理解しながら、とりあえず読み通してみてください。

 



第六章 監督

第65条から第76条までをまとめておきます。

この章では、行政側が宅建業者や取引士に対してできる処分を定めています。

宅建業者への処分は、「指示」、「業務停止」、「免許取消」のつです。

取引士への処分は、「指示」、「事務の禁止」、「登録の消除」のつです。

 

第65条

指示と業務停止

必ず処分が下るのではなく、条文では「することができる」と記載されています。

つまり、下記のような事に該当した時に、その都度判断して決めるということです。

 

指示処分の対象となる行為2018年出題有

国土交通大臣又は、都道府県知事は、以下のつの場合に必要な指示をすることができます。

取引関係者に損害を与える可能性が高い

取引の公正を害する可能性が高い

他の法令に違反し、宅建業者として不適当

宅地建物取引士が違反事項で処分を受け、その責任が宅建業者にもある

 

業務停止処分の対象となる行為

国土交通大臣又は、都道府県知事は、1年以内の期間を定めて業務停止を命じることができます。

業務の全部停止と、一部停止のどちらかを命じることができます。

業務停止処分の対象となる行為は、以下の通りです。

指示処分の対象となる事項(4つ)

宅建業法に違反した

監督処分の指示に従わない

国土交通大臣又は、都道府県知事の処分に違反

宅建業で不正または著しく不当な行為をした

 

ポイント

業務停止になるまでの5年以内に以下の者が不正又は著しく不当な行為をした場合も含まれます。

宅建業者が未成年者である場合に、その法定代理人

宅建業者本人が法人である場合に,その役員又は政令で定める使用人

宅建業者本人が個人である場合に,政令で定める使用人

※要するに、支店長とか役員がやったら同じということ

第66条

免許の取り消し

国土交通大臣又は、都道府県知事は、以下のような場合には免許を取り消さなければなりません。

努力規定では無く、必ず取り消さなくてはいけません。

  • 免許取得後に、免許を受けられない事由に該当
  • 役員や政令で定める使用人等の関係者が、免許を受けられない事由に該当
  • 免許換えをしなければいけない事由に該当したのに、申請をしない
  • 免許を受けてから1年以内に開業しない 2019年出題有
  • 1年以上、継続して事業を休止した
  • 廃業の届出は無いが、破産・解散等の事実が判明
  • 不正な手段で免許を受けた
  • 業務停止処分の対象事由に該当し、情状が特に重い
  • 業務停止処分に違反した

 

第67条

免許取消の例外

免許取消は、第66条の場合には必ず行われます。

しかし、少し考えて保留したほうが良いケースは、「取り消すことが出来る」という例外にしておこうという事です。

【条文内容】

国土交通大臣又は都道府県知事は、下記の場合に、官報又は当該都道府県の公報でその事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該宅地建物取引業者から申出がないときは、当該宅地建物取引業者の免許を取り消すことができる。

宅地建物取引業者の事務所の所在地がわからない

免許を受けた宅地建物取引業者の所在がわからない

 

ポイント

取り消すことができる」という表現は例外のケースだと覚えておきましょう。

これ以外にも、いくつか例外規定があるが、過去問で出てきた時だけ覚えればOKです。

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第68条

取引士への処分等

2018年出題有

都道府県知事は、宅地建物取引士が以下に該当した時には、必要な指示をすることができます。

1.宅建業者に虚偽の専任表示を許した

2.他人に宅建士の名義を貸した

3.取引士として不正又は著しく不当な行為をした

ポイント

条文では、「自己が専任の宅地建物取引士として従事している事務所以外の事務所の専任の宅地建物取引士である旨の表示をすることを許したとき」といった表現をしています。

要するに、上記のように誰かに宅建士を名乗ることを許したら指示できるということ。

 

都道府県知事は、宅地建物取引士が以下に該当した時には、1年以内の期間を定めて、宅地建物取引士としてすべき事務を行うことを禁止することができます。

1.宅建業者に虚偽の専任表示を許した

2.他人に宅建士の名義を貸した

3.取引士として不正又は著しく不当な行為をした

4.都道府県知事の指示に従わない

 

ポイント

宅地建物取引士は、第六十八条第二項又は第四項の規定による禁止の処分を受けたときは、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなければならない。

 

都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が以下のどれかに該当する場合には、当該登録を消除しなければならない。

取引士の免許を受けられない事由に該当した(第18条の事由)

不正な手段で登録を受けた

取引士として事務を行い、情状が特に重い

登録の削除は「しなければならない

 

第69条

聴聞の特例

2019年出題有

国土交通大臣又は都道府県知事は、何らかの監督処分をする場合には、聴聞を行わなくてはなりません。

聴聞の期日における審理は、公開により行わなければなりません。

 

補足

聴聞とは、公の場で事情を説明する機会を与える事です。

一方的に処分するのではなく、原則として本人の言い分を聞くという事。

但し、本人が聴聞に来ない場合や、本人がどこにいるのか分からない場合等は聴聞をしなくても処分できます。

 

第70条

監督処分の公告

国土交通大臣又は都道府県知事は、宅建業者に業務停止と免許取消の処分をした時には、その旨を公告しなければならない

監督処分が行われた際は、関係権者(免許権者含等)に通知又は報告をしなければなりません。

ポイント

指示処分は公告しなくて良い点に注意。

処分したことの連絡先が知事の場合は、「通知

処分したことの連絡先が国土交通大臣の場合は、「報告

第71条

指導等

2018年出題有

国土交通大臣は、すべての宅地建物取引業者に対して、宅地建物取引業の適正な運営を確保し、又は宅地建物取引業の健全な発達を図るため必要な指導、及び勧告をすることができる。

 

国土交通大臣は、この規定による処分をしようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければならない。

 

第72条

2019年出題有

立ち入り検査

宅地建物取引業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その業務について必要な報告を求め、又はその職員に事務所その他その業務を行なう場所に立ち入り帳簿書類その他業務に関係のある物件を検査させることができる。

 

ポイント

国土交通大臣は、宅地建物取引業を営むすべての者に対してできる。都道府県知事は、当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営む者に対してできる。

 

立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

内閣総理大臣は、あらかじめ国土交通大臣と協議をし、同条の立ち入り検査をさせることができる。

この立入検査を拒むと、50万円以下の罰金の対象となります。(同法83条1項6号)

 

第75条の2

事業者団体による研修

改正ポイント

事業者に対する条文なので、出題の可能性は低いと考えますが、近年改正された部分なので掲載しておきます。

法令、融資、インスペクション、瑕疵担保責任保険について、消費者に提供する重要性が高まり、事業者団体に研修をするよう努力規定が設けられました。

 

事業者団体は、体系的な研修を実施するように努めなければならないとされています。

元々、大手不動産会社では、コンプライアンス研修等が定期的に行われていますが、今後はこの規定に伴う研修も増えていくかもしれませんね。

 

第76条

免許消滅後の扱い

ここでは、免許の有効期限が切れた時、法人が合併により消滅した時、宅建業者が死亡した時、免許を取り消された時等のことを定めています。

 

このような事態になった時、それまでこの業者と取引をしていた人達が困る事になりますよね。

そこで、宅建業法では、一般承継人(権利を引き継いだ人)が代わりを務めなさいと言っています。

 

要するに、本条の事項に該当した宅建業者が締結した契約等について、取引完了(決済等)の範囲内において、なお当該宅建業者とみなされるのです。

 

例えば、死亡した場合には相続人が宅建業者とみなされますし、合併の場合なら吸収した宅建業者が立場を継承することで、取引相手を保護するという事です。

条文はわかりにくい表現なので、要約だけにして割愛します。

 

まとめ|勉強のコツ

監督処分については、宅建業者への処分と、宅地建物取引士への処分を区別して覚えましょう。

覚えると言うよりは、理屈で考えて答えが導き出せるようになる方が良い部分かもしれません。

宅建業者と取引士の免許をもらえない事由については、もう一度復習しておくと良いと思います。

次回は、第八章 罰則です。

「宅地建物取引業法 第八章 独学用テキスト⑫」

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