宅地建物取引業法

宅地建物取引業法 独学教材④

この記事は、「宅地建物取引業法 独学教材③の続きです。

流し読み教材としてご利用ください。



4章 営業保証金

私達が、アパート等の賃貸物件を借りる時には、「敷金」がありますよね?

テナントの場合なら、「保証金」があります。

何も問題が無ければ、解約時に返還される予定のお金です。

 

不動産業を営む場合も、このような担保金のようなものが必要になるわけです。

この担保金は、営業保証金弁済業務保証金分担金のどちらかを選ぶことができます。

ポイント

簡単に言うと、供託所に一定のお金を預けるか、保証協会に加入するかを選べるということです。

保証協会とは、手持ち資金があまり多くない状態で開業をする人達が加盟する互助会のようなものだと考えれば良いと思います。

営業保証金に比べて保証金が安いのが特徴です。

主たる事務所が60万円、支店一カ所につき30万円なので、最初はここからスタートする人も多いです。

第25~28条

2018年出題有

営業保証金の供託等

営業保証金の供託は、主たる事務所の最寄りの供託所ですることができます。

供託所とは、主に近くの法務局のことです。

事務所増設のときも主たる事務所の最寄りの供託所に供託することになります。

 

支店の近くではなくて、本店の近くの法務局ってことです。

供託する金額は、主たる事務所の場合1,000万円です。

その他の事務所は、一か所につき500万円と決められています。

 

ここで、全体の流れを理解しておきましょう。

以下、矢印で書いていきますね。

頭の中で手続きを想像して、記憶に残してみてください。

免許取得

保証金の供託

供託書正本交付(受領書)⇒

免許権者へ供託書の正本を添付して届出

業務開始

免許を受けた日から、3ヶ月以内に保証金の供託をしたという届出をしないと、免許権者(国土交通大臣又は都道府県知事)は、催告をしなければならないことになっています。

 

催告というのは「早く出しなさい」と催促するようなものです。

この催告が到達した日から1ヶ月以内に「営業保証金を供託しました」という届出をしなかった場合は、免許取消処分の対象となります。

お金のことには厳しいですね。

 

供託の方法は、金銭の他に、有価証券でも可能です。

但し、営業保証金に充てることができる有価証券は、「国債証券、地方債証券その他国土交通省令で定める有価証券」に限られます。

ですから、「一般の株式は充てることができない」と覚えておいてください。

また、金銭と有価証券を併用する方法でもOKです。

 

供託金からの弁済

宅建業者と取引をした一般人(宅建業者ではない人)は、取引上で発生した債権を、宅建業者が預けた供託金の中から弁済してもらうことができます。

宅建業者が手付金を持って消えてしまった場合等を想像すると分かり易いと思います。

 

営業保証金の還付は、その宅建業者が供託している全部(全店舗分)の営業保証金が対象になります。

還付限度額は、本店+支店数の営業保証金合計額ということです。

 

債権の弁済として還付を受けられるのは、宅建業に関する取引に関する場合だけです。

銀行の融資債権・広告代理店の広告債権・内装業者の内装工事代金債権は、当該取引上の債権とはいえず、還付請求はできません

ポイント

還付(供託金からの弁済)は、宅建業に関する取引で生じた債権であることが必要です。

 

ポイント

平成29年の改正で、保護する対象から宅建業者を除外し、宅地建物取引業者ではない人だけが対象になりました。

宅建業者は専門知識があるのですから、自分で危機管理ができるはず、という事ですね。

 

話を戻しますが、誰かが弁済金から還付を受け取ると、供託金が減りますよね?

供託金が減った時は、宅建業者は2週間以内に不足分を供託しなければいけません。

追加の供託が完了したら、供託書の写しを添付して2週間以内に免許権者に届出をしないといけない事になっています。

 

2週間以内に不足額の供託をしなかった場合は、業務停止処分免許取消処分の対象となります。

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第29条

営業保証金の保管替え

本店を移転すると、最寄りの供託所が変わってしまいます。

主たる事務所を移転したときは、保管替えという手続きが必要です。

金銭のみで供託した場合なら、「遅滞なく、費用を予納して保管替えを請求」しなければならないと記されています。

保管替えにかかる費用を払って、早めに移してねってことです。

 

金銭以外の供託をしている場合は、遅滞なく、移転後の最寄りの供託所に新たに供託しなければなりません。

つまり、近くの供託所でやり直しです。

保管替えの請求は、金銭で供託している時しかできない事を覚えておきましょう。

 

第30条

営業保証金の取戻し

取戻し」というのは、営業保証金を返してもらうという意味。

基本的には、取り戻す理由が必要です。

そして、取戻し理由には、6カ月を下回らない期間、公告をしなければならない場合があります。

条文では、「6カ月を下らない期間」という表現になります。

供託金で債権を取り戻したいという人が困らないように、半年間と1日以上は公にしてくださいってことです。

 

以下の取戻し理由は、6カ月を下回らない期間だけ公告をし、その期間内に誰も供託金を使う申し出が無かった場合に取り戻すことができます。

  • 免許の効力が無くなった時
  • 免許が取り消された時
  • 事務所の数が減り、供託金に余剰分が出た時

※ 廃業・死亡・免許取消・供託余剰と覚えてもOKです。

そして、取戻しには、公告をしないで直ちに返してもらえる例外もあります。

それは、次のつに該当した場合です。

  1. 取戻し事由が発生した後、10年を経過したとき
  2. 保証協会に加入し、営業保証金の供託が不要になったとき
  3. 主たる事務所移転に際し、新たに営業保証金を供託し、移転前の営業保証金を取り戻すとき

1番は、公告をしなくても10年経過すればOKってこと。

3番は、要するに金銭ではない供託をしていた場合のこと。

新たに供託したことでいらなくなった供託金だから、すぐにもらえます。

このように、ここは理由を覚えた方が分かり易いかもしれませんね。

 

ポイント

  • 取戻し事由(廃業・死亡・免許取消等)がある場合に、原則として、取引の関係者に対して6ヶ月を下らない一定期間を定めて公告し、その期間に申出が無いときに取戻すことができる。
  • 営業保証金の取り戻しの公告に関する規定に準用されない場合は、直ちに取戻しをすることができる

 

まとめ

4章はこれで完了です。

後は、過去問で感覚を掴みましょう。

「宅地建物取引業法 第五章 独学教材⑤」

 

前回以前の内容を復習する場合は、こちらのリンクからどうぞ。

宅地建物取引業法 独学教材①

宅地建物取引業法 独学教材②

宅地建物取引業法 独学教材③

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