この記事は、ヒアリング手法Ⅰの続編です。
不動産営業の初心者や、ヒアリングが苦手な方は、参考にしてみてください。
家族構成を聞く
顧客とのファーストコンタクト時は、いつ相手がシャッターを下ろすか分かりません。
ですから、追客をする上で重要な情報から聞いていくのが理想です。
本来、一番に聞くべきことについては、「不動産営業が最初にヒアリングすべき事」を読んでください。
家族構成の聞き方には色々な方法があります。
私の場合、ご希望の間取りを聞いた流れでヒアリングするようにしていました。
ご希望の間取りを聞くと、「4LDKで」等と返事が返ってきますよね。
その流れから、「何名でお住まいのご予定ですか?」等と聞く感じです。
新しい家に住む人数を知ることで、想定できることは急増します。
子供がいることが判明すれば、年齢等をスムーズに聞けることもあるでしょう。
特定の学区で探す必要性等についても知ることができるチャンスに繋がります。
病人や老人がいる場合なら、病院までの利便性が重要かもしれません。
家族にとって大事なことは、家探しにとっても大事なことですから、家族構成を聞くことはヒアリングに欠かせない要素です。
普段から、どのような流れで何を聞くのかを意識しておきましょう。
初心者に多いミス
新人がヒアリングしている様子を聞いていると、真っ先にご希望価格を聞いている事があります。
「希望に合った物件を紹介しなければ!」という気持ちが先行しているのかもしれません。
単純に、聞きやすい情報でもあります。
しかし、ご希望価格を聞くのは、一番後でも良いくらいです。
何故なら、希望通りの価格で買えるとは限らないからです。
ファーストコンタクト時には、あまり必要のない質問であることに気付いていません。
例えば、4千万円の家が買いたいと希望していても、住宅ローンの借入可能額が不足すれば、願いは儚く消えます。
逆に、当初は3千万円までと決めていたのに、両親の援助などで高額物件を買う事になるケースもあるのです。
ご希望価格を聞く時間があるのなら、もっと大事なことを先に聞かなければいけません。
一つ一つの質問をする意味を深く考えなければ、せっかくのチャンスを逃すことになるのです。
限られた時間の中で、ハリウッドスターにインタビューするような気持ちで臨みましょう。
つまらない事を聞いている時間はありませんよね?
MUSTは何か
家探しの初期段階では、多くの人が相場を理解していません。
この為、希望価格では叶わないことを望んでいる傾向があります。
これは、別の買い物に例えるとわかりやすいです。
例えば、「100円でおいしいステーキが食べたい」と言う人がいたら、そんな店はあるわけがないと思いますよね。
でも、「あるわけがない」と判断できるのは、ステーキの相場を知っているからです。
相場を知らない人は、そんなものがあるように感じているということなのです。
ですから、家探しの初期段階の希望条件は、あまり重要ではありません。
正しい相場を教えるために必要な情報を聞き出すことが重要なのです。
営業が注意すべきなのは、そのお客様にとって最も必要な『MUST』が何かを見極めることです。
一見すると、絶対に捨てられないだろうと思うような条件でも、最後には覆ることがよくあります。
実際、私は、「日当たりは絶対に譲れない」と言っていた顧客が、最後には日当たりの悪い物件を買う事例を何度か経験しています。
ヒアリングのコツ
優先して聞くべきことをヒアリングしたら、MUSTが何かを見極めるための質問をしていくと良いと思います。
それが、ヒアリングを進めるコツだと思います。
ですから、お客様の口からご希望条件を聞いた時には、こう考えてみてください。
そして、少しでも疑問を感じたら、「何故、それを望むのか」を聞いていきましょう。
例えば、「日当たりが良い物件がいいです」と言われた場合なら、以下のような感じです。
このように、「日当たりが良い」という部分がどれだけ重要なのかを、具体的に確かめていきます。
この事例の場合、日当たりを希望する理由は、現状の不満からだと分かりました。
私は、この程度のニーズは容易に変化すると考えます。
日当たりを相殺するような魅力があれば、「今と同じだと思えばいいか」等と考えられる余地があるからです。
例えば、日当たりを少し我慢すれば、駅徒歩5分の物件が買える場合等です。
もし、希望理由が、「日当たりの良い家にしか住んだことが無い」とか、「日当たりの良い家に住むのが夢」といった理由ならどうでしょう。
これは、かなり強いニーズですよね?
本当に譲れないレベルである可能性が高いでしょう。
この辺りの見極めが後で大きな差になっていきますので、意識してヒアリングしましょう。
まとめ
ヒアリングについて、だいぶポイントが見えてきたのではないでしょうか。
引き続き、このヒアリング手法についての記事をチェックする方は、以下の記事をご覧ください。
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