宅地建物取引士の試験は、毎年20万人前後の人達が受験する人気国家資格です。
不動産系の仕事に関わる人が受ける資格だと思われがちですが、実は、全く不動産関係ではない人もたくさん受験しています。
この記事では、代表的な受験動機から、その人気の秘密を探ってみたいと思います。
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不動産知識の習得ニーズ
宅建を受ける人達の中には、単純に「不動産について詳しくなりたい」という自己啓発で受験をしている人もいます。
中には、「将来の住宅購入に備えて勉強する」という真面目な人もいるようです。
「受からなくても困らない」という気軽な感覚で勉強を始められる動機ですよね。
このような動機の人なら、受験料以外にお金をかけないという選択肢もあります。
私のサイトで無料テキストを利用している人達は、そんな人達なのかもしれません。(笑)
不動産投資をしている人や、収益物件を管理している人等の中にも自己啓発的な意識で受験している人達がいます。
このような動機での受験の共通点は、『リスク回避のため』の受験である点です。
仕事上で資格知識を使う目的の人達とは、少しモチベーションが異なる気がします。
のんびりと少しずつ勉強し、数年かけて合格を目指す人も多いのかもしれません。
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就職と資格手当
宅建の資格手当に魅力を感じて合格を目指す人は、たくさんいそうですよね。
不動産に関係する仕事に就いている人達が多いので、5問免除を利用する人の割合も高くなります。
別記事「宅建士の社会的評価と資格手当の相場状況」でも紹介していますが、宅建の資格手当は、他の国家資格に比べてハイリターンです。
これを獲得するためのモチベーションに加えて、5問免除まであるのですから、比較的合格率の高い動機を持つ人達に思えますよね。
就職先の業務内容が不動産に関連する場合には、「就職時に有利だから」という理由で受験する人もいるでしょう。
実際、金融関係やコンサルティング業務等でも、宅建の保有が優遇されることがあります。
「資格手当」と「就職活動」を目的とした受験は、宅建の人気の理由として相当な比率を占めていると思います。
合格率と動機
ここでは、合格率の高い『受験動機』について考えてみたいと思います。
宅建の合格率を調べてみると、女性の合格率が若干高い事が読み取れます。
これは、自己啓発系の受験者に女性が多いことが原因かもしれません。
単純に、女性の方が真面目に勉強する人が多いとか、資格手当に対する貪欲さが強い、といった可能性もありますが・・。
不動産の仕事は、まだまだ男性社会の傾向が強いです。(女性の割合が少ない)
ですから、業界外の女性達によって合格人数が押し上げられているように思うのです。
そう考えると、合格しやすい受験動機は、『自己啓発系の人』ということになってしまいますが。(笑)
実際に、周囲の合格者達に聞いてみて実感するのは、就職(転職)前に受験している人達の合格率が高いことです。
不動産業界に入ってから受検する人達は、働きながらの勉強が厳しいせいか、合格率が低かったです。
意外に思えるかもしれませんが、5問免除を使っても落ちている人が結構いて、毎年のように受験していました。
統計と言えるほどの人数ではありませんが、私が今までに聞いてきた人達の中では、そのような特徴があります。
そして、合格者の多くは独学で受験しており、しかも基準点を大きく上回っての合格を果たしている人が多いのです。
具体的には、37問以上の正解で合格をしている人が多かったです。
私もその一人になりますが、有料教材を使わず、ネットにあるテキストと過去問集だけで合格しています。
就職(転職)目的での受験をする人は、将来を考えた資格取得ですから、大学生等のような若い人の割合も高い傾向があります。
元々、何かに備えて早めに動くタイプなので、「就職してからとればいいや」という感覚の人達とは真剣さが違うのかもしれません。
学生の受験は、記憶力や勉強時間の面で社会人よりも優位な環境ですから、最も合格率の高い受験動機と言えるでしょう。
まとめ
自分の宅建受験を思い返すと、「転職したい」という気持ちや、「資格手当がほしい」というニーズも大きかったのですが、それ以上に決め手になる感情がありました。
それは、「来年は勉強したくない!」という感情です。
私は、勉強が嫌いなので、来年もまた同じ勉強をするのは、どうしても嫌でした。
苦労をするなら、一回だけで充分ですよね。
ですから、受験前には「また初めから勉強か・・」とウンザリしている自分を想像するようにしました。
そうすることで、「今頑張って、絶対に受かろう」という気持ちを奮い立たせていたのです。
それで少しでも多く頑張れるのなら、効果がある暗示だと思いませんか?
皆さんも、明確な受験動機と暗示手法を持つことを意識してみてください。
きっと、合格率が上がると思います。
意外に、教材の質や勉強時間よりも、合格率に直結する事なのではないでしょうか。