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親族間売買の「みなし贈与」と相続税の話

親族間売買とは、親と子の間など、親族同士で行う不動産取引のことです。

主に、相続対策として行われる為、一般の不動産仲介会社等では取引を依頼される機会が少ないです。

法律家等が10万円程度で契約書を作成することも多いようですが、これにはデメリットもあります。

今後は、コロナウイルスの影響によって、一般の不動産会社でも親族間売買への対応をするシーンが増える可能性があるかもしれません。

ある程度、税務の知識を持った上で契約書を作成することが望ましい仕事なので、ポイント等をご紹介しておきたいと思います。

 

みなし贈与

親族間売買では、売買価格の設定に注意が必要です。

安すぎる価格で売買をすると、一般的な相場との差額分について「贈与をした」とみなされてしまうのです。(みなし贈与

 

では、どうしたら贈与とみなされないで済むのか、という疑問が出てきますよね。

これについて明確な答えがあるわけではありませんが、一般的には、「路線価以上での取引をする」とか、「実勢価格の80%までに収める」といった対策が有効だと考えられています。

 

これ以下の価格で取引すると、贈与とみなされる可能性が高まるというわけです。

結局のところ、税務調査でひっかかるかどうかにかかっており、調査官がどこまで自信をもって追求できるかという問題になります。

 

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親族間売買を仲介業者に依頼するメリット

親族間売買の場合、不動産業者は購入者を探す必要がありません。

ですから、広告費もかかりませんし、トラブルの可能性も低いと考えることができます。

 

この為、実質的には役所での物件調査と、契約書類の作成、登記の手配等をするといった仕事内容になります。

通常の取引よりは楽に完結するので、仲介手数料は1%~1.5%で請け負うことが多いようです。(通常通りに3%でやる業者もいます)

 

法律家等に契約書だけ用意してもらえれば、10万円程度で契約をすることができるのですが、あえて仲介業者を介す人も多いです。

これには、いくつかの理由があります。

 

一つは、単純に「不動産のことは不動産屋に頼むしかない」と思い込んでいる場合です。

つまり、法律家に頼んで安く済ませるという発想自体がないケースです。

 

もう一つは、「きちんとした調査と、重要事項説明書の作成をして欲しい」というニーズがあるケースです。

金融機関等からの融資を受ける場合、融資の審査に重要事項説明書が必要になりますので、仲介業者に依頼する必要があるのです。

 

その他、仲介業者に依頼するメリットとしては、(個人間であれば)仲介手数料について売却コストに含めることができる事です。

どうせ相続税で払うなら好意にしている不動産業者に儲けさせてあげ、「譲渡所得税を削減しよう」と考える人もいるということですね。

 

不動産譲渡所得税は、5年以上の所有物件の場合で約20%もとられてしまうからです。(特例有)

仲介手数料を払った分だけ、相続税対象となる現金資産が減り、売却益も減少します。

 

相続税と所得税の削減効果と、日頃からお世話になっている不動産業者への感謝等を考える人は、仲介手数料を払う方法を選ぶというわけですね。

 

削減効果を確認してみよう!

例えば、仲介手数料が100万円で、相続税の想定税率が30%だとしましょう。

すると、100万円の内、30万円はそもそも税金で消える運命です。

 

更に、不動産の譲渡での利益が100万円減少することによって、20万円分の譲渡所得税が削減できることになります。

 

合計で約50万円の節税になるわけですから、実質的には50万円の持ち出しで仲介手数料を払ったのと同じ効果です。

 

つまり、3%(100万円)を支払ったとしても、実質的に現金が減るのは50万円だけということです。

 

このように、相続税と所得税を削減できる効果を考えると、1%程度で取引をしてくれるのであれば、仲介業者に依頼した方が良いと考える人もいるでしょう。

 

将来の相続税が40%を超える人の場合、たとえ仲介手数料を3%払っても、半額以下になる節税効果があると思います。

 

贈与税のチェックはしていない!?

税務署は、贈与税のチェックをどのように行っていると思いますか?

実は、税務署は、贈与税については基本的に監視活動をしていません。

 

しかし、巷では、「あとから贈与とみなされて追徴課税された」といった話を耳にしますよね。

税務署が贈与を発見する事もあるわけですから、これを説明しなければ、とても矛盾した話になってしまいます。

 

実は、税務署側には、彼等だけが使用できるKSKという独自システムがあります。

これは、税務署が持っているスーパーコンピューターのようなものだと思えばOKです。

 

このシステムでは、金融機関等に対して、通帳残高の照合等を依頼することもできるそうです。

ですから、お金の流れについては、全て遡って調査することができるわけですね。

 

とはいっても、全員の調査はしていれらませんから、相続が発生した時にだけ、「これは贈与ではないか?」という怪しげな部分を調べます。

追求し、調査までするには、かなりの自信がなければ無駄足になりますので、事前によく調べた上で訪問するわけです。

 

このような調査にかかった人が、「贈与税を追徴課税された」という経験をしたという事です。

ですから、一般的な取引に見える不動産売買については、特にチェックにかからない可能性が高いでしょう。

 

税務官が違和感を覚える取引とは?

税務調査官が「贈与ではないのか?」と感じる取引とは、どんな内容だと思いますか?

考えてみれば、税務官は不動産のプロではありませんし、書面と数字だけで判断をしていますから、そんなに監視力が高いわけではないのです。

 

まずは、「怪しい!」という部分を数字的見地から見つけるわけです。

その「怪しい!」と思われる部分とは、ズバリ「お金が動いていない取引」です。

 

不動産を売って資産が減ったのに、親側の預金額が増えていなかったら、誰でも「怪しい!」と思いますよね。

親族間取引の場合、実際にはお金のやり取りをせず、金利分だけを払っているという人もいるでしょう。

 

これが悪いとは言いませんが、支払いが終わっていない以上は、「目を付けられやすくなる」ということになります。

 

税務署側とすれば、金利を払っている以上は、売買契約に基づく支払いを履行中であると判断するしかありません。

しかし、その取引価格の正当性についてはすぐに明確にすることができます。

 

そこで、「この取引価格は適正か?」という視点で調査が入ることに繋がっていきます。

ですから、不動産鑑定士による時価評価での取引や、周辺の取引事例と近い価格であれば、まずお咎めはないと考えて良いでしょう。

 

しかし、自分達で勝手に安い価格を設定しているような場合は、ここで贈与認定されてしまうことになる可能性があるということですね。

 

親族間売買が有効なケース

親族間売買が有効かどうかは、税理士や専門家による検証を受けることを勧めします。

親族間売買でも、仲介手数料、登記費用、不動産譲渡所得税等が発生する事になりますので、2次相続、3次相続のことまで考えて計算をしてみないと損得の見極めができないケースがあります。

 

私が経験したケースでは、結果的に税理士が間違っていた事例もありました。

事前に税理士に確認したところ「親族間売買のメリットが見当たらない」と言われたのですが、緻密に計算した結果、2次相続までを考えると僅かに得であることが判明し、税理士もこれを認めたのです。

 

これは、税理士が悪いという話ではなく、それだけ判断が難しい事例があるという事なのです。

不動産は、相続で受け継げば所得税や仲介手数料がかかりませんから、1次相続までで考えれば「親族間売買は不要」という結論に達することになります。

 

しかし、2次相続までの相続税効果を考え、売却コスト等まで細かく計算していくと、事前に取引をして所有権を移しておく方が良いケースもあります。

特に、物件から収益が出ているようなケースでは、1次相続までのスパンで見ても親族間売買が有効な事例もあるのです。

 

まとめ

親族間売買を行う時には、税理士だけではなく、不動産の専門家やコンサル会社(FP)等にも相談してみると良いと思います。

特に、不動産会社は、「なんとか売買して得になる根拠はないか」と真剣に考えるはずです。

この記事でご紹介した注意点等を参考にしながら、計画的に実行していただければと思います。

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