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建売住宅とハウスメーカーの建物の違い

この記事では、建売住宅のグレードと注文住宅のグレードを比較し、具体的にどの部分がそんなに違うのかにフォーカスしてみたいと思います。

説明が難しいテーマなので、あまり具体的な事が言える人も少なく、釈然としない人も多い話題ですよね。

この記事でどこまでお伝え出来るか分かりませんが、私の業界経験から基本的な違いについてご紹介しておきます。

建売住宅と注文建築で迷っている方の助けになれば幸いです。

 

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基礎の違い

基礎工事は、どこのメーカーでも基本的には外注です。

ですから、「どこの基礎屋さんを使うか」という部分での違いでしかありません。

 

また、ハウスメーカーの場合、自社基準を独自に定めており、基礎屋さんに外注する際にも細かく施行規定を課しています。

 

例えば、基礎の「厚さ・高さ」であるとか、「硬度の基準」等について定めています。

基礎の種類(ベタ基礎・布基礎)についても各社で選択が異なります。

 

ハウスメーカーでは、より堅牢で安全性の高い品質を求める為、基礎工事の単価は高くなります。

その分、見た目にも頑丈ですし、建築基準法で定める基準を上回るような性能を持たせる傾向があります。

 

構造躯体の違い

建売住宅の場合、建物は木造で、ツーバイフォーか在来工法を採用する会社が多いです。

軽量鉄骨を使うメーカーは殆どありません。

 

ハウスメーカーも木材を使う会社は多いのですが、柱の直径等に自社基準があり、建築基準法の基準以上に頑丈な構造にしているケースが多いです。

ハウスメーカーの場合、軽量鉄骨による構造躯体を採用している会社もあります。

 

また、ハウスメーカーでは、雨に濡れない環境で製造する事をメリットとし、ある程度の工程までを工場で行う会社も増えています。

プレハブ型の住宅建設には、大型のクレーンが必要になりますので、工期が早い反面、コスト面ではロスもあります。

 

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外壁と屋根

外壁材には、色々なものがあります。

例えば、防火性能を持った外壁もありますし、断熱性能が高い外壁もあります。

材質についても様々なものが存在していて、耐用年数等に大きな違いがあります。

 

建売住宅で使用される部材は大半が量産品である為、安くてスタンダードな性能を持つ材質のものが多いです。

パソコンの仕様モデル等でも同じですが、高性能なハイスペックPCは値段が高いですよね。

 

でも、スタンダードなパソコンでも、充分にインターネットの閲覧等が楽しめるはずです。

高画質処理が必要なゲームをするとか、特別な作業をするような場合で無い限り、特に不便することもないでしょう。

 

建売住宅と注文住宅の違いも、これと似たようなものだと思ってください。

高価な材料を使用すれば、見た目、断熱性、耐久性等の面で優れてくるので、そこが最大の違いとなります。

 

コーキング材

サイディングと呼ばれる外壁材を使用する住宅の場合、ボードの継ぎ目にコーキング材と呼ばれる硬質ゴムのような素材を埋め込んで防水しています。

 

この点に触れる人は少なく、あまり気付いている人がいないようですが、コーキング材にも違いがあります。

 

大手ハウスメーカーでは、自社で独自のコーキング材を開発しており、廉価品に比べて寿命が長く、丈夫なものを使用しています。

 

コーキング材は、15年程度で打ち直しをした方が良いとされています。

しかし、大手ハウスメーカーのコーキング材は、実際にはもっと長く機能する耐久性があります。

 

車のオイル交換でも、オイルの品質を選ぶことができますよね?

良いオイルは性能が高く、温度変化にも強いです。

これと同じように、コーキング材にも高品質のものが存在しているという事なのです。

 

建具と設備

建具と設備も、お金をかければ品質が良いものを使うことができます。

建具と設備の種類は膨大で、単価が高いものを使うと、あっという間に大きな金額差が生まれてきます。

 

建売住宅では、量産品を使用するので、クロスや床材等についてもスタンダードモデルとなります。

ハウスメーカーの場合、選べるクロスの数も多く、床材等の単価も高いです。

 

床材の違いとしては、ワックス効果と耐久性の高いものや、良質な木材の使用量等で価格が異なります。

 

住宅設備については、キッチンのガスコンロの性能や、お風呂の保温性能、換気システム性能、サッシの断熱性能等が大きな違いとなる部分だと思います。

 

断熱性能の違い

最近の日本の気候は、夏は猛暑となることが多いですよね。

冬についても、記録的な大雪が目立つようになっています。

以前よりも、寒暖差が激しい時期が増えたようにも感じます。

 

建売住宅とハウスメーカーの建物で、最も大きな違いが何かと聞かれたら、この断熱性能の部分かもしれません。

 

建売住宅でも、一部のメーカーでは長期優良住宅の認定を受けているケースはありますが、大手ハウスメーカーの断熱性能は、それ以上のレベルに到達していることが多いです。

 

断熱材の材質と厚さが全く違いますし、外壁材の厚さ等にも違いがあります。

意外と知られていませんが、断熱効果で最も大きな差がでるのは、サッシ性能です。

 

サッシのグレードが高いと、断熱効果にかなり違いが出ます。

サッシ1枚当たり数万円の違いが出てきますが、素人目には同じように見えるので、建売住宅にはあまりグレードの高いサッシは使用されません。

 

まとめ

こうして、一つ一つの違いを積み重ねていくと、全体で大きなコスト差が生まれます。

誰でもお金があれば良い住宅に住みたいと考えますが、この金額差があまりにも大きいので、「スタンダードなグレードで我慢しよう」ということになるわけです。

 

建売住宅の一般的な建物部分の価格は、1300~1500万円程度であることが多いです。

これに対し、大手ハウスメーカーの建物価格は、2000~3000万円が普通です。

こだわりの設計や、高額建材の使用が多い場合は、もっと高額になります。

 

ハウスメーカーの家を購入した人達は、高額な購入負担をしている為、「建売とは全然違う」と言いたくなる気持ちも強くなるでしょう。

このような人達の中には、「建売なんてダメ」等という言い方をする人もいるかもしれません。

 

確かに、性能差はありますが、両方を公平に見た時、「建売がダメ」という表現は行き過ぎだと思います。

建売住宅の持つ性能レベルでも、建築基準法に違反しているわけではありませんし、充分に生活ができる建物です。

 

要するに、資金的事情と、グレードへの嗜好の問題ですね。

建売住宅は、量産品を多く使うことによって、通常では手に入らない単価で造ることができます。

量産品の品質で不満が出ない人は、かなりお得な建物価格であることは間違いありません。

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