就職前に大手企業の社風を知る手段は限られています。
TVで取り上げられるとか、既に勤めている人に尋ねることができない限り、あまり詳しい部分は分かりませんよね。
この記事では、求人情報から事前に社風を掴むためのコツをご紹介したいと思います。
企業情報から社風を掴む方法
企業情報から会社の内情や社風を感じ取る方法があったら、活用しない手はありませんよね。
以下、上場企業の場合と、非上場企業の場合に分けてご紹介していきます。
スポンサーリンク
上場企業の場合
まず、転職・求人サイトの企業情報で目当ての企業を見つけ、その会社のHPを表示してみましょう。
上場企業の場合なら、IR情報(株式についての公開情報)を探してください。
その中に、有価証券報告書(一年の業績等をまとめた通期のもの)があるはずです。
企業HPによっては、サイト内検索機能が付いていますので、検索すると素早く発見できます。
有価証券報告書を見つけたら、前年度分のリンクを開いてみてください。
多くの場合、PDFファイルで閲覧できる形式になっていると思います。
有価証券報告書のPDFファイルを開くと、【従業員の情報】又はそれに類似する項目があります。
【従業員の情報】の中には、その企業の従業員数・平均年齢・平均勤続年数・平均年収が記載されています。
これらは、転職・求人サイトには載っていない貴重な企業情報であり、様々なことを読み取ることができます。
上場企業は、HP上で多くの情報が公開されていますので、分析できることもたくさんあります。
非上場企業の場合
対象の企業が上場していない場合は、会社概要から沿革や理念、従業員数等の情報を収集しましょう。
非上場企業の場合、特によく見ておきたいのが沿革についてです。
成長過程において、支店が少しずつ拡大しているような会社が理想ですが、稀に不可解な沿革を持つ会社があります。
過去に不動産と関係の遠い事業に手を出していたり、あちこち事務所を移転・閉鎖させているような形跡がある会社は要注意です。
ワンマン社長の思いつきで社員が振り回されている会社や、すぐに方針が変わってしまうという社風が見えてくることがあるからです。
理念は会社の指針となる考え方で、入社すればその理念に従って動くわけですから、会社理念が共感できる内容であるかも重要です。
IR情報から社風を読みとる
有価証券報告書に記載されている【従業員の情報】欄からは、その企業の従業員数・平均年齢・平均勤続年数・平均年収を知ることが出来ます。
このデータは、同業他社(ライバル会社等)も数社調べてみると理解が深まります。
同業他社と比較することで、違いが見えて来るからです。
次は、集めた情報から何を読み取るかについてです。
まずは、平均年齢と平均勤続年数に目を向けてください。
社内の年齢層が高い会社なら、ベテラン揃いの体制である可能性等が見えてきます。
このようなケースでは、年功序列的な社風であることが読み取れます。
一つの情報だけではなく、複数の情報を組み合わせて考察することで、その企業の社風が掴めることがあります。
パターン別にもう少し深く推察していきますので、どのパターンに近いか検証してみてください。
スポンサーリンク
平均年齢が高く、平均勤続年数が同業他社より短い
このパターンは、「ベテランが多いのに結構人が辞める」ということを示しています。
不動産業界でこの理由を考えると、中途採用で即戦力を求めた雇用をする傾向がありそうです。
入社後に活躍できない場合は、その会社に留まりにくくなるような管理体制が敷かれている可能性が高いという事です。
勿論、平均的な活躍ができれば問題ないはずですが、ハードルの高い目標値が定められている実力主義の可能性があります。
また、経験者の多い体制の場合、多少の活躍をしても「その程度はできるのが当たり前」という社風になりやすいと思います。
この為、教えてくれる(分からない事を聞ける)人が少ない傾向もあると思います。
自分の力で調べて成長していける人達の集まりなので、ある意味では自分も確実にステップアップできる環境とも言えます。
しかし、個人差により向き不向きが強くなる環境なので、注意が必要でしょう。
平均年齢が高く、平均勤続年数が同業他社より長い
このパターンは、歩合制が多い不動産業界ではあまり見られない形だと思います。
若い頃に入社した人材がベテランへと成長し、愛社精神を持って働いているということです。
良好な環境であることが伺えますが、既存の仲間意識や人間関係も濃い可能性が高いでしょう。
会社側は新卒採用によって長期的な営業力の形成を考え始めていますが、既存社員達にとっては、新人は仕事の邪魔になる存在でもあります。
既存社員との年齢・レベル差が大きい為、かわいがってくれる先輩を見つけられるキャラクターが重要になるかもしれません。
新参者に対して、どのような扉が開かれているのかが鍵になりそうですね。
平均年齢が低く、平均勤続年数が短い
このパターンは、「入れ替わりが激しく、条件的魅力を形成中」ということになります。
上場企業でこのパターンになる会社は、分社化等によって子会社にベテランを重役配属し、本体を若返らせるといった取り組みをしている可能性もあります。
若手が競い合う場で成長することができるかもしれません。
平均年齢が低く、平均勤続年数が長い
このパターンには、少し矛盾を感じますよね?
若手が多いのに、勤続年数が長い人が多いなんてあり得ない話です。
ですから、このケースは言い方を変える必要があります。
言い換えると、『他社に比べて平均年齢が低めな割には、勤続年数が長い人が多い』というパターンになるはずです。
イメージとしては、上司や重役にはかなりの年長者が座っていて、課長クラスでも50代といった感じでしょう。
営業等の前衛部隊だけが若手で構成されている形態です。
このケースでは、ジェネレーションギャップによる不満等が起きやすいと思います。
平均年収から推察できること
前項の推察で掴んだ社風に、平均年収の数値を加味して考えてみましょう。
平均年収からは、以下のような可能性が見えてきます。
他社比で平均年収が高い会社
・歩合率の条件が良い
・歩合率は普通でも、昇給率が良い
・賞与での歩合還元率が高い
・資格手当・家族手当等が高い
他社比で平均年収が低い会社
・歩合への期待が低い
・基本給が低め
・賞与での歩合還元率が低い
・資格手当・家族手当等が低い
これらを、更に求人サイトの年収例と比較して検証しましょう。
求人サイトでの記載情報が、一部のトップ営業によるものなのか、平均的な社員のものなのかが見えてくると思います。
関連記事「不動産営業で年収600万円は簡単?」
まとめ
企業情報をフル活用して、出来る限りのプロファイリングをすると、自分に合った会社に就職できる可能性が高まります。
気になる企業のHPやIR情報は徹底的に調べてみましょう。
そこから色々なことが見えてくるはずです。
今回ご紹介した視点も活用して、無駄な面接を受けずにベツトマッチを実現してくださいね!
参考記事
-
不動産営業の求人閲覧と面接のコツの記事集
就職・転職サイト等で不動産営業の求人を見る際のポイントや、各社の社風についてご紹介しています。 また、不動産営業の面接時に聞かれる質問、コツ等の記事を集めました。 不動産営業マンになりたい人は、当サイ ...