第二種電気工事士は、不動産と密接な関係を持つ資格の一つです。
意外に知られていませんが、住宅のコンセント工事や、換気扇の交換工事等には、第二種電気工事士の資格が必要です。
受験者数の多い人気資格ですので、その難易度について宅建と比較してご紹介します。
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資格の現状と難易度
リフォーム業者等から聞いた話では、実際の現場では、電気工事が資格を持たない人の手で行われている事も多いようです。
しかし、見つかれば処罰の対象になりますし、何より危険な行為です。
ですから、仕事で電気配線等を扱う人は、必ず取得しなければならない国家資格なのです。
宅建と第二種電気工事士の両方を独学で取得した経験から、難易度についてはかなり正確なお話ができると思います。
結論から言えば、宅建の方が遥かに覚えることが多いです。
つまり、第二種電気工事士の難易度のほうが低いということになりますが、それだけでは説明が足りない部分があります。
まずは、試験のポイントと、難しい個所について分かりやすくご紹介していきます。
試験科目と受験料
ご存知の方も多いと思いますが、念のため簡単に試験概要について触れておきます。
既に調べている人は、次章に進んでくださいね。
第二種電気工事士の受験料は、インターネットで申込めば9,300円です。
郵送での申込みをすると、9,600円かかります。
試験は、筆記試験と技能試験の二つに分かれています。
筆記試験は、マークシートによる四肢択一方式で、以下の科目から出題されます。
筆記試験に合格した人だけが、技能試験を受けることができます。
一度目の技能試験で不合格となった場合、次回の筆記試験が一度だけ免除されます。
技能試験に2回不合格になると、筆記試験からやり直しになるという事です。
但し、受験料は毎回かかりますので、ご注意ください。
試験は、全50問で、30問以上の正解で合格できるイメージで良いでしょう。
筆記試験の科目
筆記試験は、平成30年度の試験から、上期と下期の2回の受験チャンスが設けられ、1年に2回受ける事が出来るようになりました。
試験科目は以下の通りです。
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
- 電気工事の施工方法
- 一般用電気工作物の検査方法
- 配線図
- 一般用電気工作物の保安に関する法令
技術試験の科目
技能試験は、筆記試験の合格者だけが受験できます。
試験は、筆記試験とは別の日に実施されます。
試験科目は、以下の通りです。
- 電線の接続
- 配線工事
- 電気機器及び配線器具の設置
- 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
- コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
- 接地工事
- 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
- 一般用電気工作物の検査
- 一般用電気工作物の故障箇所の修理
注意事項
技能試験における材料の追加支給について以下の通りです。
端子ネジ、リングスリーブ及び差込形コネクタは、作業のやり直し等で不足が生じた場合に限り支給されます。
平成18年度以降は、その他の材料については、一切支給しないこととなっています。
第二種電気工事士の合格率
平成29年度の受験者数は約4万人で、そのうち合格したのは22,655人でした。
合格率55.6%と、かなり高めな国家資格であることがわかります。
平成30年度からは、6月上旬と10月上旬の2回の受験が可能になりました。
申込手続が多少複雑になっていますので、電気技術者試験センターのHPでよく確認しておきましょう。
筆記試験の合格率は、約60%です。
平成29年度は、61%でした。
平成29年度の技能試験の合格率は、71.3%でした。
筆記試験を通過すれば、7割の人が合格しているという事からも、『暗記よりも実技が得意』という人が多い資格であることが伺えます。
試験申込期間と試験日
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上期試験
上期筆記試験の申し込みは、3月中旬から4月上旬に受付されます。
インターネットと郵送の選択ができます。
技能試験は7月に実施され、上期筆記試験の合格者と、筆記試験免除者が受けられます。
それぞれ申し込み期間が分けられますので、ご注意ください。
電気技術者試験センターのHPで確認できます。
試験日
上期試験は、筆記試験が6月の第一日曜日に行われます。
技能試験は、7月の第四土曜日又はその翌日で、試験地によって異なります。
下期試験
下期筆記試験の申し込みは、6月中旬から7月上旬に受付されます。
インターネット又は郵送での選択ができます。
技能試験は、12月に実施され、上期筆記試験の合格者と、筆記試験免除者が受けられます。
試験日
下期試験は、筆記試験が10月の第一日曜日に行われます。
技能試験は、12月の第一又は第二土曜日です。
注意
インターネットでの申込は、申し込み最終日の17時までで締切りとなります。
郵送の場合は、最終日の消印まで有効です。
第二種電気工事士の資格手当
第二種電気工事士の資格手当は、会社によってかなり幅があります。
給与体系や、資格への考え方の違いから、5千円~7千円の会社が多いようです。
中には、「報奨金が出て終わり」という会社もあります。
資格の価値を重視している会社では、3万円を支給するケースもあるようですので、総合的に考えて判断すると良いでしょう。
第二種電気工事士の場合、資格手当よりも、仕事の内容や量を気にした方が良いと思います。
どのような給与体系で働くのかに注目した会社選びが大切です。
宅建との難易度の比較
宅建に当てはめると、勉強量は「宅地建物取引業法」の勉強量と同じくらいの感覚でした。
宅建で考えると、約20問分の勉強で筆記試験が合格できるようなイメージです。
第二種電気工事士の受験勉強は、宅建以上にテキストの選別が重要だと思います。
また、宅建には無い、技能試験への対策が必要な点も大きな違いです。
宅建の試験と、第二種電気工事士の筆記試験の暗記量を比べると、半分以下の労力と思って良いと思います。
価格で例えると分かり易いです。
宅建筆記試験が100円だとしたら、第二種電気工事士の筆記試験は45円位のお手頃な感覚です。
これに、技能試験をプラスすると、58円といった所ではないでしょうか。
宅建についてはコチラ
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独学の勉強法とコツ
第二種電気工事士の勉強時間の目安についてご紹介しておきます。
勉強時間としては、良いテキストを使い、毎日30分程度の勉強をしたとして、2カ月半位です。
もう少し頑張れる人なら2カ月以下でも十分ではないかと思います。
試験に出るポイントを効率よく覚えることがコツです。
個人的には、オーム社の本が良いと思います。
基本的には、過去問から繰り返し出題される試験ですから、ざっと覚えたらすぐに過去問に入って良いと思います。
過去問で間違えた箇所を、解説とテキストの復習をしながら覚えていく感じです。
技能試験の勉強は、主に複線図を書けるようになる事です。
複線図を正確に書けるようになったら、過去に出題された問題の組み立て時のポイントを学習します。
ゆっくりやって2カ月、集中すれば1週間でも合格可能レベルまで到達できます。
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技能試験について
技能試験の練習は、ホームセンター等で主要な材料を揃えて練習しても良いと思います。
有料講習等もありますので、面倒な人は受けてしまった方が早いかもしれません。
コツとしては、複線図を速く正確に書けるようにして、時間に余裕を持たせることです。
あとは、正確に図面の通りに完成させるだけです。
繋ぐ線を間違えない事と、リングスリーブのサイズに注意する癖をつけましょう。
まとめ
第二種電気工事士の受験については、一通り網羅できたのではないでしょうか。
宅建に比べ、かなり取得しやすい国家資格ですので、積極的に挑戦していくべきだと思います。
最後に、ポイントを整理しておきますね。
- わかりやすいテキストを選ぶ事
- 過去問を中心に学ぶ事
- 技能試験は複線図の強化からやる事
あとは、自分の設定したスケジュールに合わせて、ひたすら暗記と練習をしてください。