営業職をしていると、段々と顧客心理を忘れてしまう部分があります。
プロになることで、盲目になってしまう部分があるのです。
どんなに不動産の仕事が日常的になっても、大切な視点を忘れないようにしたいものですよね。
この記事では、不動産営業が見えなくなりやすい事柄についてご紹介します。
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消えてしまう3つの匂い
この業界に入ったばかりの頃は、色々な事が新鮮に感じられました。
今もその感覚を忘れずにいる部分もありますが、消えてしまったことに気付く部分もあります。
いつの間にか慣れてしまい、すっかり盲目になっている自分に気付いて驚くことが何度かありました。
例えるなら、化粧品店とか薬局等の臭気のようなものだと思います。
どちらの店も、独特の匂い漂っていますよね。
でも、しばらく店にいると、いつの間にか慣れてしまう事ってありませんか?
最初は強い匂いに感じるのに、店を出る頃にはそれほど気になりませんよね。
営業職もそんな感じで顧客の気持ちが分からなくなる事があるのです。
最初は強い匂いに感じていた事だけは覚えているのですが、どんな匂いだったかは曖昧になってしまうのです。
そんな、消えてしまいやすい3つの匂いについてご紹介していきたいと思います。
1.知識で消える視点
不動産のプロになると、「顧客の知識レベルに合わせる視点」を失いがちだと思います。
つまり、顧客がどれくらい「知らないのか」を推察する能力が低下します。
不動産業界には、私達が日常的に使う略語等がたくさんあります。
敷延(シキエン)、建確(けんかく)、物調(物調)、事前(じぜん)等、建築用語まで含めれば無数に存在します。
このような言葉は、最初に聞いた時には「へぇー」と思ったはずなのですが、使っているうちに標準語のようになってしまいます。
専門用語があまりにも自分の中に入り込んでしまうと、それを無意識に使うようになります。
例えば、ガラケーしか知らない相手に、LINEやfacebookの説明をしなくてはいけないとしましょう。
そんな相手に、いきなり「アプリ」とか「SNS」といった言葉を使ってしまうようなものです。
冷静に考えれば、まずはスマホの機能や使い方から話をしてあげるのが良いに決まっていますよね。
2.査定能力で消える視点
不動産のプロになると、物件の査定ポイントが瞬時に分かるようになります。
現場では確認が出来ない権利関係等は別ですが、一目見れば、その物件の価値を左右する部分が見抜けるという事です。
これに対して、一般の人が土地を見た時は、物件の雰囲気に偏った評価をします。
判定基準や知識が乏しい為、印象で判断せざるを得ない状況だからです。
だからこそ、私達営業が適切なアドバイスをする意味があるのですが、時と共に顧客が感じる物件の印象を掴めなくなっていく部分があるのです。
プロの視点が常識化してしまうと、目に映る物件の印象が「売れるか、売れないか」とか、相場的に「高いか安いか」等といった基準になってきます。
つまり、買う時の目線と、売る時の目線は違うということです。
そして、買う側の目線は、プロになる事によって忘れてしまう部分があるのです。
不思議に思うかもしれませんが、お金を出す側と、物を売ろうとする側の視点は違うものなのです。
野菜農家の人は、虫が喰う野菜は美味しいと教えてくれます。
でも、素人はつい見た目が綺麗な野菜を選んでしまいますよね。
プロは「美味い野菜か」を見ていて、素人は「綺麗な野菜か」を見ています。
視点が違うと結果が変わってきますよね。
プロになってからも、綺麗な野菜を探していた頃の心理を忘れてはいけないと思います。
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3.小さな不安を感じる視点
住宅購入をする顧客にとっては、多くの事が初めての経験です。
ですから、小さな事で不安に感じる部分が発生しても、別に不思議ではありませんよね。
ところが、私達営業マンは、気にする必要も無い事だと思う事柄が多くなっていきます。
つまり、多くの事が小さな事に感じるようになるのです。
顧客が不安に思う事への解決策や、心配しなくても良い事を知っているからです。
この為、丁寧な説明を省いて「それは気にしなくて大丈夫です」等と言うだけで次に進もうとしてしまうのです。
これは、本当に気を付けなければいけない事だと思います。
子供の頃、両親が喧嘩をすると、とても心苦しくなったものでした。
でも、大人達は、そんな子供の心の痛みを忘れて夫婦喧嘩をしてしまいます。
また、何気なく捨ててしまった物が、子供にとってはとても大切な事だってあるでしょう。
顧客に対しても、このような気持ちを忘れずに接しなければいけませんね。
思いやりが大事です。
まとめ
プロになる事は営業マンにとって必要不可欠なことですが、その代償として失う視点もあります。
仕事に慣れる事でプロになるのですが、最後まで慣れてはいけない部分もあるということですね。
私達は、その事をできるだけ意識して対応するしかありません。
漫然と対応するのではなく、自分を疑いながら顧客に接する気持ちが大切だと思います。