コロナウイルスへの対応策として、テレワークを実施する企業が増加しました。
これによって、パソコンと電話だけを使う環境に慣れる人も増えることになります。
人との直接的な接触を避けることが常識化し、動画やテレビ電話(ズーム等)を通じて連絡をする機会も増えています。
インターネットが普及した時もそうでしたが、初めて使う人が増えることによって、その後のマーケットが変わっていくものです。
そこで、ビジネス上における今後の「変化」について予測してみたいと思います。
動画利用の普及
新しい文化が芽生えると、それに伴って新しい商品が出てきます。
これによって、新しいビジネスも誕生するという事になります。
インターネット、携帯電話、電子マネー(電子決済)等、少しずつ利用者が増え、いつのまにか「誰もが使っている物」になっていきますよね。
今、テレワークや動画閲覧による情報入手が、これらと同じように「誰もが使う媒体」になろうとしています。
不動産業界においても、これによって変化する部分は必ず出てくるでしょう。
例えば、不動産賃貸の分野では、既に動画による内覧画像をアップする会社がたくさんあり、内覧をせずに契約できる環境が実現されています。
今後は、売買の分野においても、物件を動画で紹介する会社が増加するはずです。
更に、動画によって基本的な売買の流れ等をレクチャーするケースも増えるでしょう。
動画で有名になった営業マン等に問い合わせが集まれば、今までとは違う活躍形態になっていく可能性もあります。
また、あらゆる業種で、人が移動することを省略する動きが加速し、動画やWEB上で会議等を行うのがスタンダードになっていくと思います。
企業は、今後確実にテレワークを推進し、旅費交通費と無駄な残業等のコスト削減に取り組むようになります。
メールに動画を添付する
不動産営業の業務では、顧客に物件情報等を送る際、メールを希望されることがあります。
このような場面でも、物件の内覧をした様子を記録した動画を添付する会社も出てくると思います。
各店舗で動画ファイルを共有しておけば、いつでも簡単に送付することができますよね。
物件案内に来てもらうことだけを目指す時代から、「まずは動画で提供してほしい」というニーズを持つ人達への対応も考慮する時代になっていくのではないでしょうか。
文章では読んでもらえないような内容でも、動画ならば頭に入れてもらえる可能性があります。
楽しく学習できる動画を製作できる会社は、不動産業者に限らず成功しやすくなるはずです。
確率論として、動画解説による営業活動に取り組む企業は、そうでない企業よりも有利になるわけです。
「無いよりある方が良い」という原理から見ても、集客や成約の可能性が高まる動きでしょう。
自粛ムードだからこそできる事
ビジネスや勝負事において、『ピンチをチャンスに変える』という発想は、とても大事です。
コロナウイルスによる自粛は、多くの企業にとってマイナス効果となるものであり、明らかにピンチに見えます。
しかし、各自ができる事は必ずあるのです。
発想を変えれば、「室内での作業に集中するチャンス」という事にもなりますし、新しい取り組みに時間を費やすチャンスでもあります。
例えば、顧客の年齢層が比較的に高い業種等においては、今まで以上に「直接会う」という機会をいただく事が難しくなります。
また、訪問によってコロナウイルスへの感染をした等と思われれば、その後の関係は終わってしまう可能性があります。
そう考えると、顧客にアイパッドを渡して画面上の打ち合わせをするとか、パソコン上でのネットワークで接客を行うといった事が喜ばれるシーンが確実に増えます。
もっと言えば、そのような対応ができない企業は「配慮が足りない」とさえ言われるようになるかもしれないのです。
時代の変化に適応するには、このような変化を敏感に察知していく必要があります。
一歩先を行く企業であるためには、そんな視点が重要になってくるのではないでしょうか。
新サービスを考案しよう!
不動産の仕事の場合、土地の売主が高齢者であることが多いです。
不動産コンサルティングや土地の仕入業務をしている人は、地主さん等の家に行くことも多いです。
このような富裕層の高齢者は、万が一のことがあると、大きな相続問題が発生することも少なくありません。
ですから、私達営業マンによって感染が広がるなどということは、絶対にあってはならない事なのです。
そこで、不動産会社としては、一考を講じる必要が出てきます。
他の不動産会社に先んじて、以下のようなメッセージを出す必要があるでしょう。
- コロナ感染への配慮を感じさせる工夫
- WEB中心の接客に切り替え、設備対応する工夫
- 顧客に感謝される工夫
- 説明動画の質を高め、価値を生み出す
- いつでも相談できるメリットを理解させる工夫
常識は変わる
街を見渡すと、今までは失礼だった事が感謝される状況になっている事に気付きます。
コンビニ等を見ても分かる通り、レジに飛沫感染を防ぐためのビニール幕をしています。
おつりを出す際も、直接渡さずに、あえて受け皿に置いて差し出す等、配慮がされるようになりました。
ビニール幕の向こうから接客をするのは、本来なら有り得ない事ですよね。
顧客側にいる感染者から従業員を守るという意味もありますから、「顧客を感染者扱いするのか」等と感じられる可能性も考えたはずです。
この為、対応には勇断が必要だった事でしょう。
このような変化からも、平時には失礼になる行為が「安心」という形に変化していることが見て取れます。
変化するのがコンビニだけなはずはありませんから、あなたの在籍する業種でも何らかの変化が起きているということです。
顧客にWEB環境が無い事を想定し、企業側で準備(提供)する動きも増えていくでしょう。
このような対応力が求められる為、WEB媒体に強い人材の強化も不可欠です。
アフターコロナは世界的文化も変わる
中国では、数千年前からの食文化があり、大人数での食事が普通の事でした。
映画等でも、円卓を囲んで食事をするシーンをよく見ますよね。
中国では、このような食事の際、リーダー(ホスト)の立場にある人が自分の箸を使って取り分ける文化が強く根付いているそうです。
ホストが使った箸で取り分け、それを受け入れることが信頼の証という事にもなっており、この文化を変えるのは難しそうにも思える位の文化です。
しかし、コロナウイルス対策として、中国政府は『食卓の文明化』を推進し始め、広告などを打ち出して自国文化を改革しようとしています。
食用の動物についても、国がその種類を規制し、取り締まっていくようです。
今後、中国の子供達にとって、食卓で取り箸を使う事が常識となり、これまでの食文化は『昔の話』になっていくでしょう。
アフターコロナと呼ばれる、新型ウイルスの終焉後の世界では、様々な国で今までとは違う意識改革が起こり、世界的に大きな変化の波が発生しそうです。
プライベートでの交流も変わる?
WEBを通じて「飲み会」を行う人が出てきたり、動画を通じて共通の趣味を楽しむ行動が広がっています。
これは、アフターコロナになっても継続される可能性があり、今後はプライベートでもWEBを通じてコミュニケーションをとる機会が増えるのかもしれません。
帰宅する必要が無い『家飲み』のメリットを活かしたWEBパーティーは、今後も増えそうですよね。
特に、若者達の人付き合いに変化が起きる可能性が高く、私達の時代の人付き合い文化は古くなっていく可能性があります。
例えば、好きな女の子を食事に誘う時代から、「WEBデートしない?」といった形に変化するという事です。
その一方で、直接会って話すことへの価値も上がるとも感じます。
女性が男性に会う価値、顧客が営業マンと会う価値等、その人と直接会ってまで話す必要性を感じなければ、アポイントがもらえなくなるからです。
会わなくても解決できる手段が増えた時、人と会う必要性は低下するのです。
ですから、『会ってもらう』という事を追求して、そこだけを目指す戦略をとる人も出てくるでしょう。
時代は変化しますが、人がやらない方向を模索する事も重要だということです。
まとめ
今、それぞれがやらなければならない事は、第一に感染を止めることです。
その一方で、経済活動再開に備えて、良いスタートを切れるように準備する重要な期間でもあります。
それぞれのチャンスを活かして、最大の準備をしておきましょう。
果たして皆さんは、「早く通常に戻って欲しい」と言えるほどの準備が整っているでしょうか。
もしかすると、通常に戻ってからの方が大変な競争社会になるかもしれません。
考え方一つで物事の見方は一変します。
もしかしたら、実際には、次の時代に備える時間が足りないくらいの状況なのかもしれませんね。