この記事は、ヒアリング手法Ⅲの続編です。
不動産営業の初心者や、ヒアリングに苦手意識がある方は、参考にして実践に活かしてください。
今回は、少し契約に近づいた段階でのヒアリングテクニックについてご紹介していきます。
究極の選択でヒアリング
顧客が誤った判断をしないように誘導するのも、不動産営業の仕事の一つです。
簡単な言葉で説明するなら、「気付かせてあげる」という仕事です。
これは、矛盾する希望を持っているお客様に必要な工程になります。
例えば、「駅から近い物件」という希望があったとします。
そして、誰もが「安い物件が良い」という希望も持っています。
しかし、駅から近い物件は地価が高くなります。
予算が合えば良いのですが、大抵はそうはいきませんよね。
そんな時、営業は、「本当に必要な条件は何か」という事を考えさせる仕事をしなければいけません。
この例の場合なら、少し駅から離れた物件を検討する意味に気付かせる必要があります。
その上で駅近物件を選択するのであれば、正しい選択なのだと思えるからです。
不動産営業は、誰もがこのような比較検討をさせる技術を持っています。
分かり易く比較させる能力が求められるということです。
駅から近い物件は、以下のような特徴が発生しやすくなります。
・月々の支払額が高くなる
・日当たりが悪くなる
・騒音等が多くなる
・庭が無い、又は狭い
・間取りが小さい
駅から離れることで、これらとは逆の現象が起きてきます。
それを究極の選択として、「どちらがいいですか?」とう形で考えてもらうと良いでしょう。
これなら、初心者営業の人でも簡単にできるのではないでしょうか。
聞き取りのヒアリングとは少し違う手法ですが、多くの営業マンが使う方法ですので、冒頭で紹介しておきました。
家族の優先事項
最終的な希望条件を考える時、「家族の誰に合せるか」という問題があります。
一家の主に合わせるなら、毎日の通勤の事を考え、駅近物件を選ぶかもしれません。
また、ご主人がリラックスできる環境を優先するという選択もあります。
一方で、子供達の習い事や、学業の都合に合わせるケースもあります。
小学校の学区にこだわる探し方等がこれに当たります。
家族の誰を中心にするのかによって、ご希望条件はかなり変わってくるのです。
ということは、家探しの途中で「誰に合せるか」が変われば、対象物件も大きく変化するという事を意味します。
営業マンがこれを把握できないのは致命的です。
このような重要な問題を、お客様に真剣に考えさせるための質問をすることができれば、家探しが正しい方向へと進んでいきます。
以下のようなヒアリング事項をきっかけに、話を詰めていきましょう。
「ご主人の通勤の事は考えなくて良いですか?」
「小学校は6年間ですが、住むのは何十年です。本当に学区で探して良いですか?」
「ご両親の老後等、ご実家との距離は考えなくて大丈夫ですか?」
このような質問から、「そう言われてみれば、そうですよね」等という言葉がでれば、営業マンとしての役割を果たした証拠と言って良いと思います。
実際に、ここから家探しのコンセプトが変わる人もいます。
不安要素の調査
重要なヒアリング事項を終えた後の話ですが、もう少し踏み込んだ質問をしていきましょう。
お客様が購入前に感じる「不安」について、どうやったら解消できるかを知るための質問です。
顧客が契約に至るには、全ての不安を解消する必要があります。
つまり、購入に際してのリスクがゼロに近づく程、契約に踏み切りやすくなるのです。
住宅ローンの不安
一般的に、顧客が最も不安に感じる部分は、「月々の支払額」です。
「本当に最後まで払っていけるのか」という不安です。
ですから、住宅ローンについて何か不安な部分があれば、それは障壁になるということです。
「住宅ローンの事で、何か心配なことはありませんか?」等と聞いてみましょう。
仮に、「ありません」という回答だったとしても、ある程度の備えは必要な部分です。
銀行に算出させた支払想定額を見せる等、「これなら払っていけそうだ」という心理状態にしてあげることが重要です。
契約内容の不安
次に、顧客が不安なのは、「契約内容の理解不足」だと思います。
契約内容がきちんとしているか判断できない状態なのです。
「何か騙されていないか」といった不安感ですね。
これは、どのような場合に解約できるのかを説明し、売主の違反行為に対するペナルティの説明等をすることで解消できる場合もあります。
顧客には、一番の不安をどこに感じるか、直接聞いても良いと思います。
そして、私達仲介営業がいる意味を伝えて安心してもらえれば、最高の結果になります。
ヒアリングで差別化する方法
ヒアリング技術は、営業マンの成績に直結する重要なスキルです。
ですから、各自が独自の研究をしていく必要があります。
以下、もう少し実践的な内容で書いたヒアリングです。
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保護中: 不動産営業のコツ|差別化のためのヒアリング項目
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まとめ
今回のようなヒアリングができる段階になったら、いよいよ契約が近くなっている証拠です。
家探しが一気に躍進するタイミングかもしれませんね。
チャンスを逃さない為にも、今回のポイントはしっかり押さえておきましょう!
ヒアリングについて、最初から復習したい方は、「不動産営業が最初にヒアリングすべき事」から読んでみてください。