営業職は離職率が高い業種です。
不動産営業もまたその一つと言える仕事でしょう。
そこで、この記事では、不動産営業の離職率が高い理由について迫ってみたいと思います。
リサーチ不足による離職?
不動産営業をしていると、常に出会いと別れの繰り返しが続いていきます。
これからお話しするのは、社内での別れの事です。
実は、彼等の多くは、リサーチ不足によるショックで辞めていきます。
営業の転職というと、「入って3日で辞めた」なんて話をよく聞きますよね。
不動産業界にも、そうゆう辞め方をする人が本当にいます。
彼等を見ていて気の毒に思うのは、事前に不動産業界をリサーチしていない事が原因である点です。
彼等は、想像していた仕事内容との違いや、職場の雰囲気に必要以上に驚いてしまうようです。
瞬間的に「自分には無理だ!」等と悪い想像を膨らませてしまうようなのです。
例えば、あなたが目隠しをされ、誰かに車で連れ去られたとします。
到着した場所で目隠しを外すと、そこには誰だか知らない人が横たわっています。
そして、良く見ると、その人は体に酷い損傷を受けて死んでいるようです。
とても驚きますよね?
「自分も殺されるのでは・・?」と、パニックになるかもしれない位の状況です。
でも、事前にこう言われていたらどうでしょうか。
「目隠しをして、検死解剖の見学に連れて行くよ」
死体を見るのは抵抗があるかもしれませんが、逃げ出すこともパニックを起こすことも無いでしょう?
彼等は、これと似た心理状態になっているのではないかと思うのです。
さわりだけ見学して、「なんかすごく難しそうだ」とか、「自分には無理そうだ」等と動揺してしまうのではないでしょうか。
そして、タイミング悪く、ちょっとしたヘマをして怒られている営業マン等を目にしてしまったのかもしれません。
すると、「どうしよう・・やっぱりやめておこう!」と、何も始まってもいないのに逃げ出してしまうのです。
「仕事も難しそうだし、人間関係もやっぱり怖い!」というショックを起こす人がいるわけですね。
不動産会社の中には、最初の1週間だけは少しきつい仕事をさせるケース等もあると思います。
本当に長続きする人物かどうか、様子を見るためです。
物件確認の電話をたくさんさせることもあるでしょうし、掃除ばかりさせる場合もあるかもしれません。
事前に、出来るだけの情報を集めておくことで、このようなことでパニックを起こしにくくなるはずです。
リサーチしておくことは、仕事内容の予習にもなります。
不動産業界へのデビューを考えている人は、意識して情報を集めてみてください。
不動産業界のことをあまり知らない人は、『宅建JOBエージェント』
登録しておけば、無料で不動産会社の内情やノルマ等を教えてもらえます。
参考記事「小さな不動産屋への就職でも心配ない?」
願いが叶わないストレス
数週間から数か月が経過し、やっと慣れてきた頃に離職する人もいます。
彼等の離職理由はパニック等ではありません。
多くの場合、契約が上手くとれるようになるまでの期間が、自分の想像と違った事が原因のようです。
自分なら少し頑張れば必ず売れる気がしていたのですが、どうも上手く結果が出ないというわけです。
そして、それを会社や上司のせいにして辞めていくのです。
きっと、もっと簡単に稼げるようになると思っていたのでしょう。
多少の努力は覚悟していたけれど、「想像していたのと違った」という事だったのだと思います。
彼等には謙虚さが無く、自分の描いたイメージでやれば成功すると思っている人が多いように感じます。
だから、「自由にやらせてくれればもっとできるのに」等と不満を抱いていたりします。
営業は、色々な育て方があるでしょうし、色々な人がいて良いとも思います。
ですから、部下を持った際に「好きにやってごらん」と言ってみたことがあります。
しかし、好きにやらせて結果が出ないと、やはり辞めてしまうのです。
自信を失くしてしまったのか、無理だと思ったのかは分かりません。
どうしてあげればよかったのか、今でもかわいそうな事をしてしまったような気がしています。
私から見れば、「続けていれば、きっと出来るようになるのに」と思う才能があったからです。
才能があることを伝え、励ましてもいましたが、どんな励ましも嘘に聞こえてしまうようで、結局は辞めてしまいました。
石の上にも3年と言いますが、どんな人でも、せめて1年くらいは頑張ってみて欲しいです。
自分の成長と努力が結果になって出て来るには、それくらいかかる仕事だと思うからです。
実力者は辞めないのか
では、ある程度の実力がつけば、離職率が安定するのでしょうか。
実は、そうとも言えません。
ただし、実力者達の離職は、入社間もなく去っていく人達とは大きく事情が異なります。
それは、実力が付いた営業マンが離職する理由が、雇用条件や歩合が良い会社への移転である場合が多いからです。
トップクラスになれば、当然企業スカウトも来ます。
参考記事「不動産営業にスカウトが来る基準とは?」
どこで調べるのか、突然に電話がかかってきて、「あなたの活躍ぶりに興味を持っている企業がいるので、一度条件等を聞いてみませんか?」等という話が入ります。
このように、数年に渡って頑張ってきた営業マンでも、転職チャンスが多い業界と言えます。
普通の会社であれば、40歳を超えての転職は厳しいと言われます。
そして、実際に厳しい事でしょう。
しかし、不動産業界ではそれほど珍しい事ではありません。
専門職という事もあり、若さよりもその人の経験や実力に価値を見出す会社が多いようです。
40歳を超えて中途採用で入社してくるオジサンは結構います。
まとめ
最後に、一つ提案したいことがあります。
インターネット上には、不動産業界をそれほど知らない人が書いているのでは?と思う記事が結構あります。
業界を断片的にしか知らないのであれば、そのような書き方をすべきなのですが、自信満々に「やめたほうが良い」等と言い切る記事です。
リサーチを行う際には、十分な経験を積んでいて、出来る限り客観的な視点で書いている人の記事を参考にするべきだと思います。
不動産業界には大きな魅力があり、また欠点もあります。
自分の適性に照らし合わせて、出来る限りのリサーチをしておきましょう。
参考記事「一歩踏み込んだ不動産営業職の魅力と不満」