2022年6月現在、アメリカの住宅ローン金利が4~5%台まで上昇しています。
アメリカの不動産業者・銀行融資担当者のコメントによると、住宅購入を検討する人の数が約半分にまで低下しているそうです。
インフレ抑制のためとはいえ、急激な金利上昇は、低所得者や中間層の購買意欲を低下させているようです。
NYダウも景気後退を意識し始め、ウクライナ情勢も解決の糸口が見当たらない状況です。
日本の状況とアメリカの状況は少し異なりますが、住宅市場動や経済動向には関心を持っておくべきだと思います。
注意:全て現実的な話ですが、とても気分が落ちる内容ですので、ネガティブな情報を頭に入れたくない人は読まないでください。
日本の金利状況から懸念されること
このところ、日本の住宅ローンも僅かに上昇傾向にあります。
アメリカのように顧客が激減するような金利上昇ではありませんが、住宅購入者が増える要素ではありません。
ご存知の通り、世界的なインフレ状況下ですので、建物の建築価格や土地価格にも影響が出てきています。
それでも、日銀総裁は、ヨーロッパやアメリカが行っているような金利操作をしないと言っています。(現状維持)
日銀がこの方針を変えない限り、他国のような金利急上昇は起こらないと思われますが、日本は将来にそのツケを払わされる可能性があります。
今、金利を上げられない日本は、将来にとる対策が無いままで進むということと同義です。
もしも、世界各国の不景気に巻き込まれるような状況になった時、打つ手はないわけですね。
アメリカやヨーロッパは、今上げた分の金利を下げる対策がとれるのですが、日本はこれができません。
確かに、他国と状況は違うものの、次のショック時には他国より打撃が大きくなる可能性にも着眼しておきたいところです。
その時が来ても、日銀は「慎重に注視していく」等と言うだけで、相変わらず何も出来ないわけです。
これって、次の金融危機では、金利が下げられないことによって日本だけ事態が悪化するという事を意味していますよね。
先を見て決断しなければいけないわけですが、果たして政策実現率7割以下の総裁に判断を任せておいて良いのでしょうか・・。
住宅市場の動向
日本の場合、金利よりも建築資材や人件費のコスト増による建築コストの上昇の方が深刻です。
これは、住宅価格そのものを押し上げますので、土地仕入の加減にも影響してきます。
今後の住宅価格動向は、確実に上昇し、金利もやや高くなっていくでしょう。
そして、建売業者は、土地を安く買う方針をとるか、物件価格を値上げするかの2択に迫られます。
土地仕入では、他社と競い合って入札するので、自然と値段が高くなるのが常です。
高く買わなければ土地を売ってもらえないという事情があるので、どうしても無理をする業者が出てきます。
すると、採算がとれずに赤字になる現場が発生します。
当然、このような赤字事業が増加すれば、倒産する建築会社も出ます。
このような市場変化がどれくらいのスパンで起こるか予測するのは難しいですが、方向性としては間違いないと思います。
つまり、今後しばらくは、景気が良くなる要素はない状況・・・という事です。
人口の増減変化から見ても、住宅購入を考える人の数は確実に減少していくことになるでしょう。
不動産業界の希望はメタ?
不動産業界の希望として考えられるのは、メタバース等の世界で不動産のような特殊な権利が取引され始めることです。
既にサンドボックス等では取引が行われていますが、私がイメージしているのは、もっと実際の不動産に近い形態です。
現実に近い街並みや、住宅地等が形成される仮想世界で、スタンダードな地位を獲得するプラットフォームができれば、その世界の中に家や店舗を持ちたいと考える人が出てきます。
また、収益物件として利用者に貸す事だってできますので、現実世界の賃貸物件よりもリスクもコストもかからない運用ができるでしょう。
法整備さえ追い付けば、このような物件の情報に価値が生じます。
物件情報を管理する会社は現代の仲介業者の役割と何ら変わらないものになると思いませんか?
メタバース世界での経済が一定規模まで膨らみ、多くの人達がその世界の中で働くようになれば、世界的なマーケットに支えられる可能性もあるのです。
ですから、住宅メーカーや不動産会社は、メタバースの中で売れる商品を考え始めた方が良いかもしれませんね。
既に、ダイワハウス等の大手住宅メーカーでは、仮想現実を用いた住宅展示場を展開しています。
メタバースの中に家を買う人は、確実に出てくるでしょう。
仮想の家も、現実の家も、メタバースによって充実していけるので、必然的に生まれるビジネスだと思います。
実は、悪い事ばかりの日本
日本には、個人や法人が保有している預貯金(埋蔵金)が多く存在する国です。
物価上昇や不景気等で預貯金が崩されると、一時的にインフレに耐える力となります。
このような効果が生じる事によって、しばらくはそれほど景気後退しているように見えない時期もあるでしょう。
日銀は、このような状況を勘違いした解釈で捉えている可能性もありますね。
現在の原油高や資材高騰などは、既にオイルショックのような状況です。
近い将来、リーマンショックを超えるような超不景気が訪れる可能性を感じ始めており、株式市場の乱高下にもそんな心理が現れているように見えますね。
専門家の中には、日本は先進国とは言えない状況になると断言する人さえ出てきています。
それだけではなく、日本には災害リスクという敵もあります。
昨日、石川県で大きな地震がありましたが、これが南海トラフとも関連していると警鐘を鳴らす学者もいるようです。
南海トラフ地震や首都直下型地震の他、温暖化による水害増加や台風増加等も経済を圧迫する要因として大きなものです。
専門家の予測では2035年前後までに南海トラフ地震が発生するそうで、この地震では、数十メートル級の大津波が発生し、想像以上に多くの死者数が出る可能性があるそうです。
歴史的に見て、南海トラフと富士山の噴火も連動していますから、しばらく良いことが無さそうな国に思えてきます。
戦争の影響
悪い事を考えれば切りがありませんし、気分も重くなりますが、それでも漫然と待っているわけにもいきません。
何かしら準備できることはあるのですから、できる限り予測して立ち向かうしかないのです。
ウクライナでの戦争は、既に第三次世界大戦下にあるといって良い状況です。
アメリカやヨーロッパが武器を供与している時点で、小規模な世界戦争と言えるからです。
ロシアと中国のように、利害の一致する国同士が結託し、台湾進攻などを始めれば、第四次世界大戦の始まりにもなり得ます。
そうなれば、日本は拠点として狙われることになるでしょう。
世界大恐慌
今起こっている戦争は、世界大恐慌の始まりになる可能性もあります。
日本は自給率の低い国ですから、輸入規制や食料不足が深刻化すると、たちまち食糧難にもなり得ますよね。
また、過去の歴史から、国力が下がった貧しい状況では戦争が起こりやすくなります。
失うものが無くなった人々は、最終的に強いリーダーを求めます。
そして、「戦争で勝ち、我々の暮らしを楽にしてくれ!」というムードになるのです。
戦火の広がりや、株価暴落等によって、このような状態にいつ陥るか分からない、危うい時代にいると感じませんか?
国税で買われた証券の行方
政府は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に年金資産を運用させており、その資産総額は2021年時点で見ても199兆円にも達しています。
さらに、岸田首相は、GPIFの運用について、ベンチャー企業にも投資割合を拡大することに意欲的です。
更に、日銀(黒田総裁)は、上場投資信託(ETF)に多額の資金を投じ続けてきました。
2021年9月時点で、日銀は日本株の最大株主となっており、その株資産は簿価で36兆円にもなります。
これは、1日30億円ずつ売却しても、71年かかるという、途方もない投資金額ですが、どのように処分するつもりなのでしょうか。
最終的には、国民に分配するしかない・・という結末になる気がしてなりません。
そして、そんな株式資産を年金等の代わりに給付されたとしても、世界大戦や世界恐慌が起これば、その結末がどうなるかは容易に想像がつくでしょう。
また、戦争や大災害等が起きなかったとして、その膨大な金融資産は誰が買ってくれるのでしょうか・・・。
まとめ
数年後には、一早く状況を察知し、海外や安全な地域へ移住しなければならない時代がくるかもしれません。
その時、皆さんの経済を助けるのは、政府ではなく、おそらくメタバース世界でしょう。
メタバース内で経済活動ができる人は、生きる場所が問われないからです。
円やドルでの資産をいくら持っていても、戦争で貨幣価値が無くなれば意味がありません。
食糧難になれば、収益不動産よりも農地の方に価値が出る状況も考えられます。
今のうちにリモートで生きられる力をつけることが、最大の予防策となっていく気がするのは私だけでしょうか。