宅建の無料独学と営業のコツ

不動産営業のつくり方

ダイワハウスの不祥事を正しく理解するための記事

レオパレス21の不祥事に続き、住宅メーカーの不祥事が相次いでいますね。

このような事例がまた増えてしまうのは、とても残念でなりません。

特に、ダイワ(大和)ハウスについては、信頼の厚い会社だと認識している人も多いと思います。

また、ダイワハウス以外でも、TATERUの業務停止等、住宅関連企業による不祥事が立て続けに発表されています。

しかし、違反建築については、その原因がどのようなものであるかによって、その評価はかなり変わってきます。

今回は、これらの違反行為(不祥事)について営業側がどのように捉え、解釈していくかを考えるための記事にしたいと思います。

 

大和ハウスの違反建築

今回の違反建築問題は、4月の発表で明らかにされてはいました。

この時には、一戸建て住宅と賃貸共同住宅計約2,000棟が建築基準法に違反している可能性があるとのことでした。

 

その後、調査を進めていたダイワハウスは、最終的に違反物件の合計が3959棟に倍増したと発表しました。

主に、耐火性の不足や、基礎構造における仕様の不適合による違反です。

 

今回の不祥事は、内部通報により社内調査されたことで発覚しており、社員の倫理観に救われた格好です。

違反に該当した建築案件の内、73棟については耐火性確保の改修工事が必要とし、近々に工事を完了する努力をするとしています。

 

4月に発表した基礎構造での不適合は、29都府県で見つかっています。

愛知県で907棟、富山県で135棟、福井県で123棟です。

これが倍増したという事になりますので、かなりの棟数でミスが見過ごされていたことになります。

 

大和ハウスは、所有者や入居者が希望する場合は、仮住まいを用意した上で基礎構造の改修を行う方針を示しています。

レオパレス21の施工不良問題に続く不正で、住宅業界に対する不信感が広がることが懸念されています。

 

違反の詳細

建築基準法で定める型式適合認定を受けた仕様を、設計者が十分確認せず設計したのが原因だとされています。

本来の仕様とは異なる場所に柱が立っていた他、柱の形状が違うなどの事例もありました。

 

型式適合認定とは、標準的な使用で建設する住宅について、一定の基準を満たしていることを日本建築センター(一般財団法人)で評定し、国土交通大臣が認定するものです。

この認定を受けた場合、個々の建築確認や検査時の審査を簡略化できる制度です。

 

防火安全性に関する不適合

1つは、防火に関する違反です。

共同住宅の2階の廊下を支える柱について、型式適合認定を受けていた仕様とは違う部材で施工していました。

 

柱が不要となるL字型の受柱を使った設計をしていた為、認定を受けていた水準に比べ、防耐火処置が不十分であるおそれが出たというわけです。

 

これは、手抜き工事という類の違反ではなく、設計者が「認定外の設計をしてしまった」という設計上の手違いです。

現場は、設計の通りに建物を完成させるだけですから、式適合認定違反していることには気付くことができません。

 

むしろ、問題なのは、設計担当者の仕事をチェックする機能が無かったことです。

設計担当者一人に任せきりになる状態は、多くの住宅メーカーでも起きています。

 

それでいて、ミスが出たときには設計が責められるという構図は、あまりにもかわいそうですよね。

社内できちんとチェックしてくれる仕組みを作ることが大切です。

どこの建築会社も、設計や施工は人手不足ですから、AI等でチェックできる仕組みが進むことが期待されます。

 

独立基礎の不適合

もう1つの不適合箇所は、独立基礎の高さに関する違反でした。

大和ハウスの基礎は、基礎構造の一部に独立基礎を用いる事があります。

 

この独立基礎についても、ダイワハウスは式適合認定を受けています。

型式適合認定の認定内容では、独立基礎の高さは、620mmですが、これを725mmの高さの基礎で設計していました。

 

むしろ堅牢になっている面もあるのですが、「認定されている基礎とは違う」ということになりますので、違反になるわけです。

設計者としては、型式適合認定で認められた寸法だと思い込んでいたようです。

 

このような設計をしている基礎が複数確認されたというわけですが、こちらの違反も「認定したものとは違った」という事で、建物性能そのものに問題が出るようなものではないわけです。

ミスを擁護するつもりはありませんが、「違反建築」という言葉で一括りにするのは、少し違う気がします。

 

TATERUの違反

アパート等の企画・管理運営を業とする「TATERU」は、以前から投資用不動産向け融資を金融機関から引き出すため、顧客の預金データを改ざんしていたことが判明していました。

2019年68日、TATERUが融資資料を改ざんしていた問題について、国土交通省は宅地建物取引業法に基づき、業務停止命令を出す方針を固めました。

 

株式市場も、これを業績悪化を懸念させる悪材料として見ていることがうかがえます。

TATERUの株価は、前日比で22%安の急落を見せる場面がありました。

レオパレス21やスルガ銀行の不祥事によって不信感が募る中、追い打ちをかけるように発覚する不正の数々に、消費者心理は冷え込む一方ですね。

 

 

モラルと社風

不正問題については、企業の理念自体が腐敗している場合と、一部の支店や社員のモラルハザードによって起こっているケースの2種類があると感じます。

 

支店長や設計士等による単独ミスが一定の件数を発生させていた場合、このような人員を解雇するとか、確実な再発防止策を講じることで改善できます。

しかし、企業のトップから不正の指示が出されているようなケースでは、全店舗で違反が蔓延してしまいますよね。

 

一般消費者からすれば、どちらも「違反建築をした会社」というレッテルを貼るしかないのかもしれませんが、関係者目線で見れば、両者の違いはとても大きなものです。

 

営業マンも、消費者も、不正や違反の根本がどこにあるのかに着目し、冷静に見極めなければいけない部分があると思います。

どんな企業でも真面目に働いている人はいますし、その逆も然りという事だと思います。

問題なのは、「経営者側がそのどちらなのか」という事ではないかと思います。

 

不動産仲介営業の場合、ダイワハウスの物件を販売することは少ないですが、中古物件では取り扱う事があります。

顧客への説明については、正しい知識で真実を伝えるようにしたいですね。

 

 

まとめ

住宅業界の不祥事は、詳細な調査によって不正被害が拡大する傾向があります。

後日の発表で違反該当となる棟数が大幅に増加し、補償費用等も膨れ上がる傾向がありますよね。

 

大和ハウスのケースでも、内部通報から調査開始まで約1年半かかっており、判断が甘かったことも認めています。

不動産営業マンとしても、住宅建築について安易に「大丈夫です」とは言えない状況ですよね。

 

今後、営業マンは、今まで以上に顧客への対応や説明について考えなければなりません。

どう安心してもらえるのか、それを示せる営業マンであることが重要になるのではないでしょうか。

 

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