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台風による建築現場の被害と加害について

台風の直撃で被害が出た時、建築現場の足場が崩れていく映像等をよく目にしますよね。

強風で飛ばされた物体によって損害を受けた場合、誰がどのように責任を負うことになるのか、気になりませんか?

強い台風の際には、近所や隣地で工事している現場からの飛来物で建物に損傷を受けたら、誰が責任をとってくれるのかと不安になることも有ると思います。

この記事では、建築現場から台風被害が発生した際の賠償責任についてご紹介したいと思います。

 

台風被害を受けた時

台風の時には、強風によって建築現場の足場や資材等が倒れ、周辺の建物や車等に損害を与えることがあります。

こんな場合、その被害について建築会社に賠償してもらえるのか気になりますよね。

 

台風直撃の際、隣地に建築現場がある人等は、台風の影響が心配になる人もいるでしょう。

実は、台風被害を建築会社に賠償してもらうには、いくつかのハードルがあります

 

ポイントになるのは、現場の維持管理や台風への備えについて、建築会社に過失があったかどうかです。

建築主の安全管理に故意又は過失がなければ、お互いに自然災害の被害者という立場なので、公平に扱われます。

 

つまり、充分に注意していたのに起こった損害については、避けようがない自然災害ですから、枝等が飛んできて窓ガラスが割れたのと同じ扱いなのです。

このような場合には、ご自身が加入している火災保険等の補償対象となるかを確認するしかありません。

台風による被害が生じた時は、写真等で直後の様子を記録しておくと良いと思います。

 

 

台風前に出来る事

建築現場の管理は、周辺住人にはどうすることもできない事ですよね。

でも、事前に行動できることはあります

 

例えば、建築現場の状況が心配に見える場合は、台風が来る直前の様子を写真に撮っておくと良いです。

管理が不十分だったことを証明できなければ、賠償を求めることが難しいからです。

 

危険な台風の進路に入りそうな時は、建築現場に問題点が無いか確認しておきましょう。

現場の様子等を記録しておく際は、日付・時間・天候状況等も記入しておいてください。

 

このような事前対処は、トラブル解決の重要な記録になる可能性があります。

この際、気付いた事があれば、建築現場に表示されている連絡先に電話し、準備に問題がないかを確認しておくと尚良いです。

 

何か損害が生じた際には、忠告をしたのにも関わらず管理を怠った事になるので、過失が立証しやすくなる効果があります。

 

賠償の範囲と考え方

ここまでの話を整理すると、台風被害による損害は、基本的には皆が被害者であるというのが法律上の考え方だと思ってください。

ですから、基本的には誰かが賠償してくれるものではありません

 

しかし、所有物等の管理に問題があった事が原因だと過失責任が生じますので、損害賠償請求できる(又はされる)可能性があるという事なのです。

建築会社が過失を認め、きちんと賠償してくれる場合は良いのですが、そうでない場合は自己負担で修繕することになります。

 

どうしても納得ができない等、示談で解決できない案件については、訴訟による解決に進むしかありません。

相手に過失があったと認められなければ、満足のいく結果は得られない可能性が高いですから、事前の準備と対策が重要なのです。

 

建築現場のチェック方法

事前に、建築現場の問題点を見つけようと思っても、一般の人には何を見て良いか分らないですよね。

そこで、チェックポイントをご紹介しておきたいと思います。

 

台風の際には、風の抵抗を受けるものを取り除いておく必要があります。

まずは、強風で風の抵抗を受けそうなネットや、飛びそうな資材等が無いか確認しましょう。

足場がある現場は、特に固定状況とネット等の様子を確認します。

物件販売用の旗や、資材や道具の整頓状況等もチェックしておいてください。

 

建築現場が水浸しになると、建物完成後に木材から水分が蒸発し、結露やカビが発生しやすくなります。

最悪の場合、数年の間に木材が湿気で曲がって、隙間等が出てくることもあります。

 

この為、顧客の事を第一に考えている業者は、少しでも木材が水を吸わないように対策する必要を考えます。

この際、ビニールやシート等は風を受けやすいものですから、周辺住人としては心配の種でもありますよね。

 

コストと手間の都合から、完全な雨対策を行わない業者が多いのも実際のところです。

こんな業者は、周辺に損害を与えても誠意を持って対応するとは思えませんから、しっかりと事前にチェックしておくことが肝心です。

 

 

まとめ

多くの建築現場では、雨対策を現場の職人に任せています。

仮に、施工責任者が職人に注意を促していたとしても、当日に現場をチェックすることはできません。

実は、抱えている現場の数が多い程、現場の職人に託すしかない部分なのです。

 

実際、雨の日は現場に来ない職人さんが多いので、そのまま放置されている現場をよく見かけます。

雨対策を見て、ハウスメーカーを選別する基準にする人もいるくらいです。

 

お互いに事前の対策と準備を怠らずに、台風に備えるしかないですね。

水害・風害が以前よりも身近な災害になっていますので、火災保険の見直しをしておくのも対策の1つと言えそうですね。

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