どんな業界にも、『嫌な奴』っていますよね。
営業の世界にもそんな人達が存在しますが、彼等は意外に稼いでいたりします。
トップではないものの、そこそこの年収を実現しているケースも珍しくありません。
この記事では、何故そんなことが起きてしまうのか、その理由について迫ってみたいと思います。
悪い営業マン?
どんな業界の営業職でも、契約の可能性の高い顧客には「良い顔」をし、その他の客や同僚等には不愉快な態度を隠さない営業マンがいます。
私は、そんな連中のやり方が間違っている事を証明するためにも、自分の正しいと思うスタイルで努力し、トップになりました。
ですから、彼等のやり方がベストではないことは、ここで断言しておきます。
不動産業界の悪い所でもありますが、ベストではないやり方をしていても稼げてしまう理由があるのです。
どこまでお伝えできるか分かりませんが、その理由を説明してみたいと思います。
何故、稼げるのか
言い方は悪いですが、彼等は、社内でもふてぶてしく振る舞い、無駄な事をしたがりません。
掃除当番などの決められたルールも守らない傾向があります。
そして、新人教育等、自分の利にならない者への優しさも感じられません。
そんな態度の悪い人達でも、平均的な成績より少し上に位置している事が多い実態があるとしたら、意外に感じるのではないでしょうか。
不動産業界以外であっても、営業職という仕事では、結構そんな事が起きやすいと思います。
また、社風としてこのような営業タイプが多い会社が存在する事も理由の一つかもしれません。
類は友を呼ぶというやつで、社風の悪い会社には、感じの悪い営業マンが多いです。
このような会社で育った人は、会社が変わっても営業スタイルが変わらない傾向があると感じます。
選別眼と遠慮
売れる営業マンになるには、顧客を見極める選別眼も必要になります。
必要な事ではあるのですが、顧客を選別する際の態度には大きな差が出ます。
つまり、「お金」にならないお客に対しては、とことんドライな態度をする人達がいるのです。
これに対し、普通の営業マンは、顧客が捨てきれない事も多く、断り方も柔和な傾向があります。
しかし、両者を客観的に比較すると、仕事の効率が良くなっているのは前者です。
遠慮なく顧客を捨て、可能性の高い客だけに集中することで、効率が良くなっている面があります。
私が言いたいのは、それが良いという事では無く、結果的に有利に働くことが多くなってしまう事実があるという事です。
普通の営業マンにとっては、BAD営業をしないことによって、時間的な損をしている場合があるわけですね。
感じの悪い営業マンの多くは、「金にならない客を相手にする必要は無い」と考えます。
しかし、世の中は上手くできていて、お金にならなそうな客を装ってくる人もいます。
私は、そんな顧客から6千万円超の物件を購入してもらったことがありますので、長期的には誰にで親切に接している人が得をするのではないかと思います。
憎まれっ子世に憚る
いじめっ子と呼ばれるような子供達は、一定の数しかない遊具等を独占する強引さを持っていますよね。
それと同じで、普通の営業マンは、そんな連中にチャンスを奪われる機会が多くなります。
ですから、知恵を使って彼等の強引さを抑止しなければならない面もありました。
こんな書き方をすると、そんな悪い奴ばかりなのかと思われそうですが、そういった意味ではありません。
営業マンというのは、「他人に遠慮しているようではダメ」という風潮があり、皆が無理してガツガツするようにしている面もあるのです。
ですから、普段、同僚として仕事をしていく上で特に害はありません。
営業マンの大半は、遠慮なく契約に向かって突き進み、余計なものは捨てていく方法をとります。
ガツガツしていて、ゴジラ的な進み方を選ぶように仕込まれていくからです。
見ていて好感は持てないのですが、目的地には最短で向かっていく強さがあります。
街を壊さず、人を傷つけずに目的地に辿り着くヒーローになるには、相当の苦労が伴うということですね。
仕事量を変える行動
仮に、可能性の低い顧客から問い合わせがあったとします。
普通の営業マンなら、面倒だとは思っても問い合わせ物件くらいは提示します。
販売図面をコピーし、ちょっとした手紙等を添えると、20~30分の作業になるでしょう。
可能性を感じない問合せだとしても、会社として無視するわけにはいなかいと考えるのが普通の感覚ですよね。
ところが、BAD営業マンの場合、このような問い合わせを完全に無視します。
可能性を感じない事には、本当に何もしないのです。
上司にも「資料は送りました」等と嘘の報告をします。
顧客からのクレーム等があった時には、「大変混んでいる為、ご案内のお客様優先になっております」等と突っぱねて終わりです。
こうして、普通の営業との仕事量に差が生まれているわけです。
結果は出る
BAD営業マンだったとしても、自分が良いと思った相手には一生懸命に仕事をします。
ですから、顧客側からすれば「良い営業」なのです。
しかも、彼等は、無駄な仕事を省いた分だけ集中客にサービスを手厚くするので、契約率も高くなるわけです。
「効率」という言葉でかたずければ、このようなやり方を正しいとする会社が出てくるのも理解できるでしょう。
大手不動産会社の中にも、このような営業方針を持つ会社はあります。
どのようなプロセスで結果を出すかは、各営業マンの自由ですが、私は自分なりに「あるべき姿」を描いて仕事をしてきました。
損することもありましたし、よくダメ出しもされましたが、最後に掴んだ結果は誰よりも大きなものでした。
まとめ
本当に最悪の営業というのは、お客を騙して契約をするようなタイプです。
このような人達は、すぐにいなくなっていきますし、良い成績も出ません。
今回の話でいうBAD営業とは、お客様を騙しているわけではなく、自分に利益を与える相手にはきちんと仕事をする人達です。
単純に、スタイルの問題とも言えます。
ですから、担当された顧客の満足度は意外に高いです。
他の人達にどんな悪い態度をしていても、必要最低限できちんと対応している為、契約は獲れるのです。
そう考えると、彼等が何故稼げるのかが理解できるのではないでしょうか。
彼等をBADと呼んで良いのかは、個人の倫理観次第ということかもしれませんね。