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不動産営業のつくり方

不動産業務の習得時間を解説(建売販売篇)

この記事では、不動産売買の仲介営業職を目指す人に向け、仕事内容別の習得時間について解説します。

各工程のポイントも交えながら、一般的な習得時間や難易度についても触れていきます。

転職時のリサーチとして役立ててください。

仕事内容と工程

はじめに、不動産仲介営業職(売買)の仕事内容を、引き渡しまでの工程毎に分類しておきます。

主な工程は以下の通りです。

  1. 集客してヒアリング
  2. 資料提供
  3. 物件案内
  4. 住宅ローン審査
  5. 契約の流れを説明
  6. 購入意思の受諾
  7. 契約準備
  8. 契約
  9. 引渡し準備
  10. 引渡し

 

では、上記10項目について、習得に要するポイントと、所要時間を解説していきます。

 

1.ヒアリングを行う

担当案件が発生したら、まずは顧客にご希望条件等をヒアリングする事から始まります。

ヒアリングにはコツがありますから、初めから完璧に出来る人はいません。

ある意味では、誰でもすぐにできる工程ではありますが、マスターするのにはある程度の時間とセンスが必要になるといったイメージです。

 

上級者レベルに到達するには、実際の顧客を相手に経験を積む必要があります。

最低限必要なヒアリング事項等を習得するために要する時間としては、約1カ月程度と考えて良いと思います。

 

どこまで上達してもゴールが無い工程で、ヒアリングは、営業職である限り精進していく部分です。

ヒアリングがしっかりしている営業マンは、無駄な動きがなくなり、契約まで最短距離で仕事を進められるからです。

 

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2.資料を提供する

ヒアリングによってご希望条件を掴んだら、顧客に物件資料を提供し、物件の見学を促す仕事です。

電話等で、既に物件案内の約束をもらえていれば最高の形ですが、大半の顧客は資料の提供から本格的な追客が始まります。

 

そこで、各自で資料のまとめ方や、同封する手紙の書き方等を覚えることになります。

一度覚えてしまえば、後はそれを日々の営業活動の中で進化させるだけです。

最低限必要なレベルの習得にかかる所要時間は、1~2時間もあれば十分でしょう。

 

一つ注意点としては、資料を出す作業は本当に簡単な仕事内容ですが、「物件を選ぶセンス」は別問題です。

どの物件資料を出すのかによって、契約になるかどうかが決まる事もあるからです。

物件選別能力については、ヒアリングと同様に経験を積んで覚えていく部分になります。

 

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3.物件を案内する

顧客を現地に連れて行き、実際に物件を内覧してもらう仕事です。

案内自体は、道を覚えるだけで出来てしまいますが、ただ見せるだけでは契約はもらえません。

 

契約になるような案内ができるようになるまでの所要時間は、3~6カ月位のイメージで良いと思います。

ヒアリング能力を磨きつつ、物件案内の腕も上げて行く感じです。

但し、ベテランのレベルに到達するには、更なる経験が必要です。

 

単純な作業ではありますが、奥が深い部分もあり、この工程の中でどれだけのことを伝えられるかによって、クロージングでの負担が変わってきます。

一方で、あまり営業マンからの話が多すぎても顧客が飽きてしまいますし、感想等も掴みにくくなります。

バランスとタイミングが求められる工程なので、初心者と上級者の差が出やすいところです。

 

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4.住宅ローンの審査

顧客の承諾をもらえれば、事前に住宅ローンの審査をしておくようにします。

当然ながら、現金客の場合は必要ありません。

ローン知識や、手続き上の注意点などを覚えるのにかかる所要時間は、1週間程度あれば十分だと思います。

 

1週間に渡ってずっと勉強するという意味ではなく、必要になる情報を集めるのに1週間程度かかるだろうという事です。

きちんと教えてくれる上司等がいれば、数時間で大体のことは理解できるはずです。

 

覚えなければならない内容としては、以下のようなものがあります。

事前に予習して置ける人は、調べておくと良いです。

  • 事前審査の必要書類(銀行からもらう)
  • 事前審査に必要なもの(顧客に用意してもらう)
  • 住宅ローンの種類や金利の知識
  • 審査期間と手続きの流れ
  • 金消契約に必要なもの
  • 決済時の流れ

 

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5.契約までの流れ

どこかの場面で、顧客に対して、契約から引き渡しまでの流れを説明します。

必要な手続きや、銀行手続きで必要になる日数等も説明します。

 

一般的には、物件案内で具体的に検討できる物件が出てきた段階で行うことになります。

この工程を経ないまま契約をすると、「そんなの聞いていない」というトラブルの元になります。

 

全ての工程を経験したことがなければ説明できないので、新人営業マンは上司に頼るしかありません。

つまり、契約から引渡しまで経験するまでの期間が、この仕事を習得するまでの所要期間ということです。

一般的には、入社から半年前後ではないでしょうか。

 

6.クロージング業務

クロージングとは、顧客に購入意思を固めてもらう接客作業のことです。

この時に、契約の流れを説明することも多いです。

クロージングによって購入意思を固めたら、買付申込書をいただき、売主に対して正式申込をします。

 

この工程も、最初は上司に対応してもらうことになりますが、一度見れば覚えられる程度の仕事内容なので、心配はいりません。

売主にFAXで申込書を送付して、電話でやりとりするだけの事です。

 

個人差はありますが、クロージング作業については、通算で5件前後の契約をすれば、なんとなく出来るようになっているはずです。

センスも関係する部分ですが、習得に要する時間は半年から1年前後ではないでしょうか。

早い人なら、数か月程度の経験でも自分でしっかりクロージングできる人はいます。

 

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7.契約準備をする

契約準備とは、役所等で物件の調査を全て完了し、契約に必要な書類を作成する事です。

また、契約書に貼付する印紙等を用意する事もあります。

これも2回程度の契約経験があれば、問題なく対応可能な内容です。

 

物件調査は、1日で覚えられる内容です。

契約書類の作成についても1日で覚えられる内容です。

 

但し、特記事項等、記載事項のチェックをできるようになるには少し時間がかかります。

この部分については、半年から1年は必要だと思ってください。

 

2020年4月(民法法改正)以降は、契約書の作成について以前よりも難易度が高くなる部分があります。

法律の理解も含めて考えると、一人前になるまでには3年くらいかかるケースもあると思います。

 

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8.契約をする

契約の際には、宅地建物取引士重要事項の説明をし、続いて契約書の読み合わせをします。

重説については、一度ベテラン営業による説明の様子を見学させてもらうと良いでしょう。

宅地建物取引士の知識があれば、一度見ただけで出来る内容で、顧客からの質問が出なければ30分程度で終わることもあります。

 

契約書類については、書いてあることを読み上げるだけの事です。

その後も、売主と買主が記名押印して印紙を貼付するだけなので、何も難しいことはありません。

 

ですから、この工程については、習得にかかる所要時間は1日でOKです。

むしろ、契約が獲れるまでの期間のほうが時間を要する問題になります。

契約に要する時間は、顧客の質問量にもよりますが、普通は2時間程度で終わります。

 

9.引渡し準備

建売住宅は、契約の締結から約1~2か月以内に引渡しとなるケースが多いです。

この間、営業マンは、登記の手配住宅ローン契約司法書士の手配等を進めます。

大半が電話とFAXで終わる仕事なので、スケジュール管理さえできれば大丈夫です。

 

その他、印鑑証明等の必要書類を準備することがメイン業務です。

具体的なやり方は、依頼先に聞きながら進めれば、初めての人でも簡単に出来ます。

 

2回程度の契約を経れば、誰でも完全に覚えられるでしょう。

入社から半年後には経験しておきたい工程です。

 

10.引渡し(決済)

多くの場合、金融機関(銀行)に集まって行われます。

ここでは、伝票の記入や、銀行と顧客の間に入る調整役を務めます。

一度経験すれば、誰でもできる仕事内容で、私の場合は最初から一人で行かされました。

 

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売主は、自分の口座に入金された事を確認します。

買主から司法書士等へ支払う報酬も、この時に完了します。

 

不動産仲介手数料も、この際に受け取り、顧客に領収証を渡します。

銀行処理の間、待ち時間が長いので、この時間を使って大半の対応をします。

必要な習得時間は、半日程度です。

 

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まとめ

全体を把握してみると、契約から決済までの業務をどれだけ早い段階で経験できるかによる事が分かると思います。

入社から3カ月以内に全ての工程を経験できる場合もあるので、このような環境下なら1年後には一人前に働くことが可能だと思います。

覚えが早い人なら、10カ月程度で独り立ちできるかもしれません。

建売住宅販売の習得時間ですので、売却業務・中古物件等の売買等については考慮していません。

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