新人の頃は、この報告のアプローチが下手だった為、上司から余計な小言を聞かされることも多いものですよね。
報告のアプローチ次第でストレスは大幅に軽減されますので、報告スキルは営業職に必須ではないかと思うくらいです。
この記事では、私が、上司への報告に対する苦手意識を克服したプロセスと、その方法についてご紹介したいと思います。
ストレスの原因
営業当時、私が上司への報告で感じたストレスは、報告したい意図が正しく伝わらない事でした。
顧客の微妙な表情等から読み取った判断等は、上司には伝え難い部分ですよね。
報告を受ける側(上司)は、エビデンス(根拠)を求めますから、営業マンの主観的な感覚は無視されることが多いです。
つまり、「断言できない部分」を排除して報告すべき環境下に置かれているわけです。
例えば、訪問時の顧客の表情や言葉から、「まだ物件を見に来ない」と感じたとします。
そして、もう少し時間をかけなければ約束をもらえないと判断したとしましょう。
これを上司に報告すると、「なんで誘ってみないのか」等と言われる事があるのです。
この問いに、「なんとなくそう感じました」と説明しても、全く説得力がありませんよね。
私は、このような伝え難い部分の誤差は、ストレスの原因比重として高いと考えました。
誤差を埋める報告
営業をしていると、あまりグイグイいかないほうが良いと感じる事があります。
しかし、その感覚を上司に信じてもらうのは難しいでしょう。
上司からすれば、「やってもいないのに決めつけるな」等と考えるでしょう。
各営業マンの目測を疑う事も必要な立場ですから、当然の思考だと思います。
そこで、このような誤差を生まない報告方法を考えるようになりました。
基本的に、信頼できる上司の場合には、ありのままを伝えるように努めますが、そうでない場合には余計な報告はしない方が良い事が多いのです。
上司に嘘の報告をする人も見かけますが、私はオススメしません。
嘘をつくと、その嘘を覚えておかなくてはいけませんし、その嘘がバレないように話を繋げなければならなくなります。
その程度の事は簡単にできるという人も多いでしょうが、私はそんな事に頭を使うのは無駄なことだと思います。
ですから、嘘はつかずに最低限の報告をするというスタイルを確立していきました。
上司にも先回り
営業マンは、顧客心理を先回りして行動していくものですよね。
この考え方は、上司に対しても同じで、相手が何を聞き出したいと思っているのかを考えてみることが大切です。
『岡目八目』というやつで、他の営業の報告を聞いていると、上司が把握したいと思っているポイントが見えてきます。
管理職目線で考えると、上司達には、当月の店舗全体の契約数を把握したいというニーズがあります。
ですから、「今月の契約は何本になりそうか」を探る目的で、営業マンに報告をさせています。
上司達もまた、更に上席への報告があるという点に着眼すると良いのです。
つまり、報告すべきなのは、「契約の可能性が高い案件」で、それ以外の事には興味が低いと考えてOKです。
管理職側は、当月の契約本数が足りないと感じた時、それ以外の案件でなんとかさせようとします。
この状況になって、初めてそれ以外の案件に関心を示してくるので、それまでは適当に報告していても大丈夫なのです。
自分の中で当月の契約客を決め、その顧客の報告内容だけを考えていれば良いくらいです。
契約予定の報告
営業側としては、店単位での当月の契約予定本数を把握することが有効な上司対策になりますから、店の目標契約数を知り、それに届きそうな月であるかを察知しておくのもコツです。
店長クラスの立場からすれば、店の売り上げが予定に届きそうな月は、それほど情報収集をする素振りは見せないでしょう。
課長クラスの立場からすると、まずは課としてのノルマを意識します。
店長クラスの上司は、店の売り目標が未達になりそうな場合、どこかの課にその分を補填させようとします。
すると、どこかの課長に「あと1本なんとかしてよ」と指示が出て、末端の営業に影響が出てくるのです。
こんな身勝手な都合は気にしなくて良いですし、巻き込まれる必要もありません。
あなたに当月の契約予定があれば、その顧客に集中しましょう。
報告についても、集中客だけに絞るくらいで良いと割り切りましょう。
そして、報告の際にはプロセスよりも「契約までの距離」を伝える意識を持つと良いと思います。
上司は、あとどれくらいで制約に辿り着くかを知りたいのです。
例えば、「次の案内でクロージングできるはずです」等、契約時期と確実性が分かればそれで上司のヒアリング目的は達成され、それ以上の報告は不要になります。
1人の営業に何本も契約を求めるわけにもいかないので、基本的には1本報告できる案件があればOKです。
つまり、月に1本の契約ができるようになれば、報告は断然楽になり、ストレスも無くなるということです。
これは、最大のストレス対策です。
その為のノウハウは、全て記事にしてありますので、騙されたと思って目を通してみてください。
契約予定が無い
では、契約予定が無い時はどうすれば良いでしょうか。
店の契約数が足りないと考えた管理職は、次々にヒアリングを始めるでしょう。
なんとかできる顧客を持っている営業を見つけようとするのです。
営業がわざわざ2本目の契約を報告しない事は承知しているので、「隠し玉」の存在も探り始めます。
しかし、隠し玉があっても「可能性は低い」と思わせておくのが賢明です。
余計な期待をかけられるのは無駄なストレスになるからです。
本来であれば、あなた以外の誰かが達成しなければならなかった分の報告で苦労する必要はありませんよね?
ですから、プラスアルファの案件は、話が確実になった段階で表に出せば良いのです。
問題なのは、契約の当てが全く無い時です。
このような場合は、「どうしても来月になってしまう理由」を探しましょう。
つまり、管理職側が、「上席に対して同じように言い訳できる」報告をしてあげれば良いのです。
最も良いのは、「来月に2本契約できる」という理由です。
顧客の仕事のスケジュール等によって、来月に食い込んでしまうといった理由なら、誰もが上席に報告しやすいわけです。
課長としては、店長に報告する際に言いにくい理由は好みません。
支店長クラスも、重役や社長に対して報告し難い内容は嫌がります。
要するに、皆が怒られたくないのです。
それに気付いてあげることが、無駄な報告を少なくするコツなのです。
まとめ
上司への報告は、「必ずしも詳しくなくて良い」という事が理解していただけたのではないでしょうか。
下手に細かい説明をすると、「見落としているだけなのでは?」という目線で勘ぐられてしまう可能性も高くなります。
確実に取れる契約があれば、その報告に集中するだけでOKです。
契約が無い時には、上席に報告しやすい理由を付けてあげましょう。
上司もあなたも、お互いにストレスを軽減できる結果になるはずです。
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