私は、住宅ローン知識のお陰で、顧客の心を掴んだ経験が何度もあります。
不動産営業マンは、ある程度の住宅ローン知識を付けなければ、いつかチャンスを逃す時が来ます。
ですから、この記事で指摘する部分については、しっかり勉強しておくべきです。
勿体ない事に、不動産営業の中には住宅ローンの知識に疎い人が結構いて、説明等については上司等に任せてしまいます。
住宅ローンの説明は、顧客からの信頼感が強くなりますし、椅子に座ってゆっくりと話せるチャンスです。
住宅ローン知識を活かした営業手法も紹介しておきますので、顧客に説明できるだけの知識が無い人は、一日も早く住宅ローンについて学習してください。
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最初に覚える事
まず、真っ先に覚えておくべきなのは、各金融機関の商品特徴です。
良く使う金融機関は数行に限られていると思いますから、それほど手間はかかりません。
各行の担当者に電話して、「どのような案件が得意か」を聞いてください。
そして、審査基準やメリット等、「顧客にアピールできる部分」についても聞いてください。
この情報は、頭に叩き込んで、顧客の条件に合わせてアドバイスできるように備えておきましょう。
金融機関によってターゲットが微妙に異なる為、審査基準にも微妙な違いがあることが見えてくるはずです。
顧客に合った金融機関を紹介できる営業マンになることが、目指すべき第一段階です。
基本的知識を教わる
次に、年収と返済比率を使って、借入額の目安を計算できるようになりましょう。
これは、ネット等でも学習できますが、できれば銀行担当者から教えてもらう事をお勧めします。
私は、新人の頃、銀行担当者に頭を下げて教えてもらいました。
個別に時間をとってくれる行員もいて、熱意に応えてくれる人が多かったです。
行員に直接聞くメリットは、ネットには無い注意点や、裏話等も聞けることです。
この部分は、私も記事にできないので、それぞれでヒアリングしてください。(笑)
やってはいけない事
銀行業務の中には、やってはいけない事がたくさんあります。
金利計算の提示方法等にも、やってはいけない提示方法があります。
銀行に任せれば良いという感覚は捨てて、きちんと禁止事項を把握しておく事が大切です。
支払額の相違等は、顧客とのトラブルにもなりやすい部分ですから、アドバイスの方法については、行員に確認しておくと安心です。
また、銀行の諸規定は、法改正や金利変動等によって細かく変更されることがあります。
定期的に、注意点や変更点を確認しておきましょう。
ここでは、代表的な禁止事項だけご紹介しておきますね。
代筆の禁止
住宅ローンの申込用紙等に記入する文字は、本人が記入しなければなりません。
親切心等で、押印するだけの状態まで記入する行為は禁じられています。
発覚すると、後で大きなトラブルになり、信用を失う可能性がありますので、必ずご本人に記入してもらいましょう。
住宅ローンの試算表
不動産営業は、住宅ローンの支払額の目安をお教えすることがあります。
ローン電卓を使って、毎月の支払額を求めることができるからです。
この電卓を使って、支払額の推移等の表作成等をしてはいけません。
これも、後で大きなトラブルになり、損害賠償の対象となる可能性があります。
営業から提示するのは、検討の目安となる支払額だけに留めましょう。
注意点については、「不動産営業が気を付けるべき住宅ローンの落とし穴」でもご紹介しています。
審査の手順
住宅ローンの審査は、承認が得られる可能性が高い金融機関から行うのが基本です。
属性の高い顧客は問題ありませんが、審査が厳しい職種・年収等の場合は、慎重に行動しましょう。
手順を間違えると、借入が益々困難になる為、責任を問われる可能性があります。
また、申込人には、(新たな借入や転職等)審査時の条件と相違する行動をとらないように伝えておきましょう。
知識を活かした手法
最後に、私の必勝パターンをご紹介しておきますね。
住宅ローンの事前審査が終わっている顧客には、特に有効な提案手法です。
他社で事前審査をしている場合でも使えます。
住宅ローンには、ミックスという商品があり、これを用いた手法です。
ミックスは、複数の金利を組み合わせることができる住宅ローンです。
例えば、借入額の半分は35年固定にして、もう半分を変動金利で借りるといったことができます。
ミックスの説明をする
まず、この商品の存在や、説明をわかりやすく伝えます。
更に、設定によってかなり総支払額が変わることを教えます。
「これは、絶対に詳しく聞いておいた方が良い」と思ってもらえる伝え方をします。
座って話す機会を得る
私は、このミックスローン用に、検討用シートを作成してあります。
色々なパターンを見比べることができるようにしているので、家に持ち帰って検討するのに便利です。
住宅ローンの金利設定は、時間をかけて考えるべきですし、急に決めることができない内容です。
この事を伝えて、早めに検討用シートを持ち帰り、事前に考えておくことをお勧めします。
物件案内の帰りに、少し事務所に寄っていただき、何パターンかお出しして違いをお見せすると、お客様も真剣になってきます。
印象を残す
私は、住宅ローンアドバイザーの資格も持っています。
当然ながら、この事を伝えて、注意点等も含めた的確なアドバイスができるという印象を与えるようにしています。
そして、見せかけではなく、実際に的確なアドバイスをします。
お客様に「この人はローンに詳しい」と思ってもらえれば、他の営業と少し差が広がるからです。
物件は、どの営業でも紹介できますが、住宅ローン知識は私だけの強味になるということです。
まとめ
住宅ローンの基本的知識と、ミックスローンの情報は、強力な武器になることがあります。
私の感覚では、4,000万円前後の顧客に響きやすいアプローチです。
少し背伸びして住宅購入する人が多く、支払額にシビアな傾向があるからです。
住宅ローンアドバイザーの認定資格についても、数日テキストを流し読みする程度で合格できるレベルですので、取得しておくとプラス効果になると思います。
この記事に紹介した知識を既に持っている人なら、それほど勉強せずに合格できるはずです。