不動産営業は、顧客に住宅ローンを紹介する立場にあります。
その不動産営業が、住宅ローンの落とし穴を理解していないのは、顧客からすれば有り得ないことです。
高額な不動産物件を購入してもらうのに、注意事項も知らないなんて、とても不誠実なことですよね?
でも、実際に住宅ローン知識に乏しい営業マンはたくさん存在しています。
この記事は、顧客へのアドバイス時に心がけたい事項等について、再確認できるようにまとめてあります。
既に理解している人も、改めて気を引き締める機会にしていただければ幸いです。
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金利の重み
私は、顧客に対して、金利の重要性を伝えきれていない営業マンは多い気がしています。
金利1%の大きさを伝えるだけでも、顧客は真剣に住宅ローン商品を選ぶようになります。
ただ売れれば良いと言う感覚では無く、自分から買ってくれる顧客の支払額を少しでも減らしてあげたいという気持ちを持つべきです。
例えば、3,000万円で35年ローンを組むとします。
この時、設定金利を1%増やしたら、金利分の支払いがどれくらい増えるか把握できているでしょうか。
金利の増加分は、単純計算で約556万円も発生します。
金利だけで、ちょっとした高級車が買えてしまいます。
選択できる住宅ローンが複数ある場合には、少しでも金利が少なくなるようにアドバイスしたいと思いませんか?
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ローン電卓について
このような計算を簡単にできる、ローン電卓という計算機があります。
勿論、普通の計算機としても使えます。
これは、不動産営業の必須アイテムですので、持っていない人は殆どいないと思います。
もしも、まだ持っていない人がいたら、すぐに購入して勉強してください。
これから転職を予定している人は、事前に購入して備えておくと良いと思います。
メーカーによって表示レイアウトや、使い勝手が異なるので、よく選んで購入してください。
私が一番使いやすいと思うのは、CASIOのローン電卓でした。
他の営業等を見ていても、ベテラン勢は同型のものを使用している人が多いです。
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返済比率の考え方
住宅ローンの返済比率は、国のガイドラインに基づいて、消費者が安全に借入できるように設定されたものです。
つまり、「収入に対して、どれくらいの支払額にとどめておけば破綻しないか」という目線で設定されています。
不動産営業の中には、「返済比率に納まっていれば、安心ということです」等と得意気に説明している人がいます。
しかし、これは目安であって、絶対に安全なわけではありません。
事実、住宅ローンを払いきれずに売却する人はたくさんいるのです。
特に、若い夫婦の場合、買いたい物が今後もたくさん出てくる世代ですから、注意が必要です。
目先の契約をとりにいくのではなく、相手によっては、少し余裕を持った資金計画を提案すべきだと思います。
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住宅ローンの手続きと注意点に関する本音
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破綻を防ぐアドバイス
営業の立場からできることは、将来の破綻の可能性を親身に考え、アドバイスすることだけです。
例えば、返済比率ギリギリまで借入をし、尚且つ手持ち資金を使い切るような買い方をしようとする人がいたとしましょう。
その顧客に私達ができる事は、返済比率の本来の意味と、破綻した時にどれだけ損になるかを誠実に説明することです。
それでも買いたいと言う人に、私達は何も言える立場にありません。
全てのリスクを納得し、自己責任で購入するのですから、どんなに心配でも止めるのは余計なお世話になってしまいます。
手続上の落とし穴
営業担当者には、住宅ローン手続き上でのアドバイスについても、一定の責任が生じます。
私達は専門家なのですから、顧客が見落としがちな注意点について先回り的にアドバイスするのが仕事です。
それが、顧客を守る事になるのと同時に、自分の契約を守る事にも繋がっています。
見落としがちな所では、お客様の病歴があります。
三大疾病や、特殊な病気があると、団体信用生命保険に加入できません。
これ以上具体的な注意点を書いていくと長くなってしまうので、ここでは差し控えておきますね。
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不動産営業は住宅ローン知識で差別化せよ
スポンサーリンク 私は、住宅ローン知識のお陰で、顧客の心を掴んだ経験が何度もあります。 不動産営業マンは、ある程度の住宅ローン知識を付けなければ、いつかチャンスを逃す時が来ます。 ですから、この記事で ...
まとめ
住宅ローン業務において肝心なのは、誠実にリスクを伝え、正しい金利商品を選べる知識を与える事です。
顧客からすれば、毎月の支払いは、これからの生活に直結するところですよね。
不動産営業は、できる限り真剣な姿勢で向き合い、顧客に寄り添っていくべき部分ではないでしょうか。
私達営業が守ってあげられることもあるはずですから、意識して頑張りましょう!