不動産業界は、『クレーム産業』と言われる側面もあります。
予め、どのようなクレームが起きることを知ることで、そのようなトラブルを回避することに役立つはずです。
この記事を読んで、少しでも皆さんのクレーム対策になれば幸いです。
クレーム業界の訳
不動産営業にもたくさんの種類がありますが、中でもクレームが多いのは、住宅営業とリフォーム関連職です。
つまり、建築関連職ですね。
不動産営業の種類(分類)について知りたい方は、「不動産関係の営業職をわかりやすく解説してみた」を読んでください。
住宅営業(ハウスメーカー)にクレームが多いのは、彼等がいいかげんな仕事をしているからではありません。
仕事の性質上、どうしてもクレームがつきまとう事情があるのです。
住宅営業マンが、どんなにきちんとした仕事をしていても、外注した職人がミスを侵せば即クレームとなってしまいます。
つまり、建築やリフォームの仕事は、多くの人が関わって住宅を造る為、クレームが発生する可能性が高いわけです。
主なクレーム内容
図面と仕上がりの現況が違うとか、色や品番が違う等です。
その他、営業から聞いていた話と違う等の理由です。
住宅営業は、出来る限り先回りしては、このようなクレームの火消しをしています。
それでも、ボヤ程度の煙は出てしまうのが辛い所です。
経験を積んでいくと、クレームが発生するポイントが分かってきます。
また、関わる人の性格等も考慮するようになります。
「この人は忘れっぽいから、気を付けないと危険だな」と思ったら、定期的にチェックを入れる等の対応をするわけです。
また、厄介なのは、近隣からのクレームです。
「工事の音がうるさい」とか、「木くずで車が汚れる」とか、色々な苦情が入ります。
その度に、住宅営業は会社の顔として対応しなければなりません。
中には、理不尽な理由でクレームを入れてくる人もいます。
「TVの映りが悪くなった」とか、「基礎にヒビが入った」等と言ってくる人もいました。
このように、住宅営業はあらゆる局面で対応力の高さが求められます。
仲介業界のクレーム
仲介営業の場合、それほどクレームがありません。
賃貸の仲介営業の場合は、入居者トラブル等のクレームがあると思います。
建売住宅の販売のような売買の仲介営業マンの場合、既に建物が完成していることが多いこともあり、クレームはほとんどありません。
それに、自社が売主でない場合は、工事の手違いでのクレームは仲介業者に関係ないのです。(売主の対応する問題だから)
つまり、建物についてのトラブルは、未完成物件や中古物件等の場合に起きるということです。
これらは、件数的に取り扱いが少ない為、全体での数はそれほど多くありません。
私自身、不動産仲介営業をしていてクレームを受けた経験は一度もありません。
銀行や売主等に対してのクレームが私を経由することはありましたが、私自身へのクレームは一度も起こしたことはありません。
売買の仲介営業のメリットは、住宅営業の場合と違って、営業マンの注意力でクレームを完全に防げる点です。
ダメな営業マンの多くは、「話が違う」ということが原因でクレームになります。
きちんと確認したことをお伝えしていれば、そうそうトラブルにはなりません。
もし、不動産仲介営業が顧客からの直接クレームを受けるとしたら、それは、説明義務違反等の法的な落ち度がある場合だと思います。
自らが売主となっている仲介業者の場合を除き、クレームは仲介営業の注意力で未然に防げるという事です。
まとめ
売買の不動産仲介営業は、比較的クレームが起きにくい事が理解していただけたと思います。
しかし、仲介営業でも注意を怠れば、当然にクレームは発生します。
仕事内容もクレームへの対応力も、住宅営業(ハウスメーカー)の方が難易度が高いです。
仲介営業と住宅営業の進路で迷っている方は、「住宅営業と仲介営業の違いとは?」も参考になると思います。