私の過去の同僚でも、ライバル的な存在として君臨する女性営業がいました。
この記事では、シングルマザーとして大活躍していた、ある女性営業の話をご紹介したいと思います。
シングルマザーのトップ営業
不動産営業としてある程度の経験を経た後、私は別の不動産会社へ移りました。
自宅から近く、前よりも歩合率が良い会社へ入社したのです。
数店舗を展開する、地元では少し名の知れた中規模不動産会社でした。
入社後、すぐに確認したのは、営業の成績表です。
どこの不動産会社も、大抵は事務所の壁に営業成績を貼り出しているので、誰がトップなのかはすぐに分かるのです。
驚いたことに、その店では女性営業がトップに君臨していました。
しかも、他の営業と比べ、成績に大きな差がついていたのです。
私も、やるからにはトップになるつもりで入社しましたので、当面のライバルは彼女ということになります。
その女性は、私より4歳くらい年上のシングルマザーでした。
日中は、ご両親や託児所等に子供を預けて働いていたようです。
男性営業でのナンバーワンは、「一番スゴイ不動産営業マンはどんな人だった?」をご覧ください。
シングルマザーの強さ
その女性営業は、不動産経験が全く無く、宅建を取得しただけで入社して来た人でした。
ですから、私よりも営業のキャリアが短かったのです。
実務での不動産知識もあまり無く、店長に質問しながら進めているような感じでした。
何故、こんな新米営業が、他のベテラン営業達を負かすほど売れているのか、その時点では全く分かりませんでした。
どうやら、彼女の強みは、『包み隠さない奔放な性格』にあったようです。
実際、それだけである程度は稼げてしまうことに驚きですが。(笑)
彼女は、お客様の事を考えて行動していましたし、知識は足りなくても「良い営業」だと感じさせる人でもありました。
でも、その程度の営業マンなら、他にもいるのです。
一緒に働いていて感じた違いは、やはり子供を女性一人で育てていくという覚悟です。
時に、とても気の強さを感じることもありましたし、やはり何か人と違う部分を持っていたのだと思います。
それくらい強い気持ちと、お客様のために頑張れる人柄があれば、知識不足でも支店トップくらいにはなれるということですね。
シングルマザーからの言葉
約半年後、私は、やっとその女性営業よりも成績が良くなりました。
顧客が全く無い状態からのスタートだった為、少し時間がかかりましたが、なんとか僅差で追い抜くことができたのです。
「初心者相手に負けていられない!」と、ひたすら頑張り続けた結果でした。
そこからは、最後まで彼女に抜かされることはありませんでした。
でも、これは当然の結果です。
私は経験者ですし、彼女よりも多くの時間を費やすことができる環境だからです。
もし、彼女が私と同じ条件で働くことが出来たら、その差はあまり無かったかもしれません。
入社したばかりの私にトップを奪われた彼女は、嫌な顔をすることも無く、「おめでとう」等と笑顔で声をかけてくれました。
そして、営業のことを教えて欲しいと願い出ました。
勿論、私も快くできる限りのアドバイスや補助をしました。
不動産営業は、競い合う事や、プライドを持つことを強いられる世界です。
それぞれが独立自営のような感覚で働く側面もある業界ですから、相手の迷惑を考えるのが慣習でもあります。
このような環境下で、業界常識やプライドを捨て、年下で新参者の私に教えを乞うことを選べる人は少ないと思います。
このような姿勢で取り組める人だからこそ、一定の成績を残すことができたのかもしれません。
本当に立派な姿勢だと、今でも心から敬服しています。
まとめ
私は、シングルマザーの皆さんが、男性営業マン達の脅威になり続けて欲しいと思います。
お互いに切磋琢磨して良い影響を与え合えれば、それが結果的にお客様のためにもなっていくからです。
この記事が、彼女のようなシングルマザーの方の勇気に繋がれば嬉しいです。
参考記事「シングルマザーは宅建を取得すると人生が変わる!?」