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不動産営業のつくり方

不動産業界のベースアップ動向

就職活動においては、業界の将来性やベースアップ事情が気になるところだと思います。

この記事は、「不動産業界の給与事情や安定性って、これからどうなんだろう」等といった素朴な疑問のヒントになるかもしれません。

実際に業界で働いている人達から聞いた、リアルな情報について私見を交えてご紹介しますので、参考にしていただければと思います。

 

ベースアップの動向

先日、ユニクロ(ファーストリテーリング)が、約8400人の従業員を対象に平均15%の年収引き上げを発表しました。

新人店長の給与を月29万から39万円に引き上げるなど、攻めの人材投資策を講じています。

 

大胆な決断ですが、「ユニクロ=給料高い」といったイメージもつくので、とても宣伝効果の高い戦略でもあると感じます。

既存社員のモチベーション低下や離職を防ぐため、ベースアップの範囲にも工夫をしているようです。

このような動きは、「それだけ優秀な人材の価値が高まっている」という事を示しているのかもしれません。

 

資本力のある会社は、優秀な人材の争奪戦に勝つべく、様々な思惑で動いています。

コロナ渦では、地方から上京する人の数も減少気味でしたし、そもそも人口が減っていますから、若くて優秀な人材はどこの会社も渇望しているわけです。

 

絶対数の少ない人材の価値が高まるのは当然の流れですが、高い給料を出せるのは一流企業が中心になるので、小規模事業者との実力格差は広がるばかりです。

時代が止まったままの不動産業者との差は、とても大きなものになっていくはずです。

 

そう考えると、一流企業ではベースアップが推進されていく可能性が高く、小規模事業者の場合にはあまり変わらないといった構図になる可能性が高いのではないでしょうか。

 

 

新卒の賃金を上げる決断の最大リスクは、既存社員の心情変化だと思います。

不平等感とかやる気低下に繋がれば、無駄な人的投資になってしまいますよね。

実際、そういった時に離職していくのは優秀な社員だったりしますので、この手の判断は本当に難しいものだと思います。

 

雇用形態の変化

某企業(大手不動産会社で上場企業)では、役職者の権限を55歳までで取り上げる方針を採用することになったそうです。

つまり、次の世代に早めに権限を渡してもらうための制度です。

 

見方を変えれば、55歳定年(肩たたき)のような印象も受けますが、現場にはとても画期的な変化をもたらしているようです。

やはり、若手のやる気が違ってきますし、「あと〇年だけ我慢すれば俺達の時代だ」といった気運が高まっている様子でした。

 

しかし、私から見れば、「明日は我が身では?」という思いもあります。

55歳になったら、誰も行きたくない地方支店に配属されたり、メンテナンス部門等に配属されるといった可能性があります。

 

楽なポジションから、誰もやりたくないような業務へシフトさせられるのが55歳って考え方もできてしまいますよね。

出世が早まるのは結構なことですが、使い捨て体制と捉える人もいるかもしれません。

 

正社員として、長く働ける環境ではなくなってきている動きなので、将来の独立や起業を念頭に活躍されると良いのではないでしょうか。

 

ベースアップのリスク

不動産業界は、他業種に比べてベースアップしやすい側面もあると思います。

人材コストが上昇しても、常に優秀な社員を抱えられれば利益(成約率)も上がるので、経営判断として正解になり易いと思います。

そもそも利益率の高い業種ですから、人材の質と比例しやすいわけです。

 

ベースアップを人材獲得のために行おうとすると、既存社員に不満が出ます。

後から入社した人が得になるようでは、既存社員の中から他者へ移る人は増えてしまう可能性があります。

 

既存社員のモチベーション低下は、会社の経済活動に大きな影響を及ぼします。

働いていた立場から見ていると、この実態に経営者側は気付かないんですよね。

 

結果、せっかく好条件で就職した会社が傾く・・といった未来を迎えないためにも就職先の雇用体制や事業規模等を選別しましょう。

 

ベースアップの種類

ベースアップには2つの意味があると思います。

1つは、既存社員を家族のように考えているとか、インフレ等の影響を考慮するケースです。

もう1つは、新旧を含め、人材確保のためのベースアップです。

 

前者の場合、ベースアップ率は小さく、後者は大胆なものでないと効果が薄いですよね。

雇用条件が良くなれば、会社を離れようとする社員が減りますので、守りの投資をする会社を選ぶことが重要かもしれないですね。

 

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まとめ

不動産業界では、一部の企業でベースアップが行われていく可能性はありますが、営業職等については期待しない方が良いと思います。

また、不動産業界でのベースアップは、難易度の高い資格保有者とか、特別なスキルを持つ人に対して発生しやすい状況になっていくと思います。

実際、かなりの好条件のスカウト等も発生しており、確実に収益に繋がる人材については積極的にとりにいく動きがみられます。

今後、人材確保の競争は益々激化していきそうですので、直近の離職者数や口コミ情報等を念入りにリサーチしていくと良いと思います。

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