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不動産営業のつくり方

賃貸経営の未来が怖くなる話

今回は、賃貸経営の未来がちょっと怖くなるような話です。

わりと現実的な話なので、賃貸経営に携わっている方々は読んでおくと良いかもしれません。

何故、賃貸経営の先行きに怖さを感じるかと言うと、メタバース世界の広がりや、VR世界の充実によって大きな変化が起こる可能性があるからなんです。

そこで、具体的な影響について、どのように波及するのか考えてみました。

 

メタバース世界が広がる速度

フェイスブック等、世界的なIT企業はメタバース企業のトップランナーを目指し、膨大な予算を投じて開発を進めています。

メタバース世界は、インターネット世界の進化版です。

おそらく、VR機器によってリアルな世界と同じように体感できることになります。

 

このような世界がどのくらいのスピードで広がるかは未知数ですが、インターネット普及にかかった時間を遥に上回るスピードになることは間違いないと思います。

メタバース世界がコロナウイルスと同じくらいのスピードで普及した場合、ほんの数年で世界の常識は変わります。

 

そんな事が起こり得る時代にいることを忘れていると、メタバースという大きな津波に飲み込まれることになるかもしれません。

 

賃貸市場に多大な影響が出る

皆さんは、一日に何時間くらいスマホを見ているでしょうか。

また、インターネットを使ってネットワークに接続している時間は、何時間程度か考えてみてください。

 

メタバース世界がとても便利なものになると、当然そこにアクセスする時間が長くなります。

メタバース企業は、既存媒体よりも快適で便利なものにすることでシェアをとろうとしますから、間違いなくスマホとの一体化(スマホからVR世界に入る方法の確立)も起こってくるでしょう。

 

人々がメタバース世界にいるる時間が長くなると、人の流れが減ります。

現実世界では、人流が減り、コロナ渦での緊急事態宣言下のような状態が発生するようになるということです。

 

都市部に住む意味がなくなる

リモート媒体が普及しただけでも、郊外へと移り住む人や、地方都市に家を買う人が増えました。

メタバース化が進めば、VR世界の中でオフィスを持つ企業等も出てきますから、会社に通勤するという概念が変わっていくかもしれません。

 

出勤=ログイン という新しい労働スタイルが、まるで現実世界のように実現できるわけです。

こうなると、都市部に住む意味がなくなり、建物や立地も最低限で良いと考える人が増えます。

 

オフィス需要も益々減り、メタバース内でのオフィス需要や仮想地価等が構築されるかもしれません。

必然的に、現実世界での空室が増加して賃貸経営を悪化させるでしょう。

 

相続対策等で、数億円のマンション等を建築している人達は、近い将来に返済ができなくなる市場状況になるかもしれないのです。

メタバース世界が完全に普及した場合、『駅近なら大丈夫』という不動のセオリーも、もはや通用しなくなります。

 

何故なら、多くの人達にとって、もはや駅まで行く必要がないのですから。

 

労働市場の変化で賃貸市場が沈む

メタバース世界では、世界中の人が共通言語で交流することができます。

自動翻訳等によって、言語の障壁が無くなるからです。

 

飛行機に乗らなくても、海外にいる有能な人達との交流ができるようになるので、益々この世界の価値は高まるでしょう。

企業側も、賃金の安い国に住んでいる優秀な人材にアクセスできるようになります。

 

プログラマー等、メタバース世界の中で遂行できる職業については、人員不足を解消できます。

低賃金で海外の人材にアウトソーシングするマッチング機能等ができるからです。

 

そうなると、日本人の給料は高すぎるということになり、世界的な賃金相場が出来上がります。

これは、日本人にとっては低く感じるレートで、発展途上国の人にとっては嬉しいレートになるでしょう。

 

つまり、メタバース内のオフィスで働く人達は、世界的に賃金が平均化するということです。

かといって、現実世界に仕事はありませんから、なんとかメタバース内での地位を確保することになっていくでしょう。

 

賃貸物件の賃料が下がる

様々な業種で賃金の平均化が起こると、年収が下がってしまう人も出てきます。

また、メタバース内で働く人が増えれば、高い家賃を払って都会に住む必要が無くなります。

 

こうなると、賃料相場は下がる要素しかありません。

賃料を下げて入居者が来るうちは良いのですが、最終的には地方(実家等)に分散するという、都市集中の逆転現象が起こる可能性があります。

 

海外アウトソーシングで賃金が下がるだけで、多くの人々が都会から去っていくことになると思います。

わざわざ通勤時間をかける必要も、物価や家賃の高い場所に足を運ぶ意味もなくなるからです。

 

そもそも地方出身者が東京に出てくる理由は、仕事の確保です。

これが実家で実現できるようになれば、上京する意味がなくなるということですね。

 

その時はいつ来るのか

多くの飲食店がこの数年で瀕死の状態になるなんて、誰が想像したでしょうか。

コロナウイルスが広がるくらいのスピードでIT進化が起こる可能性は十分にあります。

 

私達は、たった数年後でそんな世界的変化が起こる可能性が高い時代にいます。

実際、車やバイクが空を飛び始め、配送業務も自動(ドローン)化され始めている現実があります。

 

メタバース世界の進化を考えると、不動産活用の際にはIT業界に長けた視点を持っていなければ失敗するかもしれません。

ここから20年先の世界を考えた不動産活用ができる人は少ない気がします。

 

今後、賃料相場が上昇する要素は少ないと思われますので、採算がとれなくなる土地所有者等も増えるのかもしれません。

不動産業界では、安定性が高かった賃貸管理業や、原状回復リフォーム需要等にも影響が出てくる可能性が高いです。

 

まとめ

少し早すぎる話だったかもしれませんが、将来的には現実となり得るお話です。

来年後半から翌年にかけては、何らかの形でメタバースが現実的な形となって発表されるはずです。

そこからの時代変化には、多くの業種が飲み込まれる可能性があります。

不動産業についても例外ではありません。

世の中に存在する殆どの取引は、メタバース内で完結できるようになるはずです。

ITについていけない高齢者の取引実行については、デジタル庁が代理制度等の規制緩和を行うとか、デジタル認証技術が発展することで解決されていくと思います。

メタバース世界に入っていけない人達は、取り残されてしまうかもしれませんね。

私は、危機感をもってITに関する勉強にも、引き続き取り組んでいこうと思っています。

  • B!