フリーランスという形態で働く人が増加していますが、その将来性や安定性については疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
でも、この記事を読んでいただければ、少し視点が変わってくる部分もあると思います。
近年のフリーランスとその将来性について、実体験に基づくお話です。
フリーランスの意味
フリーランスとは、簡単に言えば税務署に開業届を出していない個人事業です。
結局のところ、収入が増えてくれば経費や控除枠が欲しくなります。
これらを得るためには、法人化をするか、開業届を出して個人事業主となる必要があります。
つまり、フリーランスは、『稼げる事業になる一歩前の状態』とも言えますね。
サラリーマンでありながら、副業として単発で仕事を受注しているような状態を指すことが多いのではないでしょうか。
趣味で始めたフリーランス事業が軌道に乗り、一定の利益が安定して発生するようになると、開業届を出して個人事業主になるのが一般的です。
その後、更に年商が上がるようなら、法人化を考えることになるでしょう。
信用を得るために、最初から法人化するという選択もありますが、税理士費用等も必要になりますので、経費の量等によって総合的に判断する必要があります。
商店街に代わる存在
若い世代の人達にはピンと来ないかもしれませんが、昔はショッピングモールのような複合施設がほとんど存在していませんでした。
買い物と言えば商店街や、小さなスーパーマーケットに行くのが当たり前だったのです。
イトーヨーカ堂や、イオンのような便利な複合施設は、当時の買い物不便を解消する新しいサービス形態として登場してきたわけです。
駅ビル等の商業施設も、当時は百貨店に近い形態が多かったです。
このような状況だった為、当時は皆が小さな個人商店で普段の買い物をしていました。
野菜は八百屋、魚は魚屋、電気は街の電気店で・・といったように、それぞれ贔屓にしている個人商店があったのです。
都内の下町等では、地価が高くて大規模店舗を出せない為、今でも昔の商店街が機能している地域が点在しています。
あの姿が全国的に展開されていたというわけです。
フリーランスも、ある意味では当時の個人商店と同じ存在です。
フリーランスは、安さで勝負することもできる為、法人には無い魅力もあります。
取り扱う仕事の種類も多様化していますし、個人への依頼を選ぶ人が増加していくのではないでしょうか。
個人の力が活かせる時代
複合施設や量販店等の進出で、多くの個人商店が潰れました。
日用品や食料品については、今後も同じように便利な大規模店舗が有利でしょう。
一方、コロナウイルスの流行によって、ノウハウ提供や、技術的なサービスについては変化が起きていると思います。
収益が大きい施設は、人件費やテナント費用等が大きいので、商売(人流)が停止した時には大打撃となる弱点があります。
また、自粛によってインターネット上での買い物が増加し、幅広い世代でネット決済への抵抗も薄れました。
手軽にネットサーフィンをし、お得なサービスを利用するという動きは、以前に比べて格段に増えています。
フリーランス(個人)への依頼が、手軽に選択される時代に入っていると言って良いのではないでしょうか。
差別化できれば好機
小さな商店の場合、基本的には直接お店に来てもらえなければ利益が発生しません。
何かお得な商品やサービスがあっても、知ってもらうことすらできなかったのです。
ところが、フリーランスの場合、消費者へのメリットは一目瞭然で、尚且つ大勢の人の目に触れさせることが容易です。
この状況は、昔ながらの個人商店が復活したようなものだと思いませんか?
大手企業ができない事をやれる人は、大きなチャンスになるという事です。
フリーランスの活躍は、大手に流れていたシェアが再び個人へと戻ってくることを意味しているのです。
節税効果で規模を選択する
皆さんが事業を行う際、必ずしも会社である必要はなくなってきました。
会社ではなく、個人事業として収入を得る道を選ぶ人は今後も増えていくでしょう。
株式会社という形態への信用力は、一部の業種では今後も必要だと思います。
しかし、多くの業務において、株式会社である必要性は薄れてきたように感じます。
ホームページ等の見栄えが良ければ、消費者はそれほど会社の規模を気にしなくなっていると思います。
実際、数千円の出費に対して、受注先が株式会社であるかどうかはどうでもいい事ですよね。
コロナのような事が起こると、店舗や人件費等のリスクを負わない人も増えるはずです。
リモート化も進み、働き方は確実に変わっています。
今後、その経営スタイルについては、意見が分かれるところかもしれません。
控除をフル活用せよ
副業で収入を得る場合、給与控除と個人事業主の青色申告控除の両方を受けることもできます。
実は、これがとても効率の良い控除の使い方で、稼いだ分からのロスも少ないのです。
サラリーマンの給与控除の他に、青色申告で最大65万円の控除を受けることができ、更に個人事業主として経費も計上できます。
その節税効果を向う数十年で累計して考えると、かなりの金額になるはずです。
これが最もお得な収入の貰い方ですので、覚えておきましょう。
フリーランスの将来性
フリーランスで働く一部の人達には、とても有望な将来性があると思います。
きちんとした差別化ができていれば、無理に仕事をとりにいく必要もありません。
貴方の特技を必要とする人は、こちらから頼まなくても向うから依頼してくれます。
そんなサービス内容であれば存続できると考えれば良いと思います。
『頼まれた時だけ仕事する』というスタイルで仕事が途切れなければ、確実にあなたへの市場ニーズがある証拠です。
逆に、『仕事をください』とお願いしている人は、どこにでもあるサービスを提供している証拠なのです。
大企業が量産できない特技を持っているなら、簡単に差別化(ネット発信)できる時代です。
自宅にいながら、繁盛店の経営ができる時代ですので、貴方の実力次第で将来性はいかようにもなると言えるでしょう。
私の実体験
私の場合、本業の傍らで色々な業務を請け負うようになっていきました。
フリーランスの期間は数カ月で、すぐに開業届を提出して青色申告の手続をしました。
先程のお話にも書いた通り、何の保証もない個人事業主の立場ではありますが、自分から「仕事をください」とお願いした事はありません。
こちらからはお願いしませんが、「私を必要としてくれるのなら、精一杯頑張りますよ」という関係性を大切にしているという事です。
ビジネスでは、仕事を与える側が優位な(請負業者の立場が弱くなる)事が多いですが、本来は対等な関係です。
請負業者側がペコペコして無理を承諾するのは、自分の価値が低いと認めるのと同じだと思います。
適切な単価で他社より良い仕事をしていれば、ペコペコする必要はなく、むしろ相手に感謝されるはずです。
要するに、自分ができること(役に立てる事)を発信することは必要ですが、それを安売りする必要は無いという事です。
そんな風に取り組んでいれば、顧客は増えていきますし、対価を向上させることにも繋がります。
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まとめ
フリーランスの意味を一言で説明するなら、『開業していない個人事業』です。
その形態は、趣味の延長や、サイドビジネス等、かなり多様です。
個人の力が発信しやすい現代では、フリーランスは充分に将来性のある活動になるでしょう。
ポイントは、差別化と発信媒体の選択です。
そして、利益が伸びた時には、税控除に有利な形態へと変化していけば良いでしょう。
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