私が最高の成績を上げていた頃、お客様によく言われる事がいくつかありました。
振り返ってみれば、これが意外に大事な部分だったと感じています。
皆さんにも、自分では気付いていない「強み」のような部分があるかもしれません。
自己認知することで、良い部分が強化されると思いますので、自分の営業スタイルを客観的につかむことも大切です。
この記事は、営業で伸び悩んでいる人に向け、何かのヒントになればと思い、書いてみました。
ご自身の営業スタイルと比較しながら読んでみて下さい。
不動産営業なのに
私の営業スタイルは、一言で表すと「押し付けない」スタイルです。
ある先輩から、『引く営業手法』と表現されたこともありました。
プロ(同業)の目から映る自分が、『引く営業が得意な人』という見え方だったわけです。
私自身、言われてみればそうだと思っていましたし、それが自分の営業スタイルの特徴だと認識していました。
しかし、ある時、顧客からの言葉で、少し違うことに気付きました。
ある顧客が、私に対して、笑いながらこう言ったのです。
思い返してみれば、色々なお客様からこの言葉を聞いていました。
私が一向に物件を勧めず、褒める事さえしないからです。
それでいて、物件の悪い部分はきちんと指摘していました。
買う気の無くなるような部分ばかりに目を向けさせるので、「売る気ないですよね」という事になるわけですね。
考えてみれば、これは顧客から信用を勝ち取っている瞬間でもあります。
不動産営業をしている以上、全く売る気が無い人はいません。
でも、確かに、私はそれに近い営業をしていました。
「買いたくなったら手伝います」という感覚に近いかもしれません。
結果的に顧客が買いたくなるような営業はしていますが、売ろうとする営業はしていないのです。
結果的に、私の営業スタイルは、「引く営業スタイル」というよりは、「顧客に決めさせるスタイル」だと思い直しました。
顧客からすると、この違いが他の営業マンとの違いだったのだと思うのです。
不動産営業マンらしさ
顧客は、不動産営業へ何らかのイメージを持っています。
私は、そのイメージとはかなり離れた位置に立っていたようで、「不動産営業っぽくないですよね」とも言われました。
おそらく、顧客からよく言われる事のベスト2だと思います。
同業者にも「この業界の人っぽくないよね」とよく言われました。
当時の私からすれば、何の事だかわからないというのが本音でしたが、最近になって少しはその意味が見えてきたように思います。
私の営業スタイルが、この業界で異色に見えるのは、「ガツガツしていない」からだと思います。
ほわぁ~っとした感じで対応するので、営業マンっぽく見えないのでしょう。
会社側からすれば、やる気が無さそうに見えるでしょう。
新人の頃には、「コイツ、大丈夫か?」と口にする上司もいました。
やっていけそうには見えなかったのでしょうね。(笑)
しかし、顧客からすれば、このやる気のない感じが安心感になります。
私から言わせてもらえば、誰よりも顧客ファーストな営業スタイルなのです。
上司にビビって変える事もしなかったので、実は自分のやり方を通す図太い性格なのです。
なろうと思わない事
誰かの営業スタイルを見て、「あんな営業スタイルに変えよう」なんて思っても、そう簡単にはいかないものです。
結局は、あなた自身の本質面が営業活動に出てくるものです。
仮に、会社側に営業スタイルを矯正されても、元々の性質はなかなか変わりませんよね。
変えたくても変えられない部分(個性)が残ります。
私は、この部分が営業スタイルの根幹になると思っています。
そもそも、真似してなろうとしても、オリジナルを超える存在にはなれません。
何度注意されてもお茶らけてしまう人は、「一緒にいると楽しい人」という営業スタイルで行けばいいと思います。
誰かのマネではなく、自分の個性を活かした勝負をし、そのジャンルでナンバーワンを目指すと良いのではないでしょうか。
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安心と信頼
私が顧客からよく言われた2つの言葉は、「安心と信頼」に関係しています。
つまり、顧客は、私に対して以下のように感じていたという事です。
- 売る気が無いと思える程、正直に説明をしてくれる人
- 無理な売り方をしない人
- 安心感のある人
- 人を騙したりしなそうな人
- なんだか良さそうな人
これって、営業マンが最後の一人に選ばれる為に重要な要素ですよね。
つまり、このような感情を抱かれたら、他決をする確率が低くなるのです。
誰もがこのスタイルで成功するわけでは無いと思いますが、私の場合はこれが正解だったのだと思っています。
元々の性格や容姿等に合わせ、自分がどのように安心と信頼を与えるのかを考える必要があると思います。
まとめ
10人の営業がいれば、本来は10種類のスタイルがあるものです。
それでいいと思うのですが、この業界は一定のスタイルを定着させようとする傾向があります。
自の営業スタイルに自信があれば、それを貫き通す覚悟で働いてみると良いと思います。
誰が何と言おうと、トップに立てばあなたが正しかったという証明になるでしょう。
一日も早く、皆さんにその日が訪れる事を願っています。