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不動産営業のつくり方

不動産(建売)チラシ広告の集客結果が面白い

この記事では、不動産業者が投じるチラシ広告の掲載物件と、それに対する意外な顧客反応についてご紹介したいと思います。

狙ったターゲットと、少し違う人達が反応してくるのが面白いところです。

私の体験談から、マーケティングの難しさを感じていただければと思います。

 

不動産の広告チラシ

不動産業者は、土日や祝日を狙って広告チラシを投じます。

店舗の規模や予算によって、チラシを投じる枚数は様々です。

 

私の在籍していた会社では、月の広告費が200万円以上になることもありました。

時期によっては、月に500万円以上の広告費を使う会社もあるそうです。

 

問い合わせが無かった時の事を考えると、恐ろしくなる投資ですよね。

経営者の勇気に感服する額です。

 

近年は、ネットからの反響が増えていますが、反応の良い顧客を獲得するには、「結局、広告チラシが一番」という実感があります。

 

広告は、支店の責任者が予算に合わせて配布エリアを決めます。

掲載物件についても、責任者が吟味して判断します。

営業側は、広告に関してはノータッチで、ただチラシの反響を待つ立場です。

 

売出し物件がある場合は、現地に来場を促す内容も記載されます。

チラシが入ってから数日間は、電話での反響等が期待できます。

現地売出への来場も発生する可能性があります。

では、このように発生した問い合わせの集客結果について見ていきましょう。

 

賃貸住宅と広告の関係性

あなたが自分の不動産会社を経営していたとしたら、優先してチラシを撒くエリアをどこにしますか?

多くの人は、「まずはお店の周辺地域から」と考えるのではないでしょうか。

でも、これが意外にハズレになる確率が高いのです。

 

統計的に見ていくと、自社の最寄駅から数駅分だけ都心方面に撒いたチラシの反応が良い、という事実が見えてきます。

実は、これには賃貸住宅の家賃と関係があります。

 

例えば、現在の賃貸住宅の家賃が10万円位の人がいたとします。

このような状況の人が建売を購入しようと考えた場合、毎月のローン支払額が10万円前後になるのが望ましいですよね。

家賃とローンが同じ負担なら、家を買った方が良いと考えるわけです。

 

月々10万円前後の住宅ローンを物件金額に換算すると、約3000~3500万円になります。

10万円の家賃で住める場所と、3500万円で家を購入できる場所は同じではありません。

ですから、大抵の場合は、現在住んでいる場所から少し郊外に家を探すことになるのです。

 

という事は、自社周辺にいる人達は、何駅か郊外方面に移動して探す可能性が高いですよね?

つまり、チラシを投じた地域の人達を集客するには、その場所の賃料と同額でローンが組める物件を掲載しておく必要があるのです。

 

物件の写真と価格

チラシは、顧客からの問い合わせが無ければ意味がありません。

いくら綺麗なデザインにしても、顧客反応がゼロではお金を捨てているのと同じです。

 

ですから、手書きであろうと、写真であろうと、電話が鳴ればそれが正解です。

この正解の無い難しさが、チラシ戦略の面白さでもあります。

 

不動産屋のチラシを見ていると、デザインの良い住宅を大きく掲載していますよね。

でも、実際に電話で問い合わせをしてくるのは、その物件では無い場合が多いです。

むしろ、写真も載っていないような物件で電話が鳴ることもよくあります。

 

写真で大きく載せるような、デザインの良い住宅は、現地に見に行く人が多いのだと思います。

現実的な話をすると、反響で最も顧客反応が高いのは、「安い物件」です。

ですから、反響が欲しければ、周辺相場より安い物件を載せれば良いわけです。

 

安い物件は、見た目や立地が悪い事が多いので、写真を載せずに文字だけの表示になる事が多いです。

顧客からすると、全てが明らかになっていない安い物件が気になるのでしょうね。

 

購入物件は違う

安い物件で問い合わせをしてきた人が、そのまま安い物件を買うかと言うと、そんなことはありません。

例えば、2,380万円の中古物件で問い合わせをしてきた人が、3500万円の新築物件を購入するといった事が多いのです。

 

サラリーマンの平均年収を考えると、 殆どの人は3,000万円以上の物件が購入できます。

でも、少しでも安くて良い物件があれば、それを購入したいと思いますよね。

 

安い物件には反応して見学するのですが、実際の物件を見て現実を知ることになります。

そして、「安くて良い物件なんて無い」という事に気付き、普通の物件を買うのです。

 

このような流れで建売物件を購入する人もいるので、不動産会社としては、電話さえ鳴れば目的は達成したと言えます。

意外に感じるかもしれませんが、問い合わせ物件をそのまま購入する人は、結構レアなケースなのです。

 

まとめ

過去の経験から感じるのは、顧客は「安くて写真が無い物件」に反応しやすいという事。

映画の予告の原理と同じで、続きが見たいと思わなければ行動しないのです。

 

不動産会社側の広告意図とは異なる顧客反応があった時は、それを研究する事が大事ですね。

そして、不動産チラシのマーケティングは、「賃貸物件の賃料」が鍵です。

広告を投じるタイミングによっても大きく結果が変わりますので、これからも責任者を悩まし続けるポイントです。

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