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不動産営業のつくり方

建売住宅の購入申し込み時の3つの顧客反応

建売住宅の購入を決める際、顧客は、担当営業に何らかの意思表示をします。

顧客が建売住宅の購入を決断した際にとる反応には、3つのアクションがあります。

この記事では、このアクションが発生するポイントについて検証していきます。

中級者向けの内容ですので、営業未経験の方は、実務を積んだ上で読み直してみてください。

 

購入の意思確認

建売住宅の購入をするには、売主に対して買付申込をしなければいけません。

担当営業は、この申し込みをする前に、顧客に購入意思を確認する必要があります。

購入決断時の顧客の反応は様々ですが、大きく分類すれば、3つのアクションに絞ることが出来ると思います。

 

営業側としては、「どうすればそのアクションが起こるのか」と考えてしまいがちですよね。

間違っているわけではないのですが、この考え方だと方法論を探すことに意識が向いてしまい、あまり効率的に学習できないと思います。

 

そこで、「何故、顧客はそのアクションをしたのか」という視点から考えると、契約の意思をいただくための要素が整理しやすいと思います。

早速、具体的に説明していきましょう。

 

物件案内中(パターン1)

最も理想的なのは、物件を案内している最中に「これにします」という意思表示をいただくことですよね。

私は、年間契約の60%以上は、物件案内の中で契約の意思をいただいていました。

 

多くの営業マンは、ご案内の終了時等に、「一通りご覧になってどうでしたか?」等という確認をしているのではないでしょうか。

しかし、単純に聞くだけで購入を決断するわけもありません。

 

では、私の顧客は、どうして物件案内中に購入の意思表示をするのでしょうか。

この違いが想像できなければ、具体的な対策は講じられないと思います。

この記事を読んでくれた人だけに、その理由をこっそりお教えしていきますね。

 

大抵の場合、私の顧客が購入の意思表示をする前には、車内で夫婦のヒソヒソ話のような打ち合わせが始まります。

顧客の車を引率する案内(車が別々)の場合でも、顧客の車の中で同じことが起きているはずです。

 

そして、ご案内が終盤に差し掛かった頃、おもむろにご主人がこう言うのです。

「○番目に見た物件をとめてもらえますか?」

※この「とめて」は、「予約して」という意味です。

 

顧客目線で考えてみる

このような意思表示をもらうには、いくつかクリアしなければいけない要素があります。

案内中に購入の決断をする顧客は、既に何回かご案内をしてきた顧客である事が多いので、できるだけ早くクリアするようにします。

 

タネ明かしをすれば、ご案内の中で買付を入れる流れと必要性について、既に説明を終えています。

そして、「物件を予約状態にする際は、少しでも早く連絡して欲しい」と伝えてあります。

 

つまり、顧客は良い物件を見つけたら「物件をとめたい」と考えるように成長しているのです。

営業くん
買付を入れる際には、「指値が通ったら、必ずその金額で契約しなければならない」という事を伝えるのも、忘れてはいけないポイントです。

 

もう一度、顧客目線で振り返ってみましょう。

まず、顧客は、いくつかの物件を見学しながら、良い建売物件は早い者勝ちだという事を知ります。

そして、「良い物件に出会った時は、早く決めなければチャンスを逃してしまう」という事実を理解します。

 

更に、いくつかの物件を見たことで相場を理解し、待っていても良い物件が出て来るわけではないと悟ります。

自分の中で、「今の市場で買うならコレ」という物件が見えてくる為、それを夫婦で共有確認し、「どうしようか」という話になります。

 

そして、「価格交渉してもらって成功すれば購入しよう」とか、「あの物件にした方が良い」等という結論に自動的に到達するわけです。

ですから、営業マンからのクロージング等は不要で、良い仕事をしていれば自然に契約がもらえます。

営業くん
夫婦での会議を起こすために必要な情報を考えましょう!

 

細かい理由や手順は他にもありますが、別記事に書いたことがあるので、ここでは割愛します。

とにかく、このような顧客心理を生み出すには、営業から適切な手順で情報提供される事が必要なのです。

 

店内接客(パターン2)

中には、物件案内の中で全てのプロセスを満たせない場合もあります。

子供連れのご家族の場合、ご案内中だけで説明を完結させることは難しいでしょう。

 

そこで、ご案内の後の接客時に購入の意思をいただこうと考えるわけですが、これにも顧客心理の理解が必要です。

接客時に購入を決められる人は、必ず「質問」という形でのアクションを起こして来ます。

 

案内後の店内接客では、自発的な購入意思が無い状態から、本気で検討してもらうように促していく場面です。

提案等が上手くいけば、顧客は必然的に検討の為の情報を求め始めます。

 

営業側は、その本気度を見極めて、どの程度まで話を進めるべきかを判断します。

購入の決断までは到達できないケースも多いですが、そんな時は無理に押さないようにしましょう。

顧客が決断できないのは、契約に必要なプロセスをクリアできなかった自分の責任と考え、次回以降でクリアすべき点を考えて再チャレンジしてください。

 

物件案内で行いたかった事を、店内で行うだけの違いではありますが、感覚的には店内でのクロージングの方が難しいと思います。

どうしても、顧客が構えてしまう部分がありますし、即決的に決める人は少ないからです。

 

接客時の顧客心理

物件案内を終え、担当営業から店で少し話をしていくことになったとします。

担当営業から、見学した物件の感想等を聞かれ、この時点である程度の購入意欲が出ていないと申し込みにはならない事が多いです。

説得力で申し込みまでもらう営業マンもいますが、後で崩れる事も多いです。

 

多くの場合、接客時の顧客心理は、「もう少し考えてから」とか、「急いで決めるものでは無い」等と考えている状況です。

しかし、ベストな流れで話が進むと、1時間程度の接客で、「この物件でお願いします」等と言われることがあります。

 

貴方は、この接客時の1時間で何が変化したと思いますか?

そこにクロージング技術の答えがあります。

 

ある程度、気に入ってはいる物件があったものの、申し込みをしようとは思っていない顧客はたくさんいます。

それを、1時間程度で申し込みをする決断に至る為の理由を考えてみて下さい。

営業くん
顧客が、何に気付いたか考えてみましょう

 

私の場合、店内接客では、「気付き」に必要な情報を提供してから、価格交渉をしてみる事を勧めます。

そして、「安くなれば決断できるのでは?」と思うレベルであれば、提案してみるのです。

気に入っている物件を、更に良い物件にしてあげる事で、決断してくれることもあります。

営業くん
店内接客のコツの一つだと思いますよ

 

午前中の入電(パターン3)

物件案内や接客でのクロージングが失敗に終わった顧客が、翌日の朝一番で連絡してくることがあります。

家に帰って夫婦でよく話し合い、電話又はメールでの意思表示をしてくるのです。

これは、前日の案内や接客が成功していたのと同じ事ですが、1つのパターンとして分類しておきたいと思います。

 

あえて分類した理由は、私が個人的に感じる大事な要素があるからです。

それは、接客時等において、決して購入を無理強いせず、顧客の意思を尊重して別れる事です。

私は、購入の意思を決めるまで粘るとか、執拗に背中を押すといったクロージングは一切しません。

 

むしろ、決断に必要な全ての事項を説明し、今決められなくても良いので、早めに結論を出すことが大事だと伝えます。

顧客には、「買わない」という決断でも前進なのだと説明するのです。

 

今回は購入を見送る事になっても、次のチャンンスには必ず自分から買ってもらえる自信を持って接することが重要だと思います。

 

クロージング

店内接客でのクロージングを行う場合、消去法的に決断を促す人が多いです。

つまり、ある物件を買うしかない状況であることを、消去法で理解してもらう手法です。

 

これをダメとは言いませんが、私はあまり有効な手段だとは思っていません。

何故なら、住宅購入は、消去法で買うものでは無いと思うからです。

 

自分が顧客の立場になった時を想像すると、「あなたが買えるのはこれしかないでしょ」と消去法で示されても、なんとなくスッキリしません。

 

良い意味での素人目線で考え、自発的に購入を決断できるようにサポートするのがベストなクロージングだと思います。

私は、結果的にクロージングの必要が無くなる状態が「正解」だと思うのです。

参考記事不動産営業の失敗|契約が崩れる原因とプロセス

 

まとめ

3つの決断パターンをご紹介しましたが、3つ目のケース(翌日入電)が最も崩れない契約であることが多いです。

私の場合、店内接客でのクロージングによって契約する事は、かなり少ない方でした。

物件案内で決まるか、翌日入電のどちらかで契約の意思をもらう事が殆どです。

 

翌日、「今回は見送ります」と言われたこともあります。

でも、「わかりました。また一緒に探していきましょう!」と元気よく答えてあげれば良いと思います。

そして、しっかりとその見送りの理由を聞いておくことです

次のチャンスを、より確実にするための情報が得られるはずです。

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