宅建の無料独学と営業のコツ

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都市計画法の無料テキスト①(宅建独学用)

市販のテキストでは少し難しいと感じる人に向けて、都市計画法の流し読みテキストを作成しました。

このテキストで意味を理解してから、過去問をやると良いと思います。

 

都市計画法

シムシティというゲームをご存知でしょうか。

自分の好きなように街を造っていくゲームです。

ゲーム内もリアルな世界も、街づくりには一定のルールが必要になります。

 

ゲームの中では、大きなスペースが無ければ建てられない建築物があり、施設同士の相性等もあります。

都市計画法は、このような街の形成に不可欠なルールを細かく定めた法律だと思えば良いと思います。

 

つまり、ゲームの説明書にあたる法律ということです。

みんなが住みやすい街づくりをするために、国や地方公共団体が整備を進め、住民はその措置に協力しなければいけません。

第1条~第3条までについては、このような内容が、法律用語で書かれているだけですので、特に覚える事はありません。

 

都市計画区域とは

簡単に表現すると、人が住む都市として整備していったほうが良さそうな区域を『都市計画区域』と呼びましょうという事です。

ですから、将来的に人が住むのに適していそうな場所は、全て都市計画区域に指定されています。

 

現況が山林等であっても、都市計画区域に指定されている場所はたくさんあります。

要するに、殆どの場所は都市計画区域内であり、それ以外の区域が「都市計画区域外」だと考えておけばOKです。

都市計画区域外については、人が住める可能性が極めて低い場所をイメージしておけば良いと思います。

 

試験対策として、誰が都市計画区域を指定するのかを覚えておきましょう。

都市計画区域の指定は、都道府県が行います。

知事等のように特定の人物ではなく、都道府県という組織体で行います。

この時、関係市町村と都市計画審議会の意見を聞いた上で、国道交通大臣に協議し、その同意を得ることになっています。

 

2つ以上の都道府県にまたがって指定する場合は、関係都道府県の意見を聴き、国土交通大臣が指定を行います。

都市計画区域の指定は、国土交通省令で定める公告によって行われます。

 

準都市計画区域

準都市計画区域は、都市計画区域外の中で指定されます。

つまり、人が住むのに適さない場所の中で指定されるということです。

 

準都市計画区域は、都市計画区域都市計画区域外の境目付近のようなイメージで、現在は人が住むのには適していない場所ですが、将来的にそのままにしておくのは問題がありそうな場所です。

 

都市計画区域にはしないけれど、仮予約はしておきましょうといった感じの場所です。

具体的な場所のイメージとしては、空港付近とか、高速道路のインターチェンジ付近等を想像してください。

基本的には都市計画区域外だけど、結構人が通るよね」という場所です。

 

準都市計画区域では、以下のような事項について都市計画で定める事ができます。

  • 用途地域
  • 特別用途地区
  • 特定用途制限地域
  • 高度地区
  • 景観地区
  • 風致地区

区域区分は定める事ができません

基礎調査

都道府県は、おおむね5年ごとに都市計画区域の基礎調査を行います。

基礎調査とは、人口規模や市街地形成の状況等を数値的に把握するものです。

この調査によって、現況と将来の見通しを把握して、計画に活かしていくということです。

参考ここはあまり出題されない部分だと思いますが、念のため記載しておきます。

 

区域区分

区域区分とは、都市計画区域を2つの地域に区分することです。

具体的には、市街化区域市街化調整区域という2つの区域に分けています。

 

都市計画区域内には、すでに市街地を形成している区域がありますよね?

それに加え、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべきだと考える場所を合わせて市街化区域と言います。

簡単に言えば、優先して市街を整備していくエリアが市街化区域です。

 

これに対し、都市計画区域には指定されているものの、当面は市街化するのを抑制しておくと決められた区域を市街化調整区域と言います。

まずは、市街化区域が完全な市街地を形成していく事が肝心なので、山の麓等は後回しにしようという事です。

準都市計画区域には、区域区分を定める事はできません。

ポイント

これ以外の細かい部分については、過去問の解説をテキストにして覚えればOKです。

 

地域地区

都市計画区域内において、「良い街にしていこう」という場所については、更に細かい区分けをしていきます。

 

地域地区は、土地の自然的条件及び土地利用の動向を勘案して、住居、商業、工業その他の用途を適正に配分することにより、都市機能を維持増進し、かつ、住居の環境を保護し、商業、工業等の利便を増進し、良好な景観を形成し、風致を維持し、公害を防止する等適正な都市環境を保持するように定めること。この場合において、市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとする。(都市計画法13条1項7号)

役所に行くと、都市計画図という図面があり、街の場所によって様々な種類の区分けがされています。

目的によって分類の方法が異なる為、色々なタイトルが付きます。

例えば、『用途地域』や『高度地区』というように、制限をかける目的に合わせてタイトルが分類されているわけです。

 

ポイント

都市計画区域内の市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないことを覚えておきましょう。

主な分類タイトル

これらを現時点で丸暗記する必要は無いです。

まずは、このような分類がある意味を理解し、重要な特徴だけ覚えるのがコツです。

・用途地域

・特別用途地区

・特定用途制限地域

・特例容積率適用地域

・高層住居誘導地域

・高度地区又は高度利用地区

・特定街区

・都市再生特別地区

・特定用途誘導地区

・防火地域又は準防火地域

・特定防災街区整備地区

・景観地区

・風致地区

・駐車場整備地区

・臨港地区

・歴史的風土特別保存地区

・緑化地域

・流通業務地区

・生産緑地地区

・伝統的建造物群保存地区

・航空機騒音障害防止(特別)地区

制限しようとする目的によって、ルールの内容は異なりますよね。

この為、今後も必要な数だけ区域が増えていく可能性があるということです。

 

例えば、「建物が密集している地域は、火事に強い建物にしたほうが良い」と考えたとします。

そんな場合に、「じゃぁ、防火地域というエリアをつくろうよ」と、決めてきたということなのです。

 

京都のような街並みを保存するために、京都の街並みに合ったものだけにさせよう等と考えれば、伝統的建造物群保存地区等という地区を考案して、指定するのです。

このように、それぞれの地域地区がどのような理由で発案されてきたのかを理解できていれば大丈夫です。

丸暗記というよりは、経緯と重要度をなんとなく覚えておくイメージです。

詳しくは次回の流し読みテキストで説明していきます。

 

まとめ|勉強のコツ

都市計画法についても、基本的なことを理解したら、過去問で鍛えていくのが一番です。

ポイント

都市計画区域の全体像は、パソコン上のファイルでイメージすると理解しやすいかもしれません。一番外側の大きなファイルには都市計画という名前が付いています。

その中に、都市計画区域都市計画区域外のファイルが入っています。

都市計画区域のファイル内には、市街化区域市街化調整区域のファイルが入っていています。市街化区域の中には、無数のファイルがあるイメージです。

続きへ都市計画法の流し読みテキスト②

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