宅地建物取引士資格試験を受けようとするなら、まずはどれくらいの難易度と合格率なのかを確認しておきましょう。
この記事では、宅建受験難易度と、合格に必要な勉強時間のイメージ等についても解説していきます。
試験の難易度
法律系の資格には、司法書士や行政書士等の国家資格がありますが、これらに比べると宅地建物取引士はかなり難易度が低い資格です。
司法書士は3%前後の合格率ですし、行政書士でも10%前後ですが、宅地建物取引士の合格率は、15%前後です。
受験者レベルの差もあり、数字的に見ても宅建の合格率の高さが見て取れます。
必要な勉強時間については、人それぞれ効率や必要時間が異なるとは思いますが、目安としての考え方はあります。
できるだけ分かりやすくまとめていきますので、参考にしてみてください。
宅建は「時間をかけて本気で頑張ればなんとかなる」といった感じの難易度です。
感覚的にそんな暗記チャレンジだと思ってください。
この暗記チャレンジを3カ月で終わらせる人もいれば、半年かけて覚える人もいるでしょう。
宅建取得にかかる勉強時間が曖昧なのは、確保できる勉強時間とかやる気の違いによる影響が大きいからなのです。
宅建合格に必要な勉強時間は、300時間から500時間位だと考えるのが一般的です。
過去問の答練時間や、テキストの理解等に必要とされる時間は誰でも同じですから、自動的に200時間位は必要になるはずです。
まったく不動産知識がない状態から3カ月程度で合格レベルに達する人もいますので、暗記する時間は人それぞれです。
計画の立て方や、ペース等によって変わりますので、自分に合った勉強量で予定しましょう。
参考記事
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試験の概要
一般財団法人不動産適正取引推進機構が、国土交通大臣の指定を受け、各都道府県知事の委任のもとに実施しています。
試験は、例年10月の第三日曜日に行われています。
宅建に課されている受験資格はありませんので、要するに誰でも受験できる試験です。
受講料は7,000円で、ネットでの申込み・支払いも可能です。
試験の内容
試験に出題される内容は、以下のように記載されています。
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
- 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
- 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
- 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
- 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
- 宅地及び建物の価格の評定に関すること。
- 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
文字で見ても良くわからないと思いますので、勉強前に具体的なイメージを持ちたい人は、関連記事でテキストの内容を確認してみてください。
全体のイメージや、大凡の勉強量が見えてくると思います。
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試験の方式
本試験では、全50問が出題され、四肢択一式による選択式の筆記試験です。
筆記試験と言っても、マークシートを塗りつぶすだけの方式ですので、解答を漢字等で記入するという意味ではありません。
登録講習修了者の場合は、5問分の免除がありますので全45問となります。
5問免除者の問題用紙は、最後の5問だけが抜けていて回答の必要がないということです。
この5問は、「その他法令」と呼ばれている、以下のような部分が免除されます。
- 税についての知識
- 住宅金融支援機構
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 土地の知識
- 建物の知識
講習に費やす時間と費用等を考えると、自分で勉強した方が早いという人もいると思いますので、事前に内容を確認してから決断すると良いと思います。
2017年 試験データ
29年度の申込者数は、258,511人でした。
その内、実際に試験を受けた人は、209,345人です。
そして、この中から見事合格したのが、32,644人でした。
平成29年の合格基準は、50問中35問以上の正解です。
興味深いのは、男性の申込者が179,029人。
これに対して、女性の申込者が65,383人です。
男性のほうが圧倒的に多いですよね?
そして、合格した男性は、21,677人でした。
15万人位が落ちている感じです・・。
ところが、女性の合格者は、10,967人もいます。
なんと、女性の合格率は16.8%でした。
宅建の合格率は、15%前後だと思われていますが、これは全体の話。
実は、女性については17%近い合格率なのです。
実際、28年度の女性合格率は17%ピッタリでした。
女性には、希望が持てる明るい結果ですね!
2018年 試験データ
申込者数 265,444人
受験者数 213,914人(受験率 80.6%)
男性 145,245人 女性 68,748人
※受験者数の内、50,415人は登録講習修了者です。
職業別構成比
- 不動産業 36.8%
- 他業種 22 %
- 建設関係 9.8%
- 金融関係 9.5%
- 学生 11 %
- 主婦 4 %
- その他 6.7%
合格判定基準
50問中37問以上正解した者
合格者数 33,360人(前年比2.2%増加)
男性 21,838人(前年比0.7%増加)
女性 11,522人(前年比5.1%増加)
合格率 15.6%
男性合格率 15%
女性合格率 16.8%
登録講習終了者の合格率 20.6%
総 評
基礎的な設問が多い年だったとはいえ、受験者のレベルが高かった年度だったという印象です。
合格基準点が37問を超えた事で、受験生の目標値が上がることは間違いないでしょう。
出題傾向が多少変化する可能性もありますので、これについては参考記事にまとめています。
参考記事
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2018年度のデータを見ても分かる通り、受験生の合格目標点が上昇することになるでしょう。
また、2020年には、先に公布されている民法の一部に法改正が実際に施行されます。
2020年度の試験は、新しく学習する範囲が大幅に増える為、2019年度で合しておきたいという人達も増加します。
つまり、例年以上に「合格したい」と真剣に勉強する人が多い年となると予想しています。
試験自体の難易度は変わらないでしょうし、変える必要もありませんから、単純に合格基準点が上昇するという現象が起き続けるかもしれません。
そうなると、自分が合格安全圏に入るために、38問以上の正解を目指す傾向が強まると考えています。
2019年度の改正点についても、別記事でまとめましたので、目を通しておくと良いと思います。
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誰もが悩む合格までのプロセスですが、細かく分けると以下の4つがあります。
- 本などを一切買わずにネットだけで独学
- 最低限の法令書物だけは購入して独学
- スクールの通信教育教材で学ぶ
- スクールに通学して学ぶ
因みに、私は限りなく1番に近い勉強法でした。
最近では、全ての法令情報はネットで手に入りますから、テキスト本を買う意味がかなり薄れたと思います。
ネット社会になった今、本を買うメリットは直接に「手にして読める」・「書き込める」といった事くらいでしょう。
スマホの進化によって、手にして読めるというメリットも薄れています。
テキストデータに線や色を付けてしまえば、「書き込める」というメリットも魅力とはならない時代になった側面もあります。
アナログに慣れている世代でなければ、むしろ本は不便なツールになってきたのではないかとさえ思えてきます。
私は、パソコンにコピーした法令データを加工して勉強に使っていました。
具体的には、暗記したい個所のフォント色を薄い黄色にしました。
そして、画面に赤い透明の下敷きをあてます。
すると、覚えたいところが消えるのです。
裏ワザテキストの完成です。(笑)
何か重要なポイントを書き込みたければ、すぐに入力もできます。
過去問を挿入することもできます。
私は、そうやって勉強したので、本を買う意味がありませんでした。
パソコンはとても便利な道具なので、活用したほうがいいと思います。
パソコンを持たない人は、当サイトのような無料テキストを提供しているサイトを利用し、通勤・通学の時間を使って読んでいけば良いと思います。
近年は、有料教材でもスマホ用のものが出ていますので、市販本のテキストは益々不要になった気がしています。
アナログの良さもありますが、便利だからこそデジタル化されたという経緯もあります。
過去問集については、本で購入するのが良いかもしれませんが、過去問専門のサイト等もあるようです。
色々とリサーチした上で、自分に合った教材を選びましょう。
まとめ
なんとなく宅地建物取引士の試験の概要が見えてきましたか?
後は、具体的な勉強方法や期間の設定を決めてスタートするだけです。
以下、関連記事となりますので、合わせてご確認ください。
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