本試験で40問以上の正解で合格する人達がいますが、彼等の勉強法がどんなものなのか知りたくありませんか?
宅建士についての勉強サイトでは、38~40問を目指した内容が多いと思いますし、自己設定をする場合でも38問を目指す人が圧倒的に多いと思います。
そこで、今回の記事では、40問以上の正解で合格する勉強法と、普通の勉強法との違いについて説明していきます。
はじめに
試験に対して最低限の努力で受かる事を考えると、合格基準点の設定は大抵38問になります。
しかし、余裕を持って確実な合格を目指す人達は、目標を45問前後の正解数に設定しています。
試験直前の模試の段階で、43問前後の正解で安定しているような人達です。
『合格』という結果だけを目指すならば、そこまでの努力は必要ない面もあるものの、少しでも高い得点で合格を目指すのは素晴らしい事です。
このようなレベルに到達するためには、どんな勉強が必要なのか、その分岐点について個人的に調べてみました。
不動産業界には、宅建を持っている人達がたくさんいますので、高得点で合格した人達に聞いた勉強法を紹介していきます。
私の本試験での正解数は38問でしたので、実体験として書けないのが悔やまれますが、皆さんの今後の学習のヒントにしていただければと思います。
テキストの精読
受験生が最初に行うのは、テキストや法令書の流し読みですよね。
まずは内容を知る事から始まりますから、いきなり過去問をやる人はいないと思います。
天才でもない限り、テキストを1度読んだだけで全てを覚えられる人はいませんから、何度か精読することになります。
この精読の回数に、一つ目の違いがありました。
高得点で合格している人達に聞くと、精読の回数は普通の受験生とあまり変わらないようです。
では、何が違うのかというと、どうやら「理解の深さ」です。
つまり、精読の質が違うということです。
精読のクオリティー
テキストを読み込んでいく際に、つい速読のような雑な読み方になることがありませんか?
このような読み方になる頻度が高い程、理解の精度が低くなりますよね。
高得点で合格する人達は、テキストの理解力が高いです。
つまり、理解が深いから、過去問や試験本番で間違えないという事なのです。
そして、高レベルの理解に到達するための方法は、精読に『回数』をかけるケースと、『1回の質を高める』という人に別れます。
彼等が理解力を深める為にやっていた事を聞いてみると、更に2種類の具体策があることに気付きました。
それは、「分り易いテキストを選ぶこと」と、「疑問をそのままにしない」という対策です。
後述しますが、これらを追及することで、テキスト精読の質が高まっているようです。
テキスト選びの違い
理解しやすいテキストの条件は、貴方にとって分かりやすい文章やレイアウトである事です。
人によって知識や読解力が異なるので、自分に合ったテキストは各自で異なるはずです。
例えば、「2×4=8」という式を説明するとしたら、『2が4つで8です』と説明するテキストもあれば、『×のマークは、2を4回足すという意味です』と説明するテキストもあるわけです。
貴方にとって理解しやすい文章で書かれたテキストを1度読むのと、自分にあわないテキストを1度読むのとでは、同じ時間で深く理解できる情報量に差が出ます。
宅建のような試験(国家資格)では、暗記量に比例してこの差が広がる為、テキストによって合格率が変わる事を意味しています。
ですから、高得点で合格する人達は、『自分に合ったテキスト選びが上手い』という違いがあると言えると思います。
疑問が理解を深める
流し読みの途中でふと疑問に感じる部分が出た時、皆さんはどのような行動をとっているでしょうか。
高得点者達には、「疑問を後回しにしない」と言う人が多いです。
流し読みの最中は「後で調べればいいや」等と考え、とりあえず1周目を終わらせることを優先したくなります。
高得点での合格を目指す人は、このような疑問を後回しにせず、その都度調べて理解を深めた上で先に進む選択をしているということですね。
確かに、深く調べると関連することに結びついたりすることも多いですから、手間をかけた分だけ記憶も強く残りそうです。
この点については、最初から細かい情報まで掲載されているテキストを選ぶという選択肢もありそうです。
そう考えてみると、38問以上での合格を目指す人と、40問以上での合格を目指す人の選ぶテキスト内容も違ってくるという事になります。
スクール各社のテキストは、高得点目標者でも使える情報量になっているので、ギリギリでの合格を目指す人達にはボリューム過多に見えるわけです。
過去問の回数
本試験で40問以上の正解で合格した人達に共通するのは、過去問の範囲と学習回数です。
この点が、勉強方法の違いとして最も顕著な部分でした。
また、独学受験を選んでいる人が多いのも特徴の一つだと思います。
私の場合、過去問の学習回数は、2回でした。(過去10年分)
部分的にチェックしておいた箇所だけ、5~6回学習するようなイメージです。
この程度の反復回数でも、38問以上での合格が可能なわけですが、高得点者に聞くと驚くような回数をこなしています。
私が聞いた限りでは、「過去10年分を10回はやった」等と平然と答える人が多かったです。
これが、『宅建は過去問攻略が鍵』と言われる所以なのかもしれませんね。
しかし、実際には、過去問をやるにも結構な時間がかかります。
私の場合も、もう少し回数を重ねる予定でいたのですが、時間的に2回が限界になってしまいました。
つまり、過去問での勉強を始められる状態になるまでに、思った以上に時間がかかる事が多いということです。
高得点者に、その時間のとり方についても聞いておきましたので、ご紹介しておきたいと思います。
過去問のスケジュール
コンセプト(合格目標点)が違えば、勉強量も違ってくるのは当然ですよね。
ですから、彼等のスケジュールは、一般的な勉強スケジュールとは少し異なるようです。
過去問をやる回数を「10回」と定める場合、試験前に集中してやるのが理想です。
ですから、逆算して予定を組む必要があります。
1問を解くのにかける時間を設定し、500問分(50問×10回)の予定を立てるわけです。
過去問を始める前にテキストの精読も終えている必要がありますから、過去問のスタート時期から逆算して予定を立てたそうです。
私の周囲では、「テキストの精読回数は2回だった」と言う人が最も多かったです。
1度しか読まずに、過去問中心に学習していったという人もいました。
過去問学習法
高得点者の過去問の学習法については、最初の数回については同じ科目だけ繰り返したという人が多いです。
後半は、全体を通して反復する「模試形式」をとっているようです。
過去問で間違えた部分等は、その都度テキストで確認しながら復習するそうです。
後でまとめて確認するといった行動をとらない点も、普通の受験生との違いかもしれません。
このような勉強法を考慮して、当サイトの過去問テキストは、科目(法令の種類)ごとに過去問集を作成しています。
また、該当する内容が記載されているテキストに瞬間的に移動できるように、解説からリンクを貼っていますので、学習ツールとして利用してみてください。
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模試について
過去問を10回もやっている人が模試を受講する必要はなさそうですが、聞いてみる限りでは8割以上が模試を受けていました。
面白いのは、全員が結果的に必要なかったと考えている事です。
勉強量的にもトップクラスの人達なので、模試で最終確認するまでもないのですが、多くの受験生と同じように「一応受けておこう」という事になるようです。
一般的な受験生の多くは、過去問を十分に反復する時間が取れないまま本試験を迎えていると思います。
もしかすると、模試を受ける必要性は低く、過去問を反復することを選択すべきなのかもしれません。
当サイトでの勉強法
当サイトのコンセプトは、38問以上での合格を目指すものです。
高得点での合格を目標にせず、ただただ合格を目標にする内容なので、今回のご紹介したような勉強法を選ぶ方々には向かないかもしれません。
過去問テキストについては、どんな目標を持つ人にも役立つ内容で、解説についてもわりとオリジナリティがある方だと思います。
テキストについては、なるべくミニマムな情報量になるように心がけて作成し、頭に入り易い説明を意識しています。
メイン教材として使用してくださる方々からのメッセージに励まされながら、一貫した無料提供で頑張っています。
法改正にもいち早く対応していきますので、フィーリングの合う方は使ってみてください。
ホームページにて、テキストの他、傾向と対策等についても確認できるようになっています。
サイドバーのカテゴリーを使用すると便利だと思います。
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まとめ
高得点で合格する人達の勉強法をまとめると、テキストの選別で精読の質を向上させ、過去問の反復回数を多めにしたスケジュールを組むという事です。
目標点によって、勉強のスケジュールは大きく変わることを実感させられますね。
過去問が解けないのは、テキストの理解が足りないからです。
そこで、もう一度テキストを読むということを繰り返すので、結果的に精読も反復されていくという事でしょう。
条文確認による正確な勉強についても、過去問の解説等を読んだ際に行うことが多い為、やはり「過去問学習の時間をどれだけとれるか」にかかっている試験である実態が見えてきますね。