ストレスによる心労が重なれば、誰でも鬱(うつ)病に発展する可能性があります。
鬱は、普通の病とは違って、一度かかってしまうと立ち直るのに長い期間が必要になる事も多い病気です。
この記事では、不動産営業マンがかかりやすい「燃え尽き」による鬱の症状と、対処法等についてご紹介します。
燃え尽き症候群とは
燃え尽き症候群は、無気力症候群とも呼ばれ、仕事や勉強等に一生懸命に打ち込み過ぎることが元となって起こる鬱(うつ)の一種です。
燃え尽き(無気力)症候群は、激務・ノルマ・ストレス等が強い業種で起きやすい精神の病だそうです。
看護・介護職、プログラマー、教師、芸能、営業職等に多いという共通点があるそうです。
そして、大きな仕事をクリアした時や、仕事に区切りがついた時等をきっかけに症状が表面化する事が多いようです。
その名の通り、達成感と共に燃え尽きてしまうわけですね。
燃え尽き・無気力の症状
この病は、気持ちの優しい人や、真面目な人がなりやすい傾向があるようです。
これは、うつ病にも共通する部分です。
不動産営業マンがこの病にかかると、以下のような症状が出てきます。
- 他の営業マンと話をしなくなる
- 無気力でダルそうにしている
- 頭痛がひどく、薬を常用する
- 意味の無い下見が増える
- 携帯電話が鳴るとイライラする
- 顧客の悪口を言う
- 上司への受け答えが横柄になる
- ため息が多い
- ネガティブな発言が増える
- 突然に退職を決断する
熱心に頑張っていた人がかかるので、周囲も病気とは思いません。
プレッシャーやストレスが飽和状態になり、このような症状を感じ始めるのです。
最終的には、「この仕事に疲れた」等と言い残して辞めていくことになります。
芸能人等でも、「世の中のペースに合わせるのが辛くなった」等という理由で引退をする人がいますよね。
せっかく有名になったのに勿体ない話ですが、疲弊して人前に立つエネルギーが無い状態になってしまうのだと思います。
燃え尽き症候群の原因
この病の原因は、人によって様々だと思います。
でも、不動産営業職に関しては、共通する原因があるように見えます。
それは、「自分を責めてしまう」という原因です。
私が見てきた人達は、どの人も仕事をきちんとこなしていました。
つまり、仕事の能力としては何も問題がないのです。
続ける事さえできれば、必ず生き残っていける人達でした。
責任感が強いので、頑張り過ぎて疲弊していくのですが、それでも結果が出ない事はあります。
すると、彼等は自分の能力や判断が悪かったと考えてしまうのです。
それでも頑張って続けていけば、やがて結果が出てきますよね。
しかし、その結果を出すために、彼等は限界を超えた頑張りをしてしまいます。
だから、「結果は出たけれど、こんな事を続けていくのは無理だ」と燃え尽きてしまうのではないでしょうか。
燃え尽き・無気力への改善策
この病の原因が、頑張り過ぎる性格や、ストレス耐性にあるとすれば、逆のことをすれば良い気もします。
でも、真面目な人に「不真面目にやれ」と言っても、それはそれでストレスなのでしょう。
ですから、もっと別の視点で、時間をかけて改善策を検討する必要があると思います。
いくつか、私の経験から、考え得る改善策を挙げておきたいと思います。
人生の再設計と理想の生き方
能力的にはとても向いている人でも、心の職業適性という問題があります。
心理学的な勉強をして、メンタルコントロールを出来るようにすることも解決策の一つだと思います。
その上で、自分の性格に合った仕事をもう一度考えてみることも必要かもしれません。
理想の生き方とペースを考え、人生の再設計をすることが第一歩なのではないでしょうか。
そんな視点から考えた時、不動産営業という仕事が自分にとってマイナスだという結論に達した人は、続けていくのは困難だと思います。
逆に、メンタルコントロールの未熟さが原因だと気付き、続けていくことを選択できるのなら、そのためのノウハウを手にして訓練していけば良いと思います。
参考記事
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不動産営業マン向けのブログ記事
不動産営業職についてのブログ記事の中から、最も多い中級レベル層の参考になるものを集めました。 不動産営業マンとして2~3年の経験がある人達は、実力的にも一人前として見られ始めますが、伸び悩む時期を迎え ...
自分だけの働き方改革
できれば、精神的な症状が重くなる前に改善策を講じたいところですよね。
それには、仕事のペースと量をコントロールすることも大事だと思います。
そのまま頑張り過ぎていても、どうせ働けなくなってしまうのですから、自分の楽なペースで働いてみたら良いと思います。
これは、サボれという意味ではなくて、自分を追いつめない働き方に変えるという事です。
無理に期待に応えようとせず、自分の満足いく最低限の結果を目指してみるのです。
そして、元気とやる気が出てきたら、また少し頑張ってみれば良いのではないでしょうか。
心療内科での治療
悩みを打ち明けられる人への相談や、自分なりの改善策を講じてもダメだった時には、専門家に頼るしかないでしょう。
薬によって改善する人もいるようですから、本当は早く診察を受けた方が良いのかもしれませんね。
能力的には問題がないのですから、早めに薬を飲んでいれば続けられた人もいたのではないかとも思うのです。
精神的な事で病院に行くのは、なんだか気が進まないのも理解できます。
でも、順番としては、病院での治療を受けながら、自分の改善策を模索するのが正しい対策なのかもしれません。
まとめ
今回ご紹介した改善策によって、どれだけの効果があるかはわかりません。
でも、何もしないよりは良いはずです。
少しでも燃え尽き症候群の症状を感じたら、積極的に対策を講じていきましょう。
私が実践してきた、自己認知によるストレス軽減方法についても、参考記事でご紹介しています。
参考記事
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メンタルコントロールと心理学的ストレス解消法
皆さんは、自分がストレスを感じた時に、どのような行動をするか認識できていますか? また、そのストレスを効果的に解消する方法を持っているでしょうか。 心理学的には、パーソナリティタイプによって、ストレス ...