この記事では、宅建受験の際に有効な、過去問の勉強方法についてご紹介します。
宅建士の試験では、過去問の攻略が鍵となります。
そこで、受験初心者だけでなく、リベンジ受験の人達にも参考になるような、過去問の最短学習手順と注意点について説明していきます。
参考にして、受験に役立ててください。
科目ごとの分析
過去問を勉強する前に、試験での各科目の出題数を把握しましょう。
どの法律から何問の出題がされているのかを掴むことから始めてください。
この視点で過去問を見ると、各法律の出題数の傾向をよく理解できるからです。
この作業は少し面倒ですし、時間もかかります。
そこで、時間の無い人は、当サイトのような宅建サイトで調べると良いでしょう。
当サイトでも、出題傾向について分析した記事がありますので、参考にしていただければと思います。
出題予想についても公開していますので、合わせて読んでおくと良いと思います。
参考記事
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宅建士試験の出題配分を分析予想 2019年度版
2018年の本試験は、例年よりも合格判定基準点が高くなり、37問以上の正解が必要となる結果でした。 2019年度の宅建士試験を確実に合格するためには、今までとは少し見方を変えなければいけない部分も出て ...
出題数と難易度の関係性も理解する必要がありますが、これは勉強を進めていくうちに自然に理解できるようになっていきますので焦らなくてOKです。
また、民法のように、出題数は多くても問題の難易度が高い科目は、力を入れて勉強しないほうが良い箇所もあります。
反対に、出題数が毎年1問しかなくても、問題の難易度が低ければ、得点源として狙うのが得策です。
この辺りの戦略を、自分に合った配分で考えておくことが大事です。
過去問を勉強する上で、このコンセプトが決まっていないと、力の入れどころがズレてしまうことになりかねませんよね?
ですから、過去問学習を始める前に、しっかりと考えておいてください。
過去問学習の時期
宅建の学習では、過去問を勉強するタイミングも重要です。
過去問は、「自分がどれだけ正確に覚えられているか」を確認するために使いましょう。
まずは、全体の勉強スケジュールを立てることから始めると良いと思います。
スケジュールが決まったら、優先科目から流し読みをします。
法令の概要を理解したら、次は重要ポイントと感じる部分を暗記する意識をもって精読してください。
この工程が終わったタイミングが、過去問を行う時です。
いきなり過去問をやっても、時間だけが無駄になります。
過去問は、テキストの読み流しを終え、ある程度の記憶量を持ったうえでやるようにしましょう。
参考記事
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宅建合格者の独学勉強スケジュールと勉強法を公開!
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過去問の注意点
テキストの流し読みが終わると、「過去問ではどんな形で出題されているのだろう」という事が気になり始めます。
すると、「過去問の出題傾向を掴みながらポイントを暗記していこう」と考えてしまいます。
これを始めると、良く出ている部分等を探す作業に時間をとられることになります。
私は、これで失敗し、時間をロスした時期がありました。
後から思うと、しっかりと読み込んでからやるべきだったと思います。
早すぎる段階で過去問に手を出してしまうと、かえって効率が悪くります。
暗記量が足りない状態で過去問を始めてしまうと、結局は二度手間になるからです。
それに、法令の理解が進んでいない状態で過去問を見ても、分析力にも乏しいので時間がかかります。
間違える設問も多い為、チェック事項が大量になり、自信も無くなります。
私と同じ過ちを犯さないように気を付けてくださいね。
過去問での模試
もう一つ、過去問学習での注意事項をお伝えしておきます。
先程のアドバイスの通り、過去問学習は、勉強が終わった部分だけやります。
例えば、宅建業法の勉強が終わったら、宅建業法の過去問だけやります。
他の問題には一切手を付けないでください。
宅建業法だけに集中できる過去問テキストも作成していますので、合わせて使ってみてください。
その他の過去問テキストについても、HPから利用できます。
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再受験の場合
再受験の人の場合、早い段階から過去問を模試のように使用できる学習状態ですよね?
ですから、2年目以降の受験勉強では、ひたすら過去問に取り組む人も多いのではないかと思います。
私がここでもう一つ注意したいのは、このリベンジ受験の際の過去問学習についてです。
正しい学習方法ですし、皆さんが過去問をやりたくなるのは理解できます。
しかし、現在の実力では合格できないレベルだという事実を一度受け入れてください。
中途半端な勉強量のまま過去問で模試をしても、あまり結果は変わらないはずです。
「今、何点くらいとれるのか」が気になっているだけで、勉強をしているのとは少し違うことになってしまう可能性が高いと思うのです。
それに、50問を解くのは結構な疲労感ですよね。
過去問での模試を終えた後、復習する気力も出ないという結果になりがちです。
これだと、ただ問題を解いただけで、それほど勉強になっていません。
時間だけが無駄になる結果になりやすいと思いますので、模試をやりたい気持ちはグっと我慢です。
模試は、勉強が終わった人がやらなければ意味がないと心得ましょう。
過去問は、間違えたところをしっかり復習することが肝心です。
ですから、過去問でガンガン模試をするだけの勉強法は、非効率なやり方です。
まずは、よく理解した法令から順番に過去問をやってください。
全体(50問)での腕試しは、その後にやる事です。
ですから、再受験の人達も、もう一度初心に戻ってテキストを読んでください。
法改正もあるでしょうし、精読が足りない部分に気付くことも多いはずです。
何事も基礎をしっかりやることが成功に繋がります。
2年目になって、初めて本当の意味等に気付くこともあると思いますので、まずは地道に精読からやり直してみてください。
暗記方法とコツ
法令での暗記のコツは、『消費者保護』の観点から重要な部分を考える事です。
そもそも、この試験は不動産事業者が公正で円滑な取引を行う事を促進するのが目的ですよね?
ですから、自分が不動産業者になった際に「覚えておかないとマズイ」と思う部分が、試験でも優先的な出題事項になるのです。
過去問を勉強するとわかると思いますが、結局はそのような場所がよく出題されているのです。
このような意識で、しっかりとテキストを読み込みましょう。
暗記を行ってから過去問をやると、復習しなければいけない問題数も減ります。
結果的に、中途半端に過去問に手を出すよりも効率が良い勉強方法になるはずです。
暗記の方法には、他にもコツがあります。
語呂合わせ等で覚える人もいるようですが、部分的な使用に留めた方が無難です。
合格が近くなる暗記法は、もっと違う視点が必要だと思います。
詳しくは以下の参考記事で説明しています。
参考記事
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宅建の最速暗記術は語呂合わせではない!?
宅建の勉強には、覚えなければならない情報がたくさんあります。 特別に難しい内容ではありませんが、数か月をかけて暗記する程の量があります。 そこで、誰もが「少しでも暗記量を減らしたい」と考えますよね。 ...
過去問解説と対処
ある程度、暗記をしっかりと行った上で過去問をやっても、間違えてしまう問題はかなり多いと思います。
これは、暗記不足の問題だけでは無く、『ひっかけ手法』や『文章表現』等に慣れていない事が主要な原因になるからです。
間違えた問題を全部やり直していくには、膨大な時間が必要ですよね。
時間がある人は、それでも良いと思いますが、必要最低限で進めるならば、少し工夫したほうが良いと思います。
宅建の試験は、4つの肢から一つを選ぶ試験形態です。
4つの肢を一つの問題として見るのではなく、個々の肢ごとに○か×かの判断をする勉強をしていくと良いです。
1番は○、2番は×、3番は・・・というように、1つの設問には4つの答えがあります。
問題の正解だけを見抜く勉強をしてしまうと、違う出され方をした時に対応できない可能性があります。
ですから、間違えた個別の肢に印(しるし)などをつけ、次回に正解できたら印を消す方法が有効です。
間違えた問題は、過去問の解説できちんと理解を深め、必要であればテキストも見直して復習してください。
私は、自作した暗記用テキストに、過去問の重要ポイントを書きこんでいました。
つまり、暗記と過去問学習が同時進行できるテキストです。
当サイトの無料テキストも、このような視点で作成しています。
自分に合うと感じた人は使ってみると良いと思います。
宅建業法等の主要科目のテキストでは、過去問の量が多いので割愛し、別記事の過去問集で集中的に学習できるようにしてあります。
過去問の回数
科目(法令)ごとに、全ての過去問を流すことを1周とします。
最低でも、過去10年分はやった方が良いと思います。
ですから、10年分で1周だと考えてください。
2周目以降は、間違えた部分(印等をつけておいた肢)だけを解いていきましょう。
2周目が終わった時点で、一応はその法令の勉強が終わった状態だと考えて良いと思います。
試験本番までの期間では、苦手な部分の復習をしていきましょう。
3周目という意識ではなく、記憶を強くするための鍛錬といった感じです。
この作業を、各法令で繰り返していきます。
特に、宅建業法については、最後まで磨きをかけ、イージーミスで落とさない訓練をしておきましょう。
誰もが得点源にしている部分ですから、「出来て当たり前」の科目です。
民法等、深く勉強していない部分が不安になることもあると思いますが、ここで当初に立てた得点配分とスケジュールが活きてきます。
試験直前の心理については、以下の記事が参考になると思います。
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宅建本試験での不安解消法
10月は、宅建受験生にとって緊張が最高潮まで高まる月です。 いよいよ本番という雰囲気の中、思うように勉強が進んでいない焦りも出てくる時期ではないでしょうか。 焦る気持ちが心を惑わし、勉強方針での間違え ...
模試について
模擬試験は、全ての科目で過去問を2周以上行った段階でやると良いと思います。
そうでないと、勉強が終わっていない状態で模試をすることになるからです。
模試については、直近の過去問をやらずに残しておき、模試の代わりにする人も多いと思います。
スクール等の模試を受けない人は、これで充分対応できると思います。
試験までの勉強時間に余裕の無い人は、スクールの模試を受けずに過去問だけで勝負しても大丈夫です。
変に時間をとられるよりは、過去問学習を強化した方が合格率は高くなります。
本来、模擬試験は、過去問をマスターしていればやる必要が無いくらいです。
どちらかというと、試験の時間配分に慣れる為とか、心理的に自信をつける効果の方を狙って受験するものだと思います。
ですから、過去問を試験さながらに行い、合格ラインを少し高めに考えておけばOKです。
既に知っている問題をテストするのですから、80%以上の正解を合格ラインにすれば良いでしょう。
有料模試を受けるのも良いと思いますが、あえて未知の問題でやる必要性は低いのかもしれませんね。
合格者の多くが「後から考えると必要なかった」とこぼしていることからも、その重要性はそれほど高くないことが分かるでしょう。
まとめ
合格者達の多くは、大体が似通った勉強方法を採用しています。
おそらく、過去問中心にやるべきだと主張しない人はいないでしょう。
基本的なプロセスは一緒ですが、私は以下の2点が特に重要だと考えています。
・自分に合った教材を選ぶこと
・良いスケジュールを立て、それを守る事
つまり、良い教材を選ぶための情報と、良いスケジュールを立てる為の情報を手に入れることが大事ということですね。
あとは、今回ご紹介した過去問学習の注意点とコツを実行すればOKです。
予定をしっかり実行することができれば、合格は間違いないと思いますよ!