宅建の受験勉強において、過去問の反復学習は最も効果の高い学習法です。
しかし、多くの受験生が、この過去問の反復練習の過程で様々な悩み(壁)を感じることになります。
宅建受験には、スクールでは教えてもらえない独学合格者ならではの思考とノウハウがあります。
試験直前期では、過去問の学習で迷走しないように注意が必要です。
この記事は、市販テキストを使わずに独学合格した経験から、過去問学習についてのアドバイスを記載しています。
宅建受験生が過去問の勉強をする際に陥りがちな問題点について、対処法や考え方等をご紹介したいと思います。
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過去問は膨大!
コロナ渦では本試験が2回に分けて行われました。
このため、コロナ渦での過去問量は2倍に増加しました。
50問全てを解くだけでも相当な時間がかかりますから、全ての過去問を学習するには膨大な時間が必要です。
その上、間違えた問題について復習する時間もありますから、なかなか大変な作業になります。
この為、過去5~10年程度に絞って学習するのが正攻法となります。
あまり遡り過ぎると、直近の改正点に対応していなかったりするので、教材選びには注意しましょう。
受験生の多くは、「過去問を3周する!」等といった目標を立てます。
このような学習計画について注意点を挙げていきますので、対処法を含めて考えてみてください。
過去問の使い方
過去問学習をする際、受験生に最も気を付けて欲しいのは、「ただ問題を解いているだけ」という状態にならないことです。
反復するという目的を達成することばかりに意識が向き、「3回やれば安心」等といった思考にならないように注意しましょう。
過去問は、自分が理解していない部分をしっかりと確認することで力がつきます。
少し違う聞き方をされただけで対応できなくなるようでは、過去問の内容を理解したことになりません。
私が最も強く言いたいのは、過去問をこなす事が大事なのではなく、過去問に出た箇所をきちんと理解することが大事、という事です。
当サイトの無料テキストと過去問テキストは、このような視点を持って作成(連動)していますので、ぜひ活用してみてください。
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無駄な思考と不安
当初は、過去5~7年くらいの過去問を2~3周しようと考える人が多いです。
でも、試験数カ月前になると時間が足りなくなり、結局は過去5年分くらいしかできなかった人も多いのではないでしょうか。
試験直前期では、「もっと過去まで遡った方がいいのではないか」と手を広げる人や、「過去10年分をしっかりと1周だけ勉強するほうがいいのでは?」等と方針転換をする人等、色々と迷走しがちな時期が来ます。
近年の宅建対策では、過去問の学習は法令の種類によってコントロールすべきだと思います。
全ての過去問をこなすのではなく、宅建業法のような重要課題については過去10年分、同じような出題内容が続いている法令については過去5年程度・・など、科目ごとに学習計画を立てるのがベストだと思います。
当サイトでは、このような学習ができるように、科目別に分類した過去問集を無料アップしています。
テキストを流し読みしたら、直近の法改正部分を学び、すぐに過去問学習に入りましょう。
目標に縛られる人
真面目な人ほど、きちんとした目標を立て、必ずやり遂げようと考えると思います。
とても立派な志なのですが、近年の宅建学習では、過去問を何周するかを決めるのは少し危険かもしれません。
先程も述べた通り、法改正や試験開催数の増加等があったからです。
目標通りに進まないと、焦りが出てきてしまい、「早く先に進まなければ」とか「早く次の年度の過去問をやらないと!」といった思考になりがちです。
この為、ろくに身に付いていない状態で先に進んでしまうことに繋がります。
大事な所だからこそ、過去問で出題されているのですから、1つ1つしっかりとクリアしていくことが大切です。
そして、ただ丁寧に勉強するのではなく、優先順位をもって取り組んでください。
頻出問題と、満点をとらせないための補助的な問題の違いにも注目して欲しいと思います。
以下、最近のオススメ勉強法を少し詳しくご紹介しておきます。
動画と書面の使い分け
最近の受験生は、動画で授業を受けているケースが多いです。
しかし、宅建の試験は書面で行われるものですので、動画媒体に慣れすぎるのも問題です。
要するに、文章(条文や問題文)で理解し、慣れておくことが合格への近道とも言えるわけです。
動画は、最初の理解や、難度が高い内容等を理解するために使うべきだと思います。
基本的には文字媒体での学習に慣れ、文字で雰囲気を掴める経験値が重要ですから、苦しくてもこの道を選ぶことだと思います。
動画での学習は早々に終わりにし、過去問やテキスト中心の勉強に切り替えましょう。
結局のところ、頭にしっかりと文字で入っている情報で差が出ます。
今後の過去問学習法
過去問の学習は、深みにハマりすぎてはいけません。
つまり、「そこまでやらなくても良い法令がある」という意味です。
計画を練り直す際に思い出していただきたいのは、宅建試験の出題割合です。
宅建の試験は、宅建業法からの出題が最も多いわけですから、まずは宅建業法の過去問を完璧にすることが最優先です。
そして、宅建業法は、法改正部分に注意しながら過去5年以上はクリアしておきましょう。
これを完璧にしたら、次の法令に移るというスケジュールにしてみてください。
もし、試験直前で時間が足りなくなったら、出題の可能性が低い部分の勉強を省略すべきです。
これを実現するには、試験に出る順で勉強していくしかありません。
直近で法改正が多い法令等は、少し過去問の量を減らすことも検討しつつ、バランスをよく考えていきましょう。
不安や焦りで無駄な思考をするのではなく、戦略的に時間を使いましょう。
独学について
最後に、独学の認識について補足しておきます。
スクール各社などを発信する内容を目にした人達は、その広告戦略によって「独学は効率が悪い」とか「スクール学習が最短だ」といったイメージを持つようになります。
独学で学ぶことへの不安心理を突いた戦略なので、生命保険の勧誘と似ていると感じます。
実際のところ、独学でもスクール教材でも必要となる学習時間は同じようなものですし、人によっては独学の方が早い人さえいます。
宅建の学習内容は、1つ1つはそれほど難しくありませんので、口語化さえできれば誰でも理解できる内容です。
例えば、「開発許可が必要になる面積は何平米?」という知識を頭に入れるのに先生の授業が必要でしょうか。
宅建試験は、このような単純な暗記作業に近い試験ですから、誰かに教えてもらう必要性が低いのです。
どんなテキストを使おうと、同じ内容を覚えるだけのことなので、あまり固定概念にとらわれず、自分に合った勉強法を選んでください。
まとめ
試験勉強では、直前になる程に焦りや不安が出てきます。
その時には、経験者が書いた記事等を探して読んでみることも有効な対策になると思います。
結局のところ、本番で力を発揮するには、通常メンタルの維持が重要ですから、最期の仕上げとしてメンタル面(心構えなど)の学習も有効だと思うのです。
スクール各社等は、教材が売れないと商売にならないので、このようなポイントについてあまり説明されていないように感じます。
受験生の不安心理を煽り、「総仕上げとしてこの問題集をやっておきましょう」等という広告に惑わされず、本当に必要な勉強をする意識を持ってください。
それぞれの勉強量は異なりますから、対策や方針等についても全く同じなわけではありません。
スクール各社のアドバイスを鵜呑みにするのではなく、最終的には自分の分析と決断で最善の勉強スケジュールを決めましょう。
過去問学習での迷走を防ぐ対策は、宅建業法を最優先し、法令によって学習年度数をコントロールすることです。
これには、出題傾向や各ジャンルの出題率を把握することが不可欠です。
直前3カ月を切った段階では、このような視点で勉強スケジュールを微調整してください。
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