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法改正

2023年宅建試験の法改正への備え

 

今回は、宅建試験における法改正についての取り組み方や重要度の判別法について、初学者向けにコツをまとめておきます。

2023年度の試験でも、法改正が生じる部分がいくつかありますので、要点等を交えながら解説していきます。

初学者の方は、誤った学習バランスに陥ることも多いので、注意点等を頭の片隅に入れておいていただければと思います。

 

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改正は、試験的に重要ではない場合もある

ご存知の通り、宅建の資格は不動産の専門知識を身に付けているかどうかを試される内容です。

中でも、宅建業法はメインとなる法令で、誰もが完璧に近いところまで勉強しなくてはならない法令となっています。

 

どんな国家資格でも、「必ず覚えておいて欲しい部分」というものがあり、その部分が頻出問題になります。

一方、「できれば覚えておくと良い」という意図で出題されている部分については、得点源とは言えない部分になるので、試験対策的には後回しにすべきです。

 

では、法改正部分についてはどう考えるべきでしょうか。

過去の傾向から見て、宅建試験での法改正では、法改正内容の重要度によって扱いが異なるという印象があります。

 

法律が変わったのですから、どれも重要なことではあるのですが、不動産取引においてあまり使わない部分の改正である場合などは、改正後も出題が無いままとなっている箇所が存在します。

 

具体的には、農地法の手続上の改正であるとか、建築基準法上の細かい改正等です。

この為、あまり法改正を気にしすぎると本来の頻出部分に費やすべき時間を浪費することになりますので注意しましょう。

 

 

法律の重要度で判断しよう

宅建の試験で最も重要なのは「宅建業法」です。

ですから、宅建業法に関する法改正については、かなり重要度が高いと判断できます。

 

2023年度の改正点においては、35書面・37条書面の押印について大きな変化があります。

電磁的方法に対応するため、押印義務が廃止されています。

このような改正点は非常に重要で、改正直後から出題される可能性があります。

 

宅建業法に次いで重要なのは、都市計画法・建築基準法・民法・不動産登記法等です。

売買取引に直結する知識なので、「必ず覚えておいて欲しい」という内容に該当しやすいのです。

 

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建築基準法と民法はやりすぎに注意

建築基準法や民法は、条文数も多いですし、直近での改正箇所がたくさんあります。

気付いてしまうと心配になるのは分かりますが、まずは基本となる頻出箇所をマスターするのが先決であることを忘れないでください。

 

法改正の勉強は、あくまでも予備的というか、頻出箇所の勉強が終わってからでも良いくらいです。

解釈が分かれそうな条文等の場合、何年後かの試験から出題されることもありますし、必ず出るとは限らないからです。

 

宅建業法については別ですが、それ以外の法令については、内容の重要度をよく考えて力の注ぎ方を調整しましょう。

 

2023年の法改正内容

超ダイジェスト的に、宅建業法以外の2023年の改正ポイントを挙げておきます。

私見にはなりますが、勉強の注力度にも触れながらザッと見ていきましょう。

 

民法

実務的に重要な改正点としては、境界調査や測量の目的で隣地を使用する際の考え方が緩和された事です。

住家の場合には許可が承諾がいりますが、空き地等の場合には必ずしも許可がいらなくなったので、ここはいづれ出題されると感じます。

 

また、空中越境した枝については、旧民法では所有者に枝の除去を願い出るのが基本的な考え方です。

実務的には、「こちらで切らせていただいてもよろしいでしょうか」といった承諾行動が必要だったわけですね。

 

この部分についても、少しだけ緩和されています。

急迫した事情がある場合や、所有者が切除してくれない場合等について、勝手に切除できるようにしたのです。

所有者がどこにいるか分からない場合にも、一応は勝手に切除できるようにしています。

 

トラブルを減らすためにも必要な改正ですし、とても実務的な歩み寄りだと思います。

このような部分は、出題される可能性が高いと考えておくと良いでしょう。

 

その他、相続関連の改正等も注目度が高まっている内容ですので、余裕がある方は学習しておくと良いかもしれません。

(宅建試験対策としては、他に優先すべき項目があると考えます)

 

不動産登記法

相続人に対する遺贈があった場合、これに関する所有権移転の登記を登記権利者が単独で申請できるようになりました。

従来は、当期権利者と登記義務者が共同して行うように規定されていましたが、申請手続きが緩和されたわけです。

今すぐ出題される部分ではなさそうな気もしますが、将来的には出題されてもおかしくないかな・・といった印象です。

 

また、不動産登記法では、新設条文として、買い戻し特約について改正がありました。

特約によって、一定条件のもとで物件が買い戻せることになっている場合等を想像してください。

契約から10年経ったら、権利者が単独でこの買い戻しの登記を抹消申請できることになりました。

要するに、「10年間も買い戻しが実行されないのなら、単独で消してスッキリできるようにしてあげようよ」ってことですね。

 

借地借家法

借地借家法についても、デジタル化に伴う改正がありました。

書面について電磁的方法による交付が可能になっています。

注意が必要なのは、相手の承諾が必要になるケースがある事です。

 

定期建物賃貸借の事前説明書については、その内容の重要性から、相手の承諾が必要ということにしたようです。

定期建物賃貸借の場合、「いつ、どんな場合に解約になるのか」といった事項について、通常の賃貸借契約よりも重要度が高いですよね?

よく理解せずに契約する人が増えてトラブルが増加してしまうと、法改正の意味がありません。

そんな事情や社会的背景等に思いを巡らせてみると、それほど暗記力がいらない内容に感じるのではないでしょうか。

 

景品表示法

時代の変化により、映像媒体等による表示方法が多様化しています。

これに対応するため、かなり広い範囲に渡って改正点がありました。

 

全てを学習するのは少し大変かもしれませんので、効率よくポイントをまとめた予想問題等をやっておく程度でいいと思います。

2023年~2025年くらいまでは、改正部分からの出題に注意が必要かもしれません。

 

超簡単に言えば、動画等による広告上の注意や、不動産の物件情報の表示についての改正です。

セットバック内容についての記載や、価格の表示方法、所要時間の考え方等、より細かく規定されました。

 

このような、不動産取引と関係性が高いと感じる部分は、勉強をしておくと良いです。

常識的な話でもあるので、一度目を通しておくだけでも充分に対応できる内容だと思います。

景品表示法については、メインの法令ではありませんので、「この規定は、なんとなく見たことある」という状態にしておくことが重要です。

 

まとめ

かなり大雑把に改正点をまとめましたが、要点や考え方はなんとなくイメージできたのではないでしょうか。

改正点については、新刊のテキストに反映されるのが遅れることもありますので、ネット等で調べておくと良いです。

宅建試験における法改正への備え方は、法令の優先順位を第一に対策しましょう。

次に、実務的にどの程度の重要性があるかで考えることです。

国家資格の試験では、過去問から出題者の意図を考えてみることも大切で、それが分かると正しく取捨選択できるようになると思います。

そういった意味でも、過去問演習を最優先して頑張ってみてください。

当サイトでも過去の改正点や過去問の解説等をまとめていますので、勉強に役立てていただければと思います。

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