不動産動向

不動産業界が直面するメタバース危機

メタバース事業の拡大は、不動産業界に多大な影響を及ぼす変化となります。

それが「いつ」なのかという事を論じるのではなく、まずは確実に起こる変化を捉えておきましょう。

何故なら、いつ来ても良い準備をしておく事の方が大切だからです。

準備さえできていれば、いつ変化が起こっても良いわけですから、時期を気にする必要もありませんよね。

この記事が、そんな準備に役立つ情報となれば幸いです。

 

需要減少での変化

他の記事でも触れたことがありますが、メタバース事業では、既に様々なサービスが登場しています。

コロナ渦では、実際に対面して話をする重要性を再認識した企業もあった事と思いますが、その一方でリモートの利便性やコストパフォーマンスにメリットを感じる企業も増えました。

 

つまり、「実際に会って話をするのが良い」というニーズと、「リモートの方が良い」というニーズに分かれたわけです。

メタバース内では、このような相反する2つのニーズの両方を満たすことができるサービスも出てきました。

 

仮想空間とはいえ、お互いが実際にその場にいる感覚で、スムーズに話ができるようになっているのです。

簡単に言えば、全ての企業がデリバリーできる感覚です。

VRゴーグルをつけてログインすれば、いつでもお店に足を運ぶのと同じレベルの接客サービスが受けられる時代になっていくということです。

 

職場がメタバース内になっていく業種も増えていくでしょう。

私自身、メタバース内で事務所を構えることができるようになれば、いち早く契約しようと考えています。

 

買物・ゲーム・旅行等についても、メタバースでのサービスを利用する人が確実に増えます。

すると、不動産業界には確実に需給での変化が出てきますよね。

個人的には、5年程度で世界は本当に様変わりすると思います。

 

賃貸事業への影響

メタバース内でのショッピング環境や、労働環境の整備が進むと、人々は現実の街に出向く機会が減ります。

緊急事態宣言中のように、日々の街の様子が閑散とし、ネット内での経済活動比重が高くなるでしょう。

 

若い世代を中心に、メタバース内での活動が増えていきますので、毎日のように家に食事を届けてもらうという新しい文化が芽生えそうな予感もします。

このような変化が起こった後の世界では、物価の安い地方都市の方がメリットがあると感じる人も出てきそうです。

 

確実に言えるのは、今までとは違うニーズが出てくる事と、必ず何らかの需給変化が発生するという事です。

 

テナント規模の変化

広いテナントスペースは、メタバース内に持つ方が遥にコストが安く、人も集めやすくなります。

なので、事務所テナントは小型化していくと思います。

事務所自体をメタバース内に持つ企業も出てくるでしょうから、将来的には空きが出てくるのではないでしょうか。

 

50代以上の社員が退職していった後、新しい人員をメタバース上で補う動きも出てくると思います。

事務所を縮小し、郊外やメタバース内へ移転するのが常識化してくると、もはや市場崩壊です。

 

空いたテナントは、メタバース世界へアクセスするための貸スペース等として利用する等、賃貸形態にも変化を生み出していくことでしょう。

カラオケボックスのような感じで、メタバース世界にアクセスするスポットが増えるのではないでしょうか。

 

収益物件の空室

仮想空間が充実すると、家賃の高い場所に住む必要性が低下します。

そうなれば、少しずつ家賃の値下げ競争が起こっていくことが予想されます。

 

デザインリフォームの時代から、防音やリモート環境を完備した物件が選ばれる時代になっていくかもしれません。

そういった意味では、リフォーム業界にも新しい風が吹くことになりそうですね。

 

事実、今現在においても、大学や就職で上京する必要性が低下してきています。

地方にいながら、ヤフーやグーグルのようなIT企業で働くという形態も増えていくでしょう。

 

最悪の場合、人気エリアの物件でさえも空室が増え、収益物件の返済がままならなくなる・・というオーナーが増加します。

ほんの1年程度の期間で、空室率が50%を下回るような事になれば、次々と破綻するケースが出てくる事になるのです。

このような変化を見据えた売却計画・リフォーム等をしていく必要がでてきているのかもしれませんね。

 

売買への影響

不動産売買においては、郊外のマンションや、建売住宅が好調になるのではないでしょうか。

土地の価値ではなく、建物構造や間取りで差がつく時代に突入している気がします。

 

不動産業で開業する場合、家賃の高い都内に出店するよりも、郊外で建売需要の高い場所等が良いかもしれません。

また、2022年5月には、電子契約が可能になる予定ですので、不動産屋の立地についても考え方が変わる契機となるでしょう。

 

そして、売買事業において最も懸念されるのは、メタバース内で土地が売買されることです。

既に、一部のプラットフォームでは、2千万円を超える値段で取引されている仮想の土地が存在します。

 

現実さながらの街並みが実現され、そこにある仮想空間(土地)に価値が出始めた時、現実世界の不動産価格は下落するでしょう。

メタバース内の土地に投資価値が出ると、現実世界での買い手が減少しますから、土地価格の相場は、限りなく業者仕入価格に近くなります。

 

今のところ、メタバース内の土地については、「不動産であって不動産でない」(データの売買)という取引なので、法整備も追いついていません。

この為、宅建業法がなくても取引が可能となり、実質的に不動産業務が激減してしまう可能性も秘めています。

不動産投資が本格的にメタバース内で始まると、現実世界での取引が確実に減少するのです。

 

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雇用環境への影響

不動産業界は、メタバースの進化と共に変貌していくと思います。

雇用についても、WEBに強い人材等が重宝されるようになるのではないでしょうか。

 

仮想空間での業務が広がると、営業マンとしての経験よりも、WEB知識や広告スキルの方が価値が高くなるからです。

また、出勤の必要性についても、今までより低下すると思います。

 

役所調査等も、WEB上で完結できる分野が増えてきています。

メタバースによって、一人の営業マンが多くの顧客を対応できるようになってくるでしょう。

 

浮いた人的コストを、メタバース内の広告等へ投資する傾向も強まりそうな気がします。

今後、大手不動産業者と取引する必要性にも疑問符がつく可能性がありますので、個の力を磨く時なのではないでしょうか。

 

まとめ

メタバースによって、不動産ニーズも多様化していくことが予想されます。

このような変化が起こり得る現実を受け入れ、今から何に備えるかを考え始める必要があるでしょう。

他事業展開をするのも良いでしょうし、いち早くメタバース事業に参入することも答えの1つとなり得そうです。

それぞれの立場や業態に合わせ、生き残るための知恵と工夫をしていく事になると思います。

将来的には、メタバース内の土地取引についても業者免許や新しい資格が必要になるかもしれません。

ここから先は、本当に劇的に世界が変わっていくと思われますので、日々勉強し、スピード感を持って対応していきたいですね。

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