2022年度の宅建本試験の出題について、傾向を分析しておきますので、どこで何点とるべきかを判断するための材料にしてください。
昨年度の試験では、いくつかの変化が見られましたので、この点についても解説していきたいと思います。
2022年度の学習においては、これまでの流れを踏まえた対策が求められそうです。
変化した部分の出題意図を理解しておくことで、合格に繋がるポイントになると思いますので、必ず一読しておきましょう。
出題傾向について
宅建士の試験では、各法令の出題比率は変わっていません。
体感的な難易度の変化はあっても、出題の割合が一定であることは忘れてはいけないポイントです。
今年も、どの部分で何問正解するかを想定し、しっかりと攻略法を組み立てましょう。
特記したい点としては、心理的な工夫をしてきたと感じる部分がある事です。
具体的には、同じ正解番号が続くとか、全部の肢が正解肢になっているという「心理的に圧力をかけて実力を試す」という作り方にしているように見えました。
未出題の問題を出すよりも基本的実力を試す効果が高く、難易度を変えたことにならないことから、このような出題傾向となったのではないかと推察しています。
実際、運の要素を排除するだけで、例年よりも合格ラインが少し下がる効果がありました。
このような変化を踏まえ、今年の受験からは、「より正確に覚える方法」を意識すると良いでしょう。
難易度は変わっていませんから、過去問の反復回数を増やすことと、細部に注意を払った覚え方が大切になりそうです。
民法(問1~問10)
毎年のことではありますが、民法での得点は、10問中4~5問の正解を目指すのがお勧めです。
まずは、宅建業法等の基本的な学習を先行し、確実にとれる法令を優先してください。
法改正の影響で、2021年度からは改正点について問う問題が出てきました。
10問中、4~5問分については、それほど難しくない内容の問題が出されていますので、これを確実にとる意識でOKです。
近年は、相続に関する問題が増加していると感じます。
社会的にも必要性が増している知識だと思いますので、強化しておくと良いと思います。
2022年度は、意思表示、相続(遺言・遺留分にも注意)、契約不適合責任、抵当権、債権(譲渡・連帯債務)、時効、賃貸借、についての出題を予想しています。
法改正部分からの出題により、今後の受験生に改正点を確認させる意味もある為、要注意です。
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借地借家法(問11~12)
借地借家法が、毎年2問出題され続けるのは、賃貸系の設問として必須の内容だからだと考えて良いと思います。
売買でも借地権の取引はありますので、基礎的な事を知っておく必要があります。
実務目線から申し上げれば、売買の場合なら、借地権と底地を同時に売却した時の知識を問う設問に注意が必要だと思います。
借地借家法は、理解するまで少し大変なところもあると思いますが、確実に出題される法令ですから、必ず2問の得点を目指しましょう。
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区分所有法(問13)
毎年、1問分は区分所有に関する問題が出題されています。
内容的には面白くないかもしれませんが、しっかり勉強しておけば確実に1問とれる法令です。
手抜きをせずに学習すると良いと思います。
確実にとれるところですので、1問正解で目標設定しましょう。
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不動産登記法(問14)
問14では、長らく不動産登記法が出題され続けています。
2021年度は、配偶者居住権が登記できるかを問う肢が出題される等、改正に関連した出題もありました。
以前の宅建試験に比べて、やや総合力を試すような肢が増えているように思います。
また、実際の登記事項証明書を見て、その意味を勉強すると理解が深まると思います。
ここでも1問正解を目標とします。
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都市計画法と建築基準法(問15~18)
毎年、都市計画法と建築基準法から2問ずつ出題されています。
都市計画法と建築基準法についても、少し出題傾向が変わったように感じます。
1問分は、過去問でおなじみの箇所から出題し、もう1問は新しい聞き方等をしてきている印象です。
消去法的に答えを導き出せることも多いので、当サイトの過去問テキストを使って復習してみてください。
オリジナルの解説で、分かり易くしたつもりです。
ボリュームの多い法令ですので、まずは過去問をしっかり押さえるのが基本です。
ここでの4問分については、単純に、勉強量での差が出やすいです。
確実に合格を狙うなら、基本的な事をしっかりと覚えて、4問中3問の正解はできるようになっておきましょう。
建築基準法は、直近でいくつか改正点がありましたし、最近では施工令からの出題もあります。
この辺りは、過去問の範囲だけ学習すれば良いと思います。
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規制・制限系の法令(問19~22)
この区間では、土地区画整理法、宅地造成等規制法、農地法、国土利用計画法、その他法令等からの出題で構成されています。
国土利用計画法については、その他法令(河川法、道路法、景観法等)との組み合わせ問題が出題されることもあります。
土地区画整理法、宅地造成等規制法、農地法で1問ずつ獲得するプランです。
2022年の農地法は、生産緑地解除に関する問題にも注意しましょう。
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生産緑地を売却するための手続きとは?
2022年の生産緑地解除に向けて、売却準備をする方々が増えています。 市街化農地についても、早めの売却を決断するケースが増加しているように感じます。 不動産業者(仲介)では、農地売却の経験が無い(又は ...
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税関連(問23~24)
ここは、税金関連の法律から、ランダムに2問が出題されています。
2021年度は、固定資産税の評価が改定される年にも当たったせいか、不動産取得税からの出題でした。
2022年度は、固定資産税の可能性が高そうですが、ここは何とも言えないところです。
学習する順番は、固定資産税から・・・といったところでしょうか。
もう1問分は、印紙税、登録免許税、贈与税、所得税等から出題されており、対策が講じにくいところです。
2020年度は印紙税、2021年は所得税から出題されました。
個人的には、相続と関連性の高い「贈与税」に警戒が必要かと思っています。
(近年、暦年贈与に関する改正が話題となっており、注目されるところです)
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不動産取得税の宅建無料テキスト|独学受験者用教材
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宅建の独学用に、印紙税法の無料テキストを作成しました。 1問正解するための情報を詰め込んでおきましたので、勉強に役立ててください。 勉強しながら、過去問の特徴もチェックできるようにしてあります。 &n ...
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固定資産税の宅建無料テキスト
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不動産鑑定評価基準又は地価公示(問25)
近年の傾向では、地価公示法、又は不動産鑑定評価基準からの出題となっています。
要するに、ここでは地価に関連する問題が出されています。
直近では、2020年・2021年と2年連続で不動産鑑定評価基準から出題されています。
今年も、引き続きどちらの可能性も有りそうな状況で、判断に迷うところです。
ここでは、1問正解を目指したいところですが、本試験での想定としては得点ゼロとしておきます。
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不動産鑑定評価基準で1問得点するための無料テキストを作成しました。 ちょっと視点を変えた実践的なテキストにしていますので、読んでおくだけで1問とれるかもしれません。 少しでも皆さんの理解が進めば幸いで ...
宅建業法(問26~45)
この区間は、主に宅地建物取引業法での構成となっています。
この試験のメイン法令でもありますので、満点をとるくらいの気持ちで勉強する必要があります。
直近の本試験を見返してみても、充分に目標を達成できる難易度でした。
この為、宅建業法でのミスが合格率に大きく影響する年だったとも言えると思います。
問45については、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」からの出題が通例となっています。
専用の練習テキストを作成してありますので、過去問のカテゴリーから読んでみてください。
宅建業法の無料テキスト
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宅地建物取引業法の独学テキスト集
宅地建物取引士の試験を独学で受験する方々に向けて、流し読み用の無料テキストを作成しました。 流し読み用とは言っても、きちんと合格レベルの知識が得られる内容になっていますので、メインテキストとしても使用 ...
その他の法令(問46~47)
この区間では、独立行政法人住宅金融支援機構と、不当景品類及び不当表示防止法から、毎年1問ずつ出題されています。
ここも確実に出る箇所ですから、しっかり2問を獲得しにいきましょう。
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独立行政法人住宅金融支援機構|宅建独学用の無料テキスト
独立行政法人住宅金融支援機構についての無料テキストを作成しました。 宅建の試験では、独立行政法人住宅金融支援機構についての設問が毎年出題されています。 過去問の抜粋を交えながら、1問獲得に必要な情報を ...
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不当景品類及び不当表示防止法の無料テキスト|宅建独学用
不当景品類及び不当表示防止法と公正競争規約について、無料テキストを作成しました。 5問免除の対象になっている部分なので、一般的には「あまり重要ではない部分」というイメージがあるかもしれません。 しかし ...
統計(問48~50)
問48は、毎年「統計」からの出題となっています。
スクール各社やネット上の情報を活用し、不動産統計の概要数値を掴んでおく程度で良いと思います。
その他は、主に土地の知識と、建物の構造から出題されています。
勉強量に対して効率が良く得点できる部分ですので、過去問の範囲についてはしっかりと理解しておいてください。
ここでの目標は、2問正解です。
無料テキスト
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土地知識と建物構造の過去問テキスト|宅建試験対策
宅建試験の問49と問50では、毎年、土地の知識と建物の構造についての問題が出されていますよね。 基礎知識的な内容なので、常識的に考えるだけでも正解できるケースもあります。 過去問で学習すれば十分な科目 ...
得点配分の内訳
一発合格の経験を活かして、自分が再受験するつもりで合格時の得点配分を考えました。
どこかで2問落としても合格できるプランですので、採用価値があると思います。
- 民 法 10 (4)
- 借地借家法 2 (2)
- 区分所有法 1 (1)
- 不動産登記法 1 (1)
- 都市計画法 2 (2)
- 建築基準法 2 (1)
- 土地区画整理法 1 (1)
- 宅地造成等規制法 1 (1)
- 農地法 1 (1)
- 国土利用計画法等 1 (0)
- 税 法 2 (1)
- 地価公示法 1 (0)
- 宅地建物取引業法 19 (17)
- 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律 1 (1)
- 独立行政法人住宅金融支援機構 1 (1)
- 不当景品類及び不当表示防止法 1 (1)
- 統 計 1 (0)
- 土地の知識 1 (1)
- 建物の構造 1 (1)
★ 全50問中、37問正解で合格!
まとめ
宅建の試験問題は、試験委員に選ばれた弁護士や、各省庁の課長クラスの人達が作成しています。
出題傾向の変化を観察していると、このような人達の視点(出題意図)を踏まえた分析をすることも大切だと感じます。
この記事でご紹介したように、宅建試験には一定の出題傾向があります。
宅建業法を得意分野にし、毎年出題される法令でしっかりと得点すれば、高確率で合格できる資格です。
今年も、しっかりと37問以上正解できるように、勉強の予定を立てて挑みましょう。