不動産動向

建売業界は、コロナを乗り越えたか

不動産業界に及ぶコロナの影響については、様々な憶測が飛び交いました。

現在は、コロナ流行から1年以上が経過し、途中経過を実際の数字で確認することができる時期にあります。

今回は、不動産業界の代表的な指標となる建売の販売業績にクローズアップし、実際に起こったコロナでの影響をご紹介したいと思います。

 

勝ち組の業績は良好

結論から言えば、トップ企業の業績は良好なものでした。

飯田グループHの業績を見てみると、前年比で約113%の売上収益となっています。

 

前年通期の売上実績も上回りましたから、「コロナの影響は無かった」と言っても良い内容です。

見方によっては、「追い風だった」とも言える内容です。

 

飯田グループHのとった戦略は、在庫数を絞り、現預金を増やすというシンプルなものでした。

単純に、堅実な経営に切り替えたわけです。

 

仕入担当者は、「今まで以上に良い物件を優先して買う」ということになったはずです。

この結果、在庫は少ないものの、好収益な物件が増え、回転率もやや上昇したという現象が起こったのではないかと推察しています。

 

結局のところ、コロナ渦で苦しんだ会社がある一方で、コロナ渦で儲かった会社も出現しました。

自分の勤める会社の利益が上がった人も一定数いたわけです。

 

その結果、家を買いたいと思う人の全体数はそれほど変動せず、むしろ少し増えたのかもしれません。

オープンハウス等、都内中心の建売事業者を見ても、業績は好調だったようです。

 

建売業界のトップを走る飯田グループホールディングスでは、2021年4月から経営体制の改革も行いました。

名誉会長、取締役会長のポストを設け、飯田産業から新たな社長を選任し、グループ傘下の社長クラスが専務取締役に昇進する等、内部統制の一体化を進めています。

 

アフターコロナに向けた戦略を組織的に実行していく姿勢に見えます。

建売業界は、これまで以上に二極化が進むのかもしれませんね。

 

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その他、建売業者の声

規模の小さな建売業者の中からは、厳しい声も聞こえてきます。

在庫が残っているとか、仕入ができないといった話を耳にしました。

 

コロナ渦で、売れ残りを恐れた経営者が、土地売りに切り替える事例もあったようです。

結果的にこれは失敗だったようで、建売で販売していれば売れていたと思われるケースが多いようです。

 

また、自粛等で不動産業者への相談機会が失われたことにより、仕入案件が減少したことも響きました。

大手企業では、どんな状況でも一定の案件情報が入ってきますが、小さな会社では本当に仕入案件がゼロになってしまったというケースもあったようです。

 

会社の規模によって舵取りは難しい面があったとは思いますが、コロナを恐れずに攻めることができた建築会社は、現状維持以上の結果を残しています。

 

建売業界の今後

ワクチン接種が進み、世の中が平穏を取り戻していくと、経済はV字回復するでしょう。

飲食店を利用できなかったストレス、旅行に行けなかったストレスを解消する動きが出てくるはずです。

 

致死率の高い新たな変異種でも出現しない限り、近い未来にそんな状況になります。

そして、2022年の生産緑地解除を迎えるわけです。

 

世間では、地価が下がることが懸念されていますが、意外に影響が無い可能性もあるのではないでしょうか。

2022年問題についても、大手はその資本力でチャンスを活かし、増益を実現するはずです。

 

要するに、世に起きるイベントを活かすも殺すも経営戦略次第ということです。

家を買いたいと思う人の絶対数は、いつも変わらないという事なのでしょう。

 

今回のコロナ騒動では、飯田グループHが前年比で売り上げを伸ばした分、小さな建築会社が厳しくなったということだと思います。

事業経営は、存在するシェアを奪い合うサバイバルだと痛感する話ですね。

 

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まとめ

振り返ってみれば、建売業界では、コロナの悪影響は小さなものでした。

オープンハウス飯田グループホールディングス等、業績を伸ばした企業がいることがその証拠です。

本当に深刻な影響があったのなら、業界全体が落ち込むはずですよね。

明暗が分かれただけの業種については、経営戦略の違いがでやすい状況になったに過ぎなかったということです。

どの業界も、時代のせいにせず、潮流に乗る経営力が求められている気がします。

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