2020年度の宅建士試験は、コロナウイルス渦の中、民法の大幅改正を伴うという、対策の難しい年でした。
その分、2021年度の宅地建物取引士試験では、傾向と対策がしやすくなる面もあると思っています。
とはいっても、確実に合格するためには37問程度の正解率を実現する必要がありますので、しっかりと対策を立てていきましょう。
今年も本試験の出題傾向を分析しておきますので、どこで何点とるべきかを判断するための材料にしてください。
出題傾向について
宅建士の試験を攻略するためには、何問目でどんな内容が問われているかを把握することです。
どの部分で何問正解するかを想定し、しっかりと攻略法を組み立てましょう。
記事後半では、得点源についての理想パターンについても掲載していますので、参考にしてください。
では、直近の出題傾向を含めて検証していきたいと思います。
出題の順番については、前後することもあります。
何問目で出題されるかは気にせず、各ジャンルの出題数等を意識してください。
出題傾向について、設問別に解説していきますので、参考にして学習してください。
当サイトの無料テキストと合わせて勉強できるようになっており、これだけで合格することも充分に可能です。(過去実績有)
通勤通学の時間を活用して、学習していただければと思います。
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民法(問1~問10)
民法での得点は、10問中4~5問の正解を目指すのがお勧めです。
宅建業法等の基本的な学習を先行し、確実にとれる法令を優先すべきです。
かつて、この区間は意思表示や代理からの出題が多い傾向がありましたが、2020年の試験では少し傾向が変わった印象です。
法改正の影響と言って良いと思います。
2020年度は、錯誤についての問題が1つ出題されただけでしたが、引き続き法律行為や行為能力を優先的に学習するのが近道だと思います。
特に、よく出題される、「意思表示」や「代理」から学習すると良いと思います。
これらの学習が終わったら、「行為能力」を学びましょう。
その他では、相続、契約不適合責任、抵当権、債権、売買契約、時効、賃貸借、についての出題を予想しています。
2021年度は、法改正部分からの出題に警戒が必要です。
改正の年は、準備期間が短いこともあり、それほど改正部分からの出題が無い事が多いです。
2021年度については、改正の翌年に当たりますので、ある程度出題されると考えておきましょう。
特に、相続からの出題と、契約不適合責任については注意してください。
あえてピンポイントで予想するなら、遺言と遺留分です。
瑕疵担保責任が債務不履行責任と同様の考え方になった為、債権という広いカテゴリーでの学習も有効だと思います。
債権譲渡と連帯債務等も比較的によく出題されていますので、合わせて学習すると良いです。
不動産売買の実務に関連性が深い部分なので、2021年度についても強化ポイントだと考えています。
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借地借家法(問11~12)
借地借家法が、毎年2問出題され続けるのは、賃貸系の設問として必須の内容だからだと考えて良いと思います。
売買でも借地権の取引はありますので、基礎的な事を知っておく必要があります。
実務目線から申し上げれば、売買の場合なら、借地権と底地を同時に売却した時の知識を問う設問に注意が必要だと思います。
借地借家法は、理解するまで少し大変なところもあると思いますが、確実に出題される法令ですから、必ず2問の得点を目指しましょう。
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区分所有法(問13)
毎年、1問分は区分所有に関する問題が出題されています。
内容的には面白くないかもしれませんが、しっかり勉強しておけば確実に1問とれる法令です。
手抜きをせずに学習すると良いと思います。
確実にとれるところですので、1問正解で目標設定しましょう。
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不動産登記法(問14)
問14では、長らく不動産登記法が出題され続けています。
2021年度は、配偶者居住権が登記できるかを問う肢が出題される等、改正に関連した出題もありました。
以前の宅建試験に比べて、やや総合力を試すような肢が増えているように思います。
また、実際の登記事項証明書を見て、その意味を勉強すると理解が深まると思います。
ここでも1問正解を目標とします。
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不動産登記法の無料テキスト|宅建独学勉強用
宅建の本試験で、不動産登記法で1問正解するためのテキストを作成しました。 なるべく簡単な表現で、過去問に出題された部分を重視した内容になっています。 情報量の多い法令なので少し大変かもしれませんが、何 ...
都市計画法と建築基準法(問15~18)
毎年、都市計画法と建築基準法から2問ずつ出題されています。
年度によって順番が入れ替わることはありますが、出題数に大きな変化はありません。
都市計画法と建築基準法は、かなりボリュームの多い法令です。
しかし、本試験ではそれほど難しい事を聞いてきません。
つまり、この4問分については、単純に、勉強量での差が出やすいです。
基本的な事をしっかりと覚えて、過去問中心に学習することで、4問中3問の正解はできるようになっておきましょう。
それが合格するための要件と言っても良いと思います。
全問正解するくらいの気持ちで勉強し、都市計画法と建築基準法は得意分野にしてください。
都市計画法は、2問中1問は開発許可に関する出題となる可能性が高いです。
建築基準法は、直近でいくつか改正点がありましたので、この辺りも注意しながら勉強するのがコツになると思います。
このようなポイントを踏まえて過去問をしっかりやれば、4問正解も可能だと思います。
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都市計画法と建築基準法の宅建無料テキスト
宅地建物取引業法の無料テキストに続き、都市計画法と建築基準法の流し読み用テキストです。 都市計画法と建築基準法は繋がりの強い法律ですので、一緒にまとめて勉強できるようにしておきました。 ...
規制・制限系の法令(問19~22)
この区間では、土地区画整理法、宅地造成等規制法、農地法、国土利用計画法、その他法令等からの出題で構成されています。
国土利用計画法については、その他法令(河川法、道路法、景観法等)との組み合わせ問題が出題されることもあります。
土地区画整理法、宅地造成等規制法、農地法で1問ずつ獲得するプランです。
農地法については、生産緑地解除に関する問題に注意しましょう。
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生産緑地を売却するための手続きとは?
2022年の生産緑地解除に向けて、売却準備をする方々が増えています。 市街化農地についても、早めの売却を決断するケースが増加しているように感じます。 不動産業者(仲介)では、農地売却の経験が無い(又は ...
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土地区画整理法は、試験対策上としては少し効率の悪い科目です。 勉強内容が比較的に多くて理解しにくい割に、1問しか出題されないからです。 つまり、苦労に対して成果が小さい印象がある法令です。 頻出箇所を ...
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宅地造成等規制法は、宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)に法律名が改正され、2024年度の宅建本試験から出題されます。 従前の内容と変わらない点も多いですが、改正箇所についてはしばらく新しい問題 ...
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農地法の宅建無料テキスト
農地法は、宅地建物取引士の試験科目の中でも、比較的に攻略がしやすい法律です。 農地法からの過去の出題は、第3条から第5条の中からとなっており、範囲が狭いのです。 農地法からの出題に対しては、確実に1問 ...
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国土利用計画法の無料テキスト|宅建独学用
宅建士の試験を独学で合格しようとしている人達へ、国土利用計画法の無料テキストを作成しました。 スマホで学習できる無料テキストですので、通勤通学時に数回読んで過去問をやれば、勉強を完了できます。 スポン ...
税関連(問23~24)
ここは、税金関連の法律から、ランダムに2問が出題されています。
毎年、固定資産税と不動産取得税が交互に出題されていて、順番的に予測すると2021年度は固定資産税の年になります。
2021年度は、固定資産税の評価が改定される年にも当たりますので、これに関連する知識が問われるかもしれません。
2021年度1の試験対策としては、不動産取得税については読み通す程度にしておく作戦が良いかもしれません。
もう1問分は、印紙税、登録免許税、贈与税、所得税等から出題されており、対策が講じにくいところです。
2020年度は、印紙税から出題されました。
個人的には、相続と関連性の高い「贈与税」・「所得税」からの出題を警戒しています。
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不動産取得税の宅建無料テキスト|独学受験者用教材
宅建の試験では、固定資産税と不動産取得税のどちらかが1問出題されています。 ここ数年は、1年毎に入れ替わりの順序で出題されていますが、2年連続での出題の可能性もゼロではないと思います。 しかし、確率的 ...
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印紙税法の宅建独学勉強用テキスト(無料)
宅建の独学用に、印紙税法の無料テキストを作成しました。 1問正解するための情報を詰め込んでおきましたので、勉強に役立ててください。 勉強しながら、過去問の特徴もチェックできるようにしてあります。 &n ...
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固定資産税の宅建無料テキスト
固定資産税の独学用無料テキストを作成しました。 宅建の試験では、不動産取得税と固定資産税のどちらかから1問出題される状況が続いています。 確率が高いと思う方から勉強し、試験直前に余裕があれば、もう一方 ...
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不動産鑑定評価基準又は地価公示(問25)
近年の傾向では、地価公示法、又は不動産鑑定評価基準からの出題となっています。
要するに、ここでは地価に関連する問題が出されています。
2020年度については、不動産鑑定評価基準から出題されました。
2021年度は、どちらの可能性も有り得そうな状況で、判断に迷うところです。
ここでは、1問正解を目指したいところですが、本試験での想定としては得点ゼロとしておきます。
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地価公示法で得点できる無料テキスト|宅建独学用
地価公示法について、宅建独学受験用の無料テキストを作成しました。 本試験では、毎年1問が地価公示法と不動産鑑定評価基準のどちらか一方からランダムに出題されています。 毎年、交互に出題されるわけではない ...
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不動産鑑定評価基準の過去問テキスト|宅建独学用
不動産鑑定評価基準で1問得点するための無料テキストを作成しました。 ちょっと視点を変えた実践的なテキストにしていますので、読んでおくだけで1問とれるかもしれません。 少しでも皆さんの理解が進めば幸いで ...
宅建業法(問26~45)
この区間は、主に宅地建物取引業法での構成となっています。
この試験のメイン法令でもありますので、満点をとるくらいの気持ちで勉強する必要があります。
2020年度の本試験は、全問正解を目指せる内容の難易度でした。
宅建業法でのミスが合格率に大きく影響する年だったとも言えると思います。
問45については、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」からの出題が通例となっています。
宅建業法の無料テキスト
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宅地建物取引業法の独学テキスト集
宅地建物取引士の試験を独学で受験する方々に向けて、流し読み用の無料テキストを作成しました。 流し読み用とは言っても、きちんと合格レベルの知識が得られる内容になっていますので、メインテキストとしても使用 ...
その他の法令(問46~47)
この区間では、独立行政法人住宅金融支援機構と、不当景品類及び不当表示防止法から、毎年1問ずつ出題されています。
ここも確実に出る箇所ですから、しっかり2問を獲得しにいきましょう。
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独立行政法人住宅金融支援機構|宅建独学用の無料テキスト
独立行政法人住宅金融支援機構についての無料テキストを作成しました。 宅建の試験では、独立行政法人住宅金融支援機構についての設問が毎年出題されています。 過去問の抜粋を交えながら、1問獲得に必要な情報を ...
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不当景品類及び不当表示防止法の無料テキスト|宅建独学用
不当景品類及び不当表示防止法と公正競争規約について、無料テキストを作成しました。 5問免除の対象になっている部分なので、一般的には「あまり重要ではない部分」というイメージがあるかもしれません。 しかし ...
統計(問48~50)
問48は、毎年「統計」からの出題となっています。
スクール各社やネット上の情報を活用し、不動産統計の概要数値を掴んでおく程度で良いと思います。
その他は、主に土地の知識と、建物の構造から出題されています。
勉強量に対して効率が良く得点できる部分ですので、過去問の範囲についてはしっかりと理解しておいてください。
ここでの目標は、2問正解です。
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土地知識と建物構造の過去問テキスト|宅建試験対策
スポンサーリンク 宅建試験の問49と問50では、毎年、土地の知識と建物の構造についての問題が出されていますよね。 基礎知識的な内容なので、常識的に考えるだけでも正解できるケースもあります。 過去問で学 ...
得点配分の内訳
一発合格の経験を活かして、自分が再受験するつもりで合格時の得点配分を考えました。
黒文字は、本試験での出題数の内訳です。
どこかで2問落としても合格できるプランですので、採用価値があると思います。
- 民 法 10 (4)
- 借地借家法 2 (2)
- 区分所有法 1 (1)
- 不動産登記法 1 (1)
- 都市計画法 2 (2)
- 建築基準法 2 (1)
- 土地区画整理法 1 (1)
- 宅地造成等規制法 1 (1)
- 農地法 1 (1)
- 国土利用計画法等 1 (0)
- 税 法 2 (1)
- 地価公示法 1 (0)
- 宅地建物取引業法 19 (17)
- 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律 1 (1)
- 独立行政法人住宅金融支援機構 1 (1)
- 不当景品類及び不当表示防止法 1 (1)
- 統 計 1 (0)
- 土地の知識 1 (1)
- 建物の構造 1 (1)
★ 全50問中、37問正解で合格!
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まとめ
宅建の試験問題は、試験委員に選ばれた弁護士や、各省庁の課長クラスの人達が作成しています。
出題傾向の変化を観察していると、このような人達の視点(出題意図)を踏まえた分析をすることも大切だと感じます。
この記事でご紹介したように、宅建試験には一定の出題傾向があります。
宅建業法を得意分野にし、毎年出題される法令でしっかりと得点すれば、高確率で合格できる資格です。
しっかりと37問以上正解できるように、勉強の予定を立てて挑みましょう。